歳末商戦も、残り30日あまりとなった。ふりかえれば、2005年は地球の軸がズレてしまったのではないか?と恐怖をつのらせるほどの天災や人災が各地で勃発したが、後半は、久方ぶりにメンズ市場が活況を取り戻すなどの、明るいきざしもあった。
ウィンターギフト商戦が、いよいよラストスパートに入る12月は、いずれの売り場も、スタッフの「体力」と「知力」が予算を達成できるか否かのポイントか?
ところで今夏に実施された、フィッティングアドバイザーの第4回「2級資格取得審査」の合格者数は、327名中の226人で、合格率が69%という結果だった。
筆記テストと実技審査の合計点は、300点満点で、今回は平均点が228点(課題の76%をクリアー)。
審査基準と内容・出題問題が、ベールに包まれている(受験者にも、不正解の箇所や、合格ラインの得点は未公開)ため、69%の合格率は、想定内なのか? 標準以下なのか? ハイレベルなのか? あれやこれやと推測するしかない!
とりわけ「平均点」に関しては、得点が満点に近い人とかなり低い人のゾーンが多くて、中間あたりの人が少ない場合と、得点が高いゾーンと低いゾーンが少なくて、中間あたりが密集している場合などのいずれでも、平均点がほぼ同じというケースもあるから、受験者全員の全体像を見るには事足りないであろう。
◇ ウィンターギフトのテリトリー
ウィンターギフト商戦が、いよいよラストスパートに入る12月は、いずれの売り場も、スタッフの「体力」と「知力」が予算を達成できるか否かのポイントか?
ところで今夏に実施された、フィッティングアドバイザーの第4回「2級資格取得審査」の合格者数は、327名中の226人で、合格率が69%という結果だった。
筆記テストと実技審査の合計点は、300点満点で、今回は平均点が228点(課題の76%をクリアー)。
審査基準と内容・出題問題が、ベールに包まれている(受験者にも、不正解の箇所や、合格ラインの得点は未公開)ため、69%の合格率は、想定内なのか? 標準以下なのか? ハイレベルなのか? あれやこれやと推測するしかない!
とりわけ「平均点」に関しては、得点が満点に近い人とかなり低い人のゾーンが多くて、中間あたりの人が少ない場合と、得点が高いゾーンと低いゾーンが少なくて、中間あたりが密集している場合などのいずれでも、平均点がほぼ同じというケースもあるから、受験者全員の全体像を見るには事足りないであろう。
◇ ウィンターギフトのテリトリー
店内が、「人・人・人」で混雑している繁忙期は、売る側ばかりでなく購入される側も、「体力」と「時間」の消耗を強いられる。
お歳暮などの承りカウンターでは、各社が待ち時間を縮める努力をしたり、インターネットでの購入を推奨している。が、すべてのユーザーが後者を望んでいるわけではないから、ネット上での申し込み普及率をもっと高くするには、もう少し時間が必要か?
「ウィンターギフト」と一口に言っても、テリトリーは以下のように広範囲にわたる。
①お歳暮、②クリスマスギフト、③忘年会や各種宴会での贈答品、④ご年始用のあいさつの品々、⑤成人式のお祝品…までとなる!
それぞれの需要が、互いの足を張らずに、相乗効果が上がるような、「商品計画」と「キャンペーン計画」を念押しする必要があろう。「目玉商品」をいかに今どき風に展開していくか? が問題だ。
効率の悪い商品を、魅力的なギフト用品へと方向転換をさせた成功例はいくらでもある。
「服飾関連品」などを、お歳暮用として、積極的に打ち出すのも「ウォームビズ」キャンペーンの追い込みには一役買うであろう。
お歳暮などの承りカウンターでは、各社が待ち時間を縮める努力をしたり、インターネットでの購入を推奨している。が、すべてのユーザーが後者を望んでいるわけではないから、ネット上での申し込み普及率をもっと高くするには、もう少し時間が必要か?
「ウィンターギフト」と一口に言っても、テリトリーは以下のように広範囲にわたる。
①お歳暮、②クリスマスギフト、③忘年会や各種宴会での贈答品、④ご年始用のあいさつの品々、⑤成人式のお祝品…までとなる!
