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 百貨店でお世話になっていた頃、お客さまから趣味を 問われると、「ミシンを踏むこと…」と答えていたものだ。
 沖縄へ出張の折、那覇市国際通りのFM放送に出演することになった。…事前の打ち合わせ時間はわずかだったが、女性パーソナリティがベテランだったのでゆだねることにした。
 会話の掛け合いの流れで「お好きな曲を、二つどうぞ…」となり、とっさに「ブーベの恋人」と「ウェストサイドストーリー」の曲名(打ち合わせと異なる)が口から飛び出してしまったのは、「手仕事」が好きだからだろう。
 すかさず彼女は、「そう言えば、ウェストサイド…の主人公、マリアの役柄も、貴女のように縫製のお仕事だったわねッ」とフォロー…。
 百貨店時代、「服のしくみ」に詳しかったから、お客さまに売り上げを助けていただけた。      若い頃には、先輩デザイナーのカバン持ちをしていたおