7月(梅雨あけ)の青い空、青い海、白い雲が、刺激的なほどに「ブルーベース」で人々を誘う。
山開きと海開き(7月1日)を待たずして、「サマーギフト商戦」や旬の「特招会」が、各地で火花を散らしていた!
贈答品の早期スタートや、クリアランスセールの前倒しによって、その後は、長ーい日本の夏を、少ない在庫で効率よく展開をしていくことには、慣れっこになってしまった方も増えてきた。
また、下旬になると、デリバリーシステムの違いやお国柄のせいで、インポートのラグジュアリーブランドが、こぞって秋冬物をご披露することも慣例になった。
夏物の実需を迎える7月~8月を、「クール・サマー」でいくのか、「ホット・サマー」で迫るのか、MDや販促の吟味も必要か?
「男の夏服」「ゆかた合戦」「水着・リゾート服」ユニークな「お中元品」が期待を背負っているこの頃だが、汗がしたたり落ちようとも、せめて気分は、名画『巴里祭』のロマン…で、乗り切りたい!
また、繁忙期は体力の消耗も著しいため、「サイズカルテ」作成のごあんないや、「メンテナンスDM」の発送を視野に入れている店舗や「フィッティングアドバイザー」は、さほど多くはないだろう?
お客さまが、薄着で沢山お越しになる夏は、「採寸はおまかせ!」というスタッフの出番でもある。
山開きと海開き(7月1日)を待たずして、「サマーギフト商戦」や旬の「特招会」が、各地で火花を散らしていた!
贈答品の早期スタートや、クリアランスセールの前倒しによって、その後は、長ーい日本の夏を、少ない在庫で効率よく展開をしていくことには、慣れっこになってしまった方も増えてきた。
また、下旬になると、デリバリーシステムの違いやお国柄のせいで、インポートのラグジュアリーブランドが、こぞって秋冬物をご披露することも慣例になった。
夏物の実需を迎える7月~8月を、「クール・サマー」でいくのか、「ホット・サマー」で迫るのか、MDや販促の吟味も必要か?
「男の夏服」「ゆかた合戦」「水着・リゾート服」ユニークな「お中元品」が期待を背負っているこの頃だが、汗がしたたり落ちようとも、せめて気分は、名画『巴里祭』のロマン…で、乗り切りたい!
また、繁忙期は体力の消耗も著しいため、「サイズカルテ」作成のごあんないや、「メンテナンスDM」の発送を視野に入れている店舗や「フィッティングアドバイザー」は、さほど多くはないだろう?
お客さまが、薄着で沢山お越しになる夏は、「採寸はおまかせ!」というスタッフの出番でもある。
◇ 空気を読めるか?
8月には、第8回目の「フィッティングアドバイザー」2級資格の取得審査が控えている。
各指定校で体系的に学んでから、自らの得意分野や、反対に苦手分野がわかり、ウィークポイントをクリアーして審査に合格した方は、仕事に自信を深め、さらに充実した「おもてなし」ができるようになっているだろう。
ところが衣料業界全体に目をやると、このところ、各種機関や企業・服飾専門学校などとタイアップした「プロFA養成講座」や「研修プログラム」が急増中である。
そういった「カリキュラム」や「研修システム」の大半は、似たりよったりのケースも目立つ。
それらの分野とて、掘り下げた独自性のある色がなければ、商品やサービスの同質化のようになってしまおう。
そういった「ワンパターン」化現象は、百貨店、SC・量販店・専門店・中小個店といった業態や、マンツーマン、もしくはセルフ対応、そして扱い商品やターゲットを問わずに、広がっているようだ。
兆しはすでに以前から出ていた。 例えば、近頃の「ウザッたい」ほどにバカ丁寧な接客の氾濫だ。
「お声かけ」が、必要以上にうるさい百貨店。レジ前にズラーッとお客さまが待たされているのに、チェッカーが、両手を重ねて一人ひとりに頭を下げ、お買い上げ品をビニール袋に入れてあげている大手量販店。ファミリーレストランでの、シラけさせるほど丁寧な「接客・接遇」などは、氷山の一角だろう。
最近のお客さまは、それぞれの業態に対して、「事前期待は、この位…」という、自分なりの尺度を持っておられる方が多い。…良かれと思ったサービスも、度を超せば「ありがた迷惑」になろう。
フランスやイタリアの街角にあるショップで、つかず離れずの、ナチュラルな「接客センス」を持ち合わせた、女主人やスタッフにめぐり会った…という経験のある方は少なくないだろう。
バーチャル時代に育った若い人は、データ化されたものには、めっぽう強い傾向がある。
そのせいか、心をこめて伝えたはずの「コンサルティングセールス」研修ですら、しぐさや流れを、「システム」として身体に取り入れてしまうような、新人FAも多い。
「その場の空気が読める」スタッフの育成は、いずれの企業でも頭の痛いところではないだろうか?