それぞれの需要が、互いの足を張らずに、相乗効果が上がるような、「商品計画」と「キャンペーン計画」を念押しする必要があろう。「目玉商品」をいかに今どき風に展開していくか? が問題だ。
効率の悪い商品を、魅力的なギフト用品へと方向転換をさせた成功例はいくらでもある。
「服飾関連品」などを、お歳暮用として、積極的に打ち出すのも「ウォームビズ」キャンペーンの追い込みには一役買うであろう。
◇ チリも積もれば山の心意気
私的なエピソードであるが、業種・業態を問わず、各種セミナーの折、タイミングを見ては、「スカーフのおしゃれが好きな方、手を挙げてください?」と問いかけてみることをしてきた。が、スカーフ大好き人間は、受講者の一割にも満たないことがほとんどだった。(筆者の趣味はスカーフコレクション)
百貨店は他業態より、スカーフの扱い量が多い。…仮にスタッフの一人ひとりが、三千円(バーゲン品含)から五千円、一万円、そしてラグジュアリーブランドの五万円までのいずれか1枚を購入したとしたら、自らのおしゃれ体験を、自信を持って語れるようになるので、説得力のある「プラスワン販売」の成功につながろう。
結果、全支店を合わせると膨大な売上高になるであろう(チリも積もれば山となる…?)。
ネクタイもしかりである。…マニッシュに装いたいなら、女性客の開拓も不可能ではない。例えばドレッシーに装いたいなら、ウェストベルトやチョーカー風にもアレンジできる。おしゃれに目ざめると、性を超えた「ノンセックス」の着こなし提案が何通りもできるようになる。
紳士服担当の頃、単価がはる紳士物を、婦人客にご納得して着ていただいた。
ここ数年来の傾向として、フィッティングアドバイザーも他のFAも、トレンド情報にばかり気を取られて、並みのスタイリングばかりおとどけしてはいまいか?
贈り主のご予算に合えば、高額なブルゾンやジャケットも、年末の贈答品としておすすめできる。
ギフトカタログや、承りセンターで対応しきれない、温もり感のあるパーソナルなギフトは、店内にあるいずれの品でパッケージできる。
課題は、「誰が、いつ、どのように、どこに、何を?」アプローチしていくかである。
経営士会の先輩(銀座の和光出身)から、「お金持ちほど物を買わない傾向がある」という話を伝え聞いた。…ひと通りの物はすべて所有しているから、だそうだ。
ということは、その上の“スーパーリッチ”か、一般人の「買い換え・買い足し」需要を探り当てるか、もしくは未来に向かって少しずつ、自分らしい「ライフスタイル」を築き上げていくであろう若い世代を狙っていくべきところか?
百貨店は他業態より、スカーフの扱い量が多い。…仮にスタッフの一人ひとりが、三千円(バーゲン品含)から五千円、一万円、そしてラグジュアリーブランドの五万円までのいずれか1枚を購入したとしたら、自らのおしゃれ体験を、自信を持って語れるようになるので、説得力のある「プラスワン販売」の成功につながろう。
結果、全支店を合わせると膨大な売上高になるであろう(チリも積もれば山となる…?)。
ネクタイもしかりである。…マニッシュに装いたいなら、女性客の開拓も不可能ではない。例えばドレッシーに装いたいなら、ウェストベルトやチョーカー風にもアレンジできる。おしゃれに目ざめると、性を超えた「ノンセックス」の着こなし提案が何通りもできるようになる。
紳士服担当の頃、単価がはる紳士物を、婦人客にご納得して着ていただいた。
ここ数年来の傾向として、フィッティングアドバイザーも他のFAも、トレンド情報にばかり気を取られて、並みのスタイリングばかりおとどけしてはいまいか?
贈り主のご予算に合えば、高額なブルゾンやジャケットも、年末の贈答品としておすすめできる。
ギフトカタログや、承りセンターで対応しきれない、温もり感のあるパーソナルなギフトは、店内にあるいずれの品でパッケージできる。
課題は、「誰が、いつ、どのように、どこに、何を?」アプローチしていくかである。
経営士会の先輩(銀座の和光出身)から、「お金持ちほど物を買わない傾向がある」という話を伝え聞いた。…ひと通りの物はすべて所有しているから、だそうだ。
ということは、その上の“スーパーリッチ”か、一般人の「買い換え・買い足し」需要を探り当てるか、もしくは未来に向かって少しずつ、自分らしい「ライフスタイル」を築き上げていくであろう若い世代を狙っていくべきところか?
