先月末(9月22日)から、全国の有力百貨店で、ネクタイの日(10月1日)とシャツの日(10月の第1日曜日…10月2日)もからめた、メンズ関連のイベント(日本アパレル産業協会主催~05秋冬ドレスアップマンディキャンペーン)が展開されるなど、秋冬物の実売期がピークを迎えた。
9月末からは、第5期目のフィッティングアドバイザー制度「2級指定講座」と、新規の「ギフト・アドバイザー制度」の講座も同時にスタート。販売職のプロ育成(1万人)を目ざして、一段と力がこもってきた。
こうした「プロ資格制度」は、商品とお客さまとを、強い絆でつなぐための「夢のかけ橋」を誕生させるサポートシステムとも言えよう。
私自身が担当させていただく「ファッションフィッター講座…螢廛蹈優奪函廚蓮10月19日~21日の3日間。
その折には、ネクタイの日とシャツの日に、レディス担当は「いかなる意識を持ったか?」とか、16日の「ボスデー」「孫の日」、18日の「ミニスカートの日」、30日の「香りの記念日」、31日「ハローウィーン」に関する実践例やうんちくも、いつものようにファッションと連動させていただく。
◇ 「たら・れば」以前の声
景気・不景気はさておき、女性も男性も大半の人々は、きっかけさえあれば、「おしゃれ」に興味を持っている。
また、感謝の気持ちを「ギフト」に代えて…というニュアンスには、ふれあい時の核となるコミュニケーションツールとして、多くの人が興味を示してくれよう。
ところで、日々の商いの中で、商品の「売り逃し」ほど悔しいことはない!
「あの色で、あの素材、あのデザイン、あのサイズがあったら…、あれば…」という無念さは、いつの世もつきまとうが、そのような事態は、登り坂の70年代・80年代にもあった。
わずかな違いがあるとしたら、かつては、第1希望の商品が品切れの場合、それに替わりうる品々(初めて目に触れた商品だと、余計に魅力的に映る)が沢山揃っていた。100%とはいかなくても、99%のご満足は頂戴できたからリピートにつながった。
今夏のことだが、たまたま隣りに乗り合わせた(新宿駅から京王線で)ご婦人たちと話がはずみ、耳をダンボにしてしまった。
「どこの百貨店に行っても同じ商品ばっかり…。昔はね、そこの百貨店でしか買えない物があったのよッ。…それをプレゼントすると、相手は、すごーく喜んでくれたわねェ…」
彼女たちからの、なにげないつぶやきに胸がズキーンとなった。
二人が手にされていた「ショッピングバッグ」は、新宿にある百貨店のよく見かける袋だった。
「そちらの百貨店がお好きなのですか?」とたずねた私に、ためらいもなく「その時々の気分で、いろんな百貨店に出向いているわッ」とも…。
こういった小さな「声あり声」に過敏に反応してしまったのは、ちょうど中小企業診断士(財・東京都中小企業振興公社へ都庁から出向)の方と、オファーを頂戴した店舗へ、「パワーアップ作戦」のリテール・サポートに伺う途中だったせいもあった。マネジメントは彼が、私は「VP+MD」、すなわち「VMD」の担当で出向いたから、品揃えの指導は、はずせない「必須項目」に入っていた。
百貨店や大型店舗に限らず、「差別化戦略」「個性の際立つ店舗づくり」「商品展開」という課題は、後継者問題を抱えている中小個店とて早急課題である。
品揃えに困ったときの私流のおすすめは、「スリーノンの発想」。…迷いが生じたら、「ノンエイジ・ノンシーズン・ノンセックス」というキーワードの中に、ヒントソースがあることを推奨してきた。
◇ シズル感をどう打ち出すか?