そこで、お手本にしたい「映画」を紹介させていただく。
初夏に絶賛を浴びた邦画『しゃべれども、しゃべれども』…(97年度「本の雑誌」ベスト10の1位に輝いた佐藤多佳子氏の長編小説を映画化)の観賞は、商いにたずさわる方々にもいい薬だと思う。
主人公である二つ目の落語家の元に、「うまくしゃべれるようになりたい…」と、ワケありの3人が弟子入りすることから、ストーリーは始まる。
“しゃべること”を通して、人間の「優しさ・温かさ」にふれ、「想いを伝えていく」ことの大切さが、スクリーンを通して伝わってくる。
ときには、しゃべることで、相手を傷つけてしまうこともある。しかし、「素敵なおしゃべり」は、人と人とのコミュニケーションを円滑にしてくれる。
個性の強すぎる弟子たちと、すったもんだを繰り返しながらの毎日だった主人公は、ある日、尊敬する師匠が、寄席で観衆を感動の渦に巻き込んでいる「真剣な姿」と「話しぶり」に出会い、本物の「落語家」とは何かを悟る。
フィクションでありながら、原作が、あれほどの人気と支持を得られたわけが映画でも理解できよう。
しゃべらずにも、Eメールやケータイ電話で、すぐに用件が伝わることに慣れっこになった若い世代には、是非ごらんになって欲しい!
今後の商戦で打ち勝っていくには、「何が欠けているか?」までも、見えてくるような気がした。
もうすぐ、確固たるバックヤードと手応えのある商品、データの水面下もかぎ分けられる人材があってこその、バーチャルショッピングと電子マネーの時代がやってくる。
各指定校で体系的に学んでから、自らの得意分野や、反対に苦手分野がわかり、ウィークポイントをクリアーして審査に合格した方は、仕事に自信を深め、さらに充実した「おもてなし」ができるようになっているだろう。
ところが衣料業界全体に目をやると、このところ、各種機関や企業・服飾専門学校などとタイアップした「プロFA養成講座」や「研修プログラム」が急増中である。
そういった「カリキュラム」や「研修システム」の大半は、似たりよったりのケースも目立つ。
それらの分野とて、掘り下げた独自性のある色がなければ、商品やサービスの同質化のようになってしまおう。
そういった「ワンパターン」化現象は、百貨店、SC・量販店・専門店・中小個店といった業態や、マンツーマン、もしくはセルフ対応、そして扱い商品やターゲットを問わずに、広がっているようだ。
兆しはすでに以前から出ていた。 例えば、近頃の「ウザッたい」ほどにバカ丁寧な接客の氾濫だ。
「お声かけ」が、必要以上にうるさい百貨店。レジ前にズラーッとお客さまが待たされているのに、チェッカーが、両手を重ねて一人ひとりに頭を下げ、お買い上げ品をビニール袋に入れてあげている大手量販店。ファミリーレストランでの、シラけさせるほど丁寧な「接客・接遇」などは、氷山の一角だろう。
最近のお客さまは、それぞれの業態に対して、「事前期待は、この位…」という、自分なりの尺度を持っておられる方が多い。…良かれと思ったサービスも、度を超せば「ありがた迷惑」になろう。
フランスやイタリアの街角にあるショップで、つかず離れずの、ナチュラルな「接客センス」を持ち合わせた、女主人やスタッフにめぐり会った…という経験のある方は少なくないだろう。
バーチャル時代に育った若い人は、データ化されたものには、めっぽう強い傾向がある。
そのせいか、心をこめて伝えたはずの「コンサルティングセールス」研修ですら、しぐさや流れを、「システム」として身体に取り入れてしまうような、新人FAも多い。
「その場の空気が読める」スタッフの育成は、いずれの企業でも頭の痛いところではないだろうか?