◇ “集い”シーンのアドバイザー
年末は、パーティ(カジュアリーな集いから、正式な晩餐会まで)や忘年会に顔を出す回数が多くなる。
お客さまは、フィッティングアドバイザーに、一般の服についてはもちろんだが、「祝儀・不祝儀」についての服装に関しても「プロ」だと期待されているであろう。
プロセールス資格制度が発足するずっと以前から、「慶事のルール・弔事のルール」について、お客さまは容赦なく質問を浴びせてこられた。
そんなこともあって、かつてはプロ意識の強いスタッフほど、「フォーマルのアドバイザー」であって当然という意識でいたものだ。
すると、第4回「2級資格審査」の合格率が、69%ということは、発足当時の70%代に比べて、エキスパートであるべき事前期待をふまえると、ギリギリの水準ではないだろうか?
2級審査に合格した、もしくは選にもれた方のいずれも、「服飾」について学ぶことは、これからもエンドレスだと考えておられるだろう。
小売業界でプロと賞賛される方は、「生涯を通して学ぶことの大切さを熟知しており、稲が穂を垂れるように謙虚で前向き」な人が多い!
最近「服飾の達人」を目の前にして、あらためて自戒したことがあった。
お一人は、デザイナーの森英恵さん…。「第43回全国ファッションデザイン大賞」授賞式の審査委員長を務められたときのことだが、「今の世の中で一番大切なものは、まず人、そして文化・ファッション、海に囲まれた日本から、世界にどんどん羽ばたいていって欲しい…」と、「杉野芳子賞」「文部科学大臣賞」「東京都知事賞」などの各部門入賞者へ、「皆さんの先輩から…」という用語を何回も使われた。
それを聞いた若い入賞者・出展者たちは、世界の頂点を極めたアーチストが、自分たちをデザイナーとして見つめてくれていることに励まされたことだろう。
もう一人の方は、仙台市の「ドレメファッション芸術専門学校の校長」でいらっしゃる菅野貞子先生(今年で93歳、87年に勲五等宝冠賞を受章…1968年にはパリ服装学院へ、1979年には、ニューヨークの州立ファッション工科大学FITに留学された)。…「私は毎年、いろんなジャンルの講師をお招きして、その方の特別講義にどこまでついていけるか、自分に賭けているのよッ!」とも語っておられた。
そちらの学校で講演を務めさせていただいた後、校長の「チャレンジ精神」と「聴講してくださる姿勢」に涙がでるほど感激してしまった。
お客さまは、フィッティングアドバイザーに、一般の服についてはもちろんだが、「祝儀・不祝儀」についての服装に関しても「プロ」だと期待されているであろう。
プロセールス資格制度が発足するずっと以前から、「慶事のルール・弔事のルール」について、お客さまは容赦なく質問を浴びせてこられた。
そんなこともあって、かつてはプロ意識の強いスタッフほど、「フォーマルのアドバイザー」であって当然という意識でいたものだ。
すると、第4回「2級資格審査」の合格率が、69%ということは、発足当時の70%代に比べて、エキスパートであるべき事前期待をふまえると、ギリギリの水準ではないだろうか?
2級審査に合格した、もしくは選にもれた方のいずれも、「服飾」について学ぶことは、これからもエンドレスだと考えておられるだろう。
小売業界でプロと賞賛される方は、「生涯を通して学ぶことの大切さを熟知しており、稲が穂を垂れるように謙虚で前向き」な人が多い!
