「目がさめたけれど、今見ていたのは夢だったのか、それとも今が夢の中なのか」という
 荘子の有名な「胡蝶の夢」の話があります。
 この映画は、なんとなくそんな感じです。

  3次元は立体でしたが、4次元は?
一説によれば、3次元空間を3次元空間が通り抜けることの出来る空間らしいです。つまり、異次元が共存しているらしいのです。
 3次元では、ドアを開けて外へ出ますが、4次元では、抜け出て、そのまま宇宙の果てまでも、瞬時で行けます。時間も空間もないそうです。
 夢の世界には時間も空間も色も音も制限がありません。無限です。好きな時に好きな所へ行く事が出来ます。 

 子供達の所に戻りたい、腕利きのextractor コブは、実現困難な仕事に仲間と共に挑むが…。

 エクストラクター( extractor )は、他人の頭の中(夢の中)へ、侵入して(潜在意識の中から)アイデアを抜き出す者。
 インセプション ( Inception )は、他人の頭の中へ、侵入してアイデアを植え付ける事。

 出演は、主人公コブに、レオナルド・ディカプリオ( Leonardo DiCaprio )「ジャンゴ繋がれざる者(Django Unchained 」、「J・エドガー(J・Edgar)」、
 サイトー(斉藤)に渡辺謙「バットマン・ビギンズ( Batman Begins )」、大企業の会長フィッシャーに、ピート・ポスルスウェイ(Pete Postlethwaite)「ユージュアル・サスペクツ(The Usual Suspects)」、会長の右腕にトム・ベレンジャー( Tom Berenger )「プラスティック・ナイトメア(Shattered)」、「疑惑の幻影 (Shadow of Doubt )」、モルにマリオン・コティヤール(Marion Cotillard )「ダークナイト・ライジング」「ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)」「エディット・ピアフ~愛の讃歌(La Mome) アカデミー賞主演女優賞受賞」、アトアドネに若手注目株のエレン・ペイジ(Ellen Page )「JUNO/ジュノ(Juno)」。

 ロケは、日本(静岡県富士川付近を走行する新幹線など)、LA、ロンドン、パリ、モロッコ、カナダだったもよう。
 
 物語は、①「飛行機の中」②「ワゴン車の中」③「ホテル内」④「雪山の頂付近」⑤「妻と子供達」、そして、⑥それらを観ている我々自身、という風に、有名な「ペンローズの階段」のように複雑で、「上っても上っても元に戻ってくる」かのようです。

 さらに、キーになるのは、「こま」「サイコロ(3次元の象徴)」のような、「トーテム」(今居るところが、夢の中なのか否かを識別する小道具)、水や音楽(「エデット・ピアフの『水に流して』)で、夢から醒めるようです。

 ですから、夢は無限で楽しいけれど、この3次元の物理的世界に「両足で」ちゃんと立っていないといけない、ということかもしれませんね。


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