そこで、お手本にしたい「映画」を紹介させていただく。
初夏に絶賛を浴びた邦画『しゃべれども、しゃべれども』…(97年度「本の雑誌」ベスト10の1位に輝いた佐藤多佳子氏の長編小説を映画化)の観賞は、商いにたずさわる方々にもいい薬だと思う。
主人公である二つ目の落語家の元に、「うまくしゃべれるようになりたい…」と、ワケありの3人が弟子入りすることから、ストーリーは始まる。
“しゃべること”を通して、人間の「優しさ・温かさ」にふれ、「想いを伝えていく」ことの大切さが、スクリーンを通して伝わってくる。
ときには、しゃべることで、相手を傷つけてしまうこともある。しかし、「素敵なおしゃべり」は、人と人とのコミュニケーションを円滑にしてくれる。
個性の強すぎる弟子たちと、すったもんだを繰り返しながらの毎日だった主人公は、ある日、尊敬する師匠が、寄席で観衆を感動の渦に巻き込んでいる「真剣な姿」と「話しぶり」に出会い、本物の「落語家」とは何かを悟る。
フィクションでありながら、原作が、あれほどの人気と支持を得られたわけが映画でも理解できよう。
しゃべらずにも、Eメールやケータイ電話で、すぐに用件が伝わることに慣れっこになった若い世代には、是非ごらんになって欲しい!
今後の商戦で打ち勝っていくには、「何が欠けているか?」までも、見えてくるような気がした。
もうすぐ、確固たるバックヤードと手応えのある商品、データの水面下もかぎ分けられる人材があってこその、バーチャルショッピングと電子マネーの時代がやってくる。
◇ 買い手はプロレベル
03年の秋にスタートした、百貨店協会の「プロセールス資格制度」は、今現在、「フィッティングアドバイザー」(婦人服と紳士服)と「ギフトアドバイザー」の三種類で、それぞれが1~3級まである。
今後も新たな資格科目を設置し、講座の拡充を図ることが検討されている。
また、販売職を対象とした制度とは別に、経営層を育成するための講座を新設する構想もあるという。
他業態に打ち勝っていくには、「人材育成」とて、次の手…そして次なる手を、模索していくしかないだろう。
ついに、商人の「プロ集団」を目ざしている「人材育成」までが、競争社会に入ってしまったかのような時代が到来か?
より優れた「プロ集団」を誕生させるには、「研修カリキュラム」のメニューや項目よりも中身が肝心である。内容によっては、「学べども学べども…」といった悪循環を招きかねないからだ。
そういった現象を、「補正技術」に例えてみよう。
こなれた腕前が必要とされる、パンツの「太もものわたり(周囲)」の詰めについて考えてみる。
太ももから膝、そして裾までを、脇線に並行して同じ幅で詰めた場合と、太ももから膝までを自然に詰めていき、膝下から裾ラインまでの幅はいじらずに、シルエットを描いていく場合とでは、どちらが「太もも」が細く見えるだろう?
正解は後者で、裾幅とのバランス感覚によって、「太もも」が、お直し前より、細くなった感じが強まることになる。
「人材育成」もしかりで、いずこも、平行線をたどることにならないように、業態・業種にふさわしい「さじ加減」が必要だ。
効果的な「制度や講座」は、買い手(ユーザー)は、いつだってプロ、もしくはプロを超えている。…という視点から、プログラムの構築に入るのがおすすめだ!
今後も新たな資格科目を設置し、講座の拡充を図ることが検討されている。
また、販売職を対象とした制度とは別に、経営層を育成するための講座を新設する構想もあるという。
他業態に打ち勝っていくには、「人材育成」とて、次の手…そして次なる手を、模索していくしかないだろう。
ついに、商人の「プロ集団」を目ざしている「人材育成」までが、競争社会に入ってしまったかのような時代が到来か?
より優れた「プロ集団」を誕生させるには、「研修カリキュラム」のメニューや項目よりも中身が肝心である。内容によっては、「学べども学べども…」といった悪循環を招きかねないからだ。
そういった現象を、「補正技術」に例えてみよう。
こなれた腕前が必要とされる、パンツの「太もものわたり(周囲)」の詰めについて考えてみる。
太ももから膝、そして裾までを、脇線に並行して同じ幅で詰めた場合と、太ももから膝までを自然に詰めていき、膝下から裾ラインまでの幅はいじらずに、シルエットを描いていく場合とでは、どちらが「太もも」が細く見えるだろう?
正解は後者で、裾幅とのバランス感覚によって、「太もも」が、お直し前より、細くなった感じが強まることになる。
「人材育成」もしかりで、いずこも、平行線をたどることにならないように、業態・業種にふさわしい「さじ加減」が必要だ。
効果的な「制度や講座」は、買い手(ユーザー)は、いつだってプロ、もしくはプロを超えている。…という視点から、プログラムの構築に入るのがおすすめだ!