最近「服飾の達人」を目の前にして、あらためて自戒したことがあった。
お一人は、デザイナーの森英恵さん…。「第43回全国ファッションデザイン大賞」授賞式の審査委員長を務められたときのことだが、「今の世の中で一番大切なものは、まず人、そして文化・ファッション、海に囲まれた日本から、世界にどんどん羽ばたいていって欲しい…」と、「杉野芳子賞」「文部科学大臣賞」「東京都知事賞」などの各部門入賞者へ、「皆さんの先輩から…」という用語を何回も使われた。
それを聞いた若い入賞者・出展者たちは、世界の頂点を極めたアーチストが、自分たちをデザイナーとして見つめてくれていることに励まされたことだろう。
もう一人の方は、仙台市の「ドレメファッション芸術専門学校の校長」でいらっしゃる菅野貞子先生(今年で93歳、87年に勲五等宝冠賞を受章…1968年にはパリ服装学院へ、1979年には、ニューヨークの州立ファッション工科大学FITに留学された)。…「私は毎年、いろんなジャンルの講師をお招きして、その方の特別講義にどこまでついていけるか、自分に賭けているのよッ!」とも語っておられた。
そちらの学校で講演を務めさせていただいた後、校長の「チャレンジ精神」と「聴講してくださる姿勢」に涙がでるほど感激してしまった。
◇ アイコンタクトで勝負
人手の足りないときこそ、接遇マナーの一つである「アイコンタクト」がモノを言おう。
「2級取得審査」の実技テストでは、「接客のロールプレイング=役割実演法」が、「フィッティング・補正技術」と同じ程度に重視される。
接客業にかかわるプロとして、当然にクリアできるはずの「ロープレ」で、しかるべき得点を確保できない受験者が予想外にいると、各方面から伝え聞く。
売場とは勝手が違うために、緊張しすぎてしまうことが、一番の原因ではないか?と考えられるが、他にもいくつかの課題があると、私なりの推測をしている。
仮に、「目的買いのお客さま」を前提とした、コンサルティングセールスが課題の場合、「シナリオ」どおりの、すべての項目をクリアーしなければならない。
そういったケースの場合、自分なりの接客方法が確立されているベテランほど、制約にしばられると伸び伸びと個性を発揮できないといった事例を過去に沢山見てきた。
現場には、お客さまの数と同じだけ「接客・接遇」の形があり、「購買動機や心理」も星の数ほどあるから戸惑ってしまおう。
制約のある時間内では、「販売力」は判定できない。当日、自分が当たった(一アイテムではない)商品の評価基準とポイントが緊張しすぎたことによって混乱し、頭の中が真っ白になってしまう人も出てこよう。
売場なら、自分の住み慣れた「城」であり、お買い上げいただくために精をつくしているから実力を存分に発揮できるであろう。
とはいえ、審査基準を突破することも、競争の厳しい世の中だからプロとしての義務と使命でもあるのだ!
身体が震えてしまっても、「目と目で会話ができる」術を日頃の実務を通して「アイコンタクト」という形でトレーニングをしておこう!
「2級取得審査」の実技テストでは、「接客のロールプレイング=役割実演法」が、「フィッティング・補正技術」と同じ程度に重視される。
接客業にかかわるプロとして、当然にクリアできるはずの「ロープレ」で、しかるべき得点を確保できない受験者が予想外にいると、各方面から伝え聞く。
売場とは勝手が違うために、緊張しすぎてしまうことが、一番の原因ではないか?と考えられるが、他にもいくつかの課題があると、私なりの推測をしている。
仮に、「目的買いのお客さま」を前提とした、コンサルティングセールスが課題の場合、「シナリオ」どおりの、すべての項目をクリアーしなければならない。
そういったケースの場合、自分なりの接客方法が確立されているベテランほど、制約にしばられると伸び伸びと個性を発揮できないといった事例を過去に沢山見てきた。
現場には、お客さまの数と同じだけ「接客・接遇」の形があり、「購買動機や心理」も星の数ほどあるから戸惑ってしまおう。
制約のある時間内では、「販売力」は判定できない。当日、自分が当たった(一アイテムではない)商品の評価基準とポイントが緊張しすぎたことによって混乱し、頭の中が真っ白になってしまう人も出てこよう。
売場なら、自分の住み慣れた「城」であり、お買い上げいただくために精をつくしているから実力を存分に発揮できるであろう。
とはいえ、審査基準を突破することも、競争の厳しい世の中だからプロとしての義務と使命でもあるのだ!
身体が震えてしまっても、「目と目で会話ができる」術を日頃の実務を通して「アイコンタクト」という形でトレーニングをしておこう!
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