著名ラグジュアリーブランドの、銀座地区への出店は未だに続いている。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が、今年の7月に発足させた「地域ブランドアドバイザー」の諸氏によると、銀座は商店街そのものがブランドだそうだ。
世界に通用する「街並みブランド」の筆頭とも語っておられた。
それらと商圏を共有する百貨店の特撰売り場のスタッフは、心中おだやかではないだろう! さらなる営業力強化…具体的には、食指をそそる「シズル=臨場感」を、いかに表現していくかというあらたな課題が増えてしまったわけだ。
「資格取得者」も含めて、それらのブランド本部をも、うならせてしまうような、「新・切り札」を次々と編み出していかなければならない。
例えば、「インポート服とドメスチック品との違い」について、原点に立ち返って反芻し、「オンリーワン・マイ・スキル」の確立にいそしむことも自信につながろう。
◇ マイ・スキル確立のステップ
「オンリーワン・マイ・スキル」の習得は、まず現状分析からウォーミングアップしてみよう。
以下に、誰しもが感じておられることを、私流に列記してみた。
お客さまのタンス在庫と「おしゃれ知識」は、飽和状態。
様々なシーンの「実体験」や「トレンド」の洗礼を受けた方が多く、目が肥えている。
トレンド情報を発信しても、「マイスタイル」「マイカラー」を熟知された方が増え、自らが必要としない物には価値感を抱かない。
ワンブランドや、同メーカーでのコーディネイトはプロ級で、むしろ、マルチブランド(異なるコンセプトやエッセンスの品々)コーディネイトを楽しむ傾向があるために、客単価アップへとつながりにくい。
売る側は、「回転率・消化率」の良い商いを目ざすあまり、在庫リスクを回避しようと、メーカーもバイヤーも弱腰になりがちのため、「話題性」の強いものか、反対に「無難」なものをチョイスするという傾向に陥っている…など。
したがって、各ショップの、品揃えに対する「提案力」「創造性」、「時代をリテラシー=読み書き」する能力が、再び問われよう。
◇ ボディフィッティングから見たスタイリング
たらふく食べても、「プロポーションを美しく魅せてくれる、着こなし術」をマスターできると、ロイヤルティの向上と「販売力」の強化につながる。
まずは、「人の身体と服について」の知識を反復してみよう。
97年2月20日付で成人女子衣料JISサイズが、96年6月1日付で成人男子衣料JISサイズが改正されてから、あっという間に10年以上が経過した。
一方、市場には、様々な海外ブランドが導入され、国内品であっても「体形&体型」変化にそった「トールサイズ服」や「L&LLサイズ服」の展開に拍車がかかってきている。
生活環境や食生活の変化にともない、欧米人に負けないプロポーションの若者が増えてきた。
しかし、アダルト層からは「自分に合ったサイズが見つからない」「着心地が悪い」…などの声が煩雑に聞かれるのはなぜなのか?
「生身のボディと、洋服を知っているようで、実は理解できていない」といった実例が、メーカー、バイヤー、FAも含めて結構多いことも一因ではないだろうか?
また、CAD(コンピュータによる設計)によるパターン作成や、身体の各部位を正確に計測できる最新鋭機器の普及、体形変化(加齢による)に合わせた、工業用ボディに頼りきった服づくり…も「人力」を萎えさせている。
こういった分野では、システムが駆使されるにしたがって、熟練の「ハサミとメジャー」使いという「尽力」がさらにモノを言う。
着心地は前提として、「創造性」が期待される洋服は、日用品や消耗品のように、「色やサイズ・素材」の売れ筋を、パソコン画像上で追っているだけでは、売り逃しを防ぐための解決策として事足りない。
特に女性客は、例えばB(バストサイズ)が83センチの場合、JISサイズの9号をおすすめすれば、顧客満足につながるわけではない。
身長とのバランス、ゆとり(ゆるみ)の甘さ辛さの加減、BP(バストポイント=乳首)の高さ、ボディラインがスリムかふくよか。…その他諸々のエレメントを、瞬時にジャッジできる技能力も必要とされる。 お客さまの大半は、華やかなファッションショーに登場する、モデルのような「体形&体型」ではない! 扱い商品によって差異はあるが、販売の現場では、マニュアル通りにはいかない「リアル」なケースにスタッフが直面している。
一方、お客さまは、服を試着されたときに発生した、「シワ」「へこみ」「浮く」などのケースを、ただ「つまんだり、サイズを取り替えたり、インナーを替える」というふうな、小手先だけのアドバイスやしぐさで流されると、そこのリーダーや「フィッティングアドバイザー」に対して、さめた目を向けられる。