◇ 身近なプロ集団
今年30周年を迎えたNBF(日本ボディファッション協会)が、「インティメイトアドバイザー認定制度」を発足させ、第1回目となる認定試験を行い、293人の合格者(今年の2月)を誕生させた。
ふり返れば、90年代の後半から、一部の企業ではそれぞれのネーミングで、ボディファッション関連の「フィッター」を活躍させていたが、発足にともない、改めて以下の「2つの条件を満たす人材」と定義づけをしている。
① ファッションや商品MDの基礎的な知識を基に、ボディファッションやアウターとのコーディネートを提案する、“ファッションアドバイザー”としての知識。
② 顧客の美しいボディラインと、快適な着用感への要望に応えるため、商品や女性のボディに関する、ボディコンサルタントとしての基礎的な知識(素材や取り扱い方法のアドバイスも含)。
ふり返れば、90年代の後半から、一部の企業ではそれぞれのネーミングで、ボディファッション関連の「フィッター」を活躍させていたが、発足にともない、改めて以下の「2つの条件を満たす人材」と定義づけをしている。
① ファッションや商品MDの基礎的な知識を基に、ボディファッションやアウターとのコーディネートを提案する、“ファッションアドバイザー”としての知識。
② 顧客の美しいボディラインと、快適な着用感への要望に応えるため、商品や女性のボディに関する、ボディコンサルタントとしての基礎的な知識(素材や取り扱い方法のアドバイスも含)。
といった、素材を直に肌へ着けるアイテムだけに、明確な条件が提示されている。
百貨店業界の「フィッティングアドバイザー」にも、①と②は共通する条件とは言えまいか?
とりわけ、「ファッションアドバイザー」「ボディコンサルタント」という意識と姿勢は、今日の「フィッティングアドバイザー」制度では、スタート時に比べて薄らいできているキーファクターだ。
長年にわたって、私が提唱してきた「ボディフィッター…商標登録名・スタイリングフィッター」は、インナーも含めてスタイリングできるFAの育成である。
そういった「ゴールイメージ」は、NBFの会員企業である「W社」との間で、2000年に交わした「合意書」にも同様に記載されている。
アウターもインナーも、海外製品の波にすべてが飲みこまれることのないよう、「資格制度」と同時進行で、お客さまに本物をお届けできる「エキスパート」を、実践の場でもコーチングしていく必要があろう。
ところで、ボディサイズ(ヌードサイズ・実寸)の承り方は、パタンナーが採寸しても、既製服のフィッターが計っても、インナーウェア(下着)・ランジェリー(装飾下着)・アンダーウェア(肌着)のプロが承っても、お客さまが同じなら、値は同じになるはずのものである。
そのうち、百貨店協会の「フィッティングアドバイザー」と、NBFの「インティメイトアドバイザー」とが、「採寸」の他流試合を行うという、腕だめしのチャンスがあってもいいだろう。
お客さまの身体はとても敏感だ。 担当者のメジャー使いの「甘い・辛い」で、プロか否かをかぎ分ける方も少なくないから、くれぐれもご用心を…。
「色」や「サイズ」が息切れをしてきたこの頃だが、パリの「クチュリエ」・「クチュリエール」に思いをはせて、「スタイリング&フィッティング」力を、惜しみなく発揮してほしい!
Copyright(C) DOMINANT LIMITED All Right Reserved.
【無断転載使用不可】
百貨店業界の「フィッティングアドバイザー」にも、①と②は共通する条件とは言えまいか?
とりわけ、「ファッションアドバイザー」「ボディコンサルタント」という意識と姿勢は、今日の「フィッティングアドバイザー」制度では、スタート時に比べて薄らいできているキーファクターだ。
長年にわたって、私が提唱してきた「ボディフィッター…商標登録名・スタイリングフィッター」は、インナーも含めてスタイリングできるFAの育成である。
そういった「ゴールイメージ」は、NBFの会員企業である「W社」との間で、2000年に交わした「合意書」にも同様に記載されている。
アウターもインナーも、海外製品の波にすべてが飲みこまれることのないよう、「資格制度」と同時進行で、お客さまに本物をお届けできる「エキスパート」を、実践の場でもコーチングしていく必要があろう。
ところで、ボディサイズ(ヌードサイズ・実寸)の承り方は、パタンナーが採寸しても、既製服のフィッターが計っても、インナーウェア(下着)・ランジェリー(装飾下着)・アンダーウェア(肌着)のプロが承っても、お客さまが同じなら、値は同じになるはずのものである。
そのうち、百貨店協会の「フィッティングアドバイザー」と、NBFの「インティメイトアドバイザー」とが、「採寸」の他流試合を行うという、腕だめしのチャンスがあってもいいだろう。
お客さまの身体はとても敏感だ。 担当者のメジャー使いの「甘い・辛い」で、プロか否かをかぎ分ける方も少なくないから、くれぐれもご用心を…。
「色」や「サイズ」が息切れをしてきたこの頃だが、パリの「クチュリエ」・「クチュリエール」に思いをはせて、「スタイリング&フィッティング」力を、惜しみなく発揮してほしい!
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