タイトルに「ジャンゴ」と入る映画はいくつかあって、その基本的な構図は、
 財宝が眠る、という噂のある村(町)に、2つの勢力がやってきて、対立する。村(町)人達は無力で、ある男と妻と子供は目をつけられる。
 そこへ、ぶらりと1人の男。女を助けた事で、彼も目をつけられ、ボコボコにされる。時には手をやられたりする。
 「大丈夫なのか? そんなことで勝てんのかよ?」と観ている観客は思う。どうやって解決するのか、と思う。
 さらにいろいろと、ある意味、残酷で残虐で悲劇的なシーンは続く。
 そして、意外な助けも加わって。
 最後は、画期的な解決を見せる。
 どっちかと言うと、男性向きの映画だと思う。
  (ちょっと長文です。以下、敬称略です。)

タイトルの映画は、クェンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の作品。
こちらは、基本とちょっとちがって、農場主と解放奴隷と言う対立。
 出演は、ジャンゴにジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)、農場主にレオナルド・ディカプリオ。そして、フランコ・ネロ(Franco Nero)。監督本人も出演。
 
 このジャンゴという名前は、以前から繋がっている名前であって、
そもそもは、どうやら次のようです。
(1) 黒澤明監督、三船敏郎主演の「用心棒」(1961)をリメイクした、イタリア版の西部劇「荒野の用心棒」(1964)がある。こちらは主演がクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)。大ヒットして、日本では「マカロニ・ウェスタン」(欧米では、「スパゲッティ・ウェスタン」)と呼ばれた。

(2) その人気の中で、その続編でもないのに邦題「続・荒野の用心棒」(1966)を付けた映画が出た。
主演は、主人公ジャンゴ役で、フランコ・ネロ、原題は「Django」だった。この主人公は、西部劇上、伝説的なキャラクターとして話題となった。そして何よりも、その主題歌「さすらいのジャンゴ」が盛り上げて、当時の観客の、いや、後で観た人達の心に残ったのであろう。

(3) さらに、日本の三池崇監督が「スキヤキ・ウェスタン・
ジャンゴ」を世に出した。
 壇ノ浦の約100年後、源氏と平家の2大勢力が争っている中に、1人のガンマンがやって来るという構図。
  出演は、ジャンゴ役のガンマンに伊藤英明、佐藤浩市、木村佳乃、桃井かおり、クェンティン・タランティーノ、松重豊、堺雅人、伊勢谷友介。
 タイトルに「ジャンゴ」が入り、流れる曲は、上述と同じ「ジャンゴ~さすらい」。あちらこちらに、どっかで観たって言うシーン(オマージュ)もてんこ盛り。
 
(4) その後に、タランティーノ監督の本作の「ジャンゴ- 繋がれざる者(Django Unchained)」(2013)がある。タイトルにしっかりとジャンゴの名前が入り、曲はまたしても、「さすらいのジャンゴ」がかかって、観ている人達は「やっぱり!」と心の中で思う。
 スペシャル・ゲストとして、わざわざフランコ・ネロの出演とこの同じ曲を使って見せたのであろうと思う。
 奴隷解放をもじったタイトルでは「 繋がれてませんよ(Django Unchained)、自由ですよ。」ってストーリーの独自性も暗示しながら、メイン・テーマは「つながってますよ」と言っているかのような感じ。

 さて、どちらかと言うと、男性向きの映画の数々。

しかし、前にもどこかで書いたように「時代は女性」であるのだから、日本かハリウッドとかで、再度リメイク作ってもらって、その時の一匹狼の弓矢ウーマン役には、ジェニファー・ローレンスに。
 敵と戦って、ボコボコにされ、地面に倒れる。やっとのことで立ち上がって、背中に手を回すが、「まずい! 矢ぜんぶ使っちまった! どうしょう!?」と。敵はニンマリと。
 そこへ、桃井かおりさん似の美人の母親が出て来て、「やだ~、もう、あんたさ、ね、ね、ね、いつも言ってるじゃん。出かける前には、弁当と予備の矢をちゃんと持ったか確認してって! ね、じゃあ、これ」と弓の入ったケースを渡し、あぜんとしている敵の前を通り過ぎて行ってしまう。そして、ジェニファーは、アッというまに、敵を倒してしまう、というのは、いかがでしょうか?


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