以下は、海外ブランドに関する難題事例の一部だが、各店の共通課題として列記してみた。
襟あきの大きいドレスの場合、襟ぐりが伸びきっている商品が多い。
ウェストのくびれがシャープで、日本人の背丈位置とズレがある。
欧米人のバストポイントは高め(身長が高くても)なので、胸パッドが必要なことが多い。
スカートやパンツは、ウェストラインから下がった所ではく、ローウェストタイプが多い。
平腰や垂れ尻が多い日本人体形に対して、海外物は「ヒップ高」向きにできているため、着用時に後中心の尻ぐりが余り、尻下にシワができやすい。
袖口に本物のスリットかボタンホールがあり、袖丈が極端に長い(9号やM判より10センチ以上も)。…など他。
おしゃれに国境がなくなった昨今は、 銑Δ里茲Δ頁困澆さらに増えている。
また、縫製面でも、「色・柄・素材・デザイン・シルエット」への捉え方に違いがある。
例えば、文学の世界では、日本は「情念の世界」、欧米は「感性の世界」と例えられるようなニュアンスとどこか似かよっている。
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【無断転載使用不可】
9月末からは、第5期目のフィッティングアドバイザー制度「2級指定講座」と、新規の「ギフト・アドバイザー制度」の講座も同時にスタート。販売職のプロ育成(1万人)を目ざして、一段と力がこもってきた。
こうした「プロ資格制度」は、商品とお客さまとを、強い絆でつなぐための「夢のかけ橋」を誕生させるサポートシステムとも言えよう。
私自身が担当させていただく「ファッションフィッター講座…螢廛蹈優奪函廚蓮10月19日~21日の3日間。
その折には、ネクタイの日とシャツの日に、レディス担当は「いかなる意識を持ったか?」とか、16日の「ボスデー」「孫の日」、18日の「ミニスカートの日」、30日の「香りの記念日」、31日「ハローウィーン」に関する実践例やうんちくも、いつものようにファッションと連動させていただく。
◇ 「たら・れば」以前の声
景気・不景気はさておき、女性も男性も大半の人々は、きっかけさえあれば、「おしゃれ」に興味を持っている。
また、感謝の気持ちを「ギフト」に代えて…というニュアンスには、ふれあい時の核となるコミュニケーションツールとして、多くの人が興味を示してくれよう。
ところで、日々の商いの中で、商品の「売り逃し」ほど悔しいことはない!
「あの色で、あの素材、あのデザイン、あのサイズがあったら…、あれば…」という無念さは、いつの世もつきまとうが、そのような事態は、登り坂の70年代・80年代にもあった。
わずかな違いがあるとしたら、かつては、第1希望の商品が品切れの場合、それに替わりうる品々(初めて目に触れた商品だと、余計に魅力的に映る)が沢山揃っていた。100%とはいかなくても、99%のご満足は頂戴できたからリピートにつながった。
今夏のことだが、たまたま隣りに乗り合わせた(新宿駅から京王線で)ご婦人たちと話がはずみ、耳をダンボにしてしまった。
「どこの百貨店に行っても同じ商品ばっかり…。昔はね、そこの百貨店でしか買えない物があったのよッ。…それをプレゼントすると、相手は、すごーく喜んでくれたわねェ…」
彼女たちからの、なにげないつぶやきに胸がズキーンとなった。
二人が手にされていた「ショッピングバッグ」は、新宿にある百貨店のよく見かける袋だった。
「そちらの百貨店がお好きなのですか?」とたずねた私に、ためらいもなく「その時々の気分で、いろんな百貨店に出向いているわッ」とも…。
こういった小さな「声あり声」に過敏に反応してしまったのは、ちょうど中小企業診断士(財・東京都中小企業振興公社へ都庁から出向)の方と、オファーを頂戴した店舗へ、「パワーアップ作戦」のリテール・サポートに伺う途中だったせいもあった。マネジメントは彼が、私は「VP+MD」、すなわち「VMD」の担当で出向いたから、品揃えの指導は、はずせない「必須項目」に入っていた。
百貨店や大型店舗に限らず、「差別化戦略」「個性の際立つ店舗づくり」「商品展開」という課題は、後継者問題を抱えている中小個店とて早急課題である。
品揃えに困ったときの私流のおすすめは、「スリーノンの発想」。…迷いが生じたら、「ノンエイジ・ノンシーズン・ノンセックス」というキーワードの中に、ヒントソースがあることを推奨してきた。
◇ シズル感をどう打ち出すか?
著名ラグジュアリーブランドの、銀座地区への出店は未だに続いている。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が、今年の7月に発足させた「地域ブランドアドバイザー」の諸氏によると、銀座は商店街そのものがブランドだそうだ。
世界に通用する「街並みブランド」の筆頭とも語っておられた。
それらと商圏を共有する百貨店の特撰売り場のスタッフは、心中おだやかではないだろう! さらなる営業力強化…具体的には、食指をそそる「シズル=臨場感」を、いかに表現していくかというあらたな課題が増えてしまったわけだ。
「資格取得者」も含めて、それらのブランド本部をも、うならせてしまうような、「新・切り札」を次々と編み出していかなければならない。
例えば、「インポート服とドメスチック品との違い」について、原点に立ち返って反芻し、「オンリーワン・マイ・スキル」の確立にいそしむことも自信につながろう。
◇ マイ・スキル確立のステップ
「オンリーワン・マイ・スキル」の習得は、まず現状分析からウォーミングアップしてみよう。
以下に、誰しもが感じておられることを、私流に列記してみた。
お客さまのタンス在庫と「おしゃれ知識」は、飽和状態。
様々なシーンの「実体験」や「トレンド」の洗礼を受けた方が多く、目が肥えている。
トレンド情報を発信しても、「マイスタイル」「マイカラー」を熟知された方が増え、自らが必要としない物には価値感を抱かない。
ワンブランドや、同メーカーでのコーディネイトはプロ級で、むしろ、マルチブランド(異なるコンセプトやエッセンスの品々)コーディネイトを楽しむ傾向があるために、客単価アップへとつながりにくい。
売る側は、「回転率・消化率」の良い商いを目ざすあまり、在庫リスクを回避しようと、メーカーもバイヤーも弱腰になりがちのため、「話題性」の強いものか、反対に「無難」なものをチョイスするという傾向に陥っている…など。
したがって、各ショップの、品揃えに対する「提案力」「創造性」、「時代をリテラシー=読み書き」する能力が、再び問われよう。
◇ ボディフィッティングから見たスタイリング
たらふく食べても、「プロポーションを美しく魅せてくれる、着こなし術」をマスターできると、ロイヤルティの向上と「販売力」の強化につながる。
まずは、「人の身体と服について」の知識を反復してみよう。
97年2月20日付で成人女子衣料JISサイズが、96年6月1日付で成人男子衣料JISサイズが改正されてから、あっという間に10年以上が経過した。
一方、市場には、様々な海外ブランドが導入され、国内品であっても「体形&体型」変化にそった「トールサイズ服」や「L&LLサイズ服」の展開に拍車がかかってきている。
生活環境や食生活の変化にともない、欧米人に負けないプロポーションの若者が増えてきた。
しかし、アダルト層からは「自分に合ったサイズが見つからない」「着心地が悪い」…などの声が煩雑に聞かれるのはなぜなのか?
「生身のボディと、洋服を知っているようで、実は理解できていない」といった実例が、メーカー、バイヤー、FAも含めて結構多いことも一因ではないだろうか?
また、CAD(コンピュータによる設計)によるパターン作成や、身体の各部位を正確に計測できる最新鋭機器の普及、体形変化(加齢による)に合わせた、工業用ボディに頼りきった服づくり…も「人力」を萎えさせている。
こういった分野では、システムが駆使されるにしたがって、熟練の「ハサミとメジャー」使いという「尽力」がさらにモノを言う。
着心地は前提として、「創造性」が期待される洋服は、日用品や消耗品のように、「色やサイズ・素材」の売れ筋を、パソコン画像上で追っているだけでは、売り逃しを防ぐための解決策として事足りない。
特に女性客は、例えばB(バストサイズ)が83センチの場合、JISサイズの9号をおすすめすれば、顧客満足につながるわけではない。
身長とのバランス、ゆとり(ゆるみ)の甘さ辛さの加減、BP(バストポイント=乳首)の高さ、ボディラインがスリムかふくよか。…その他諸々のエレメントを、瞬時にジャッジできる技能力も必要とされる。 お客さまの大半は、華やかなファッションショーに登場する、モデルのような「体形&体型」ではない! 扱い商品によって差異はあるが、販売の現場では、マニュアル通りにはいかない「リアル」なケースにスタッフが直面している。
一方、お客さまは、服を試着されたときに発生した、「シワ」「へこみ」「浮く」などのケースを、ただ「つまんだり、サイズを取り替えたり、インナーを替える」というふうな、小手先だけのアドバイスやしぐさで流されると、そこのリーダーや「フィッティングアドバイザー」に対して、さめた目を向けられる。
以下は、海外ブランドに関する難題事例の一部だが、各店の共通課題として列記してみた。
襟あきの大きいドレスの場合、襟ぐりが伸びきっている商品が多い。
ウェストのくびれがシャープで、日本人の背丈位置とズレがある。
欧米人のバストポイントは高め(身長が高くても)なので、胸パッドが必要なことが多い。
スカートやパンツは、ウェストラインから下がった所ではく、ローウェストタイプが多い。
平腰や垂れ尻が多い日本人体形に対して、海外物は「ヒップ高」向きにできているため、着用時に後中心の尻ぐりが余り、尻下にシワができやすい。
袖口に本物のスリットかボタンホールがあり、袖丈が極端に長い(9号やM判より10センチ以上も)。…など他。
おしゃれに国境がなくなった昨今は、 銑Δ里茲Δ頁困澆さらに増えている。
また、縫製面でも、「色・柄・素材・デザイン・シルエット」への捉え方に違いがある。
例えば、文学の世界では、日本は「情念の世界」、欧米は「感性の世界」と例えられるようなニュアンスとどこか似かよっている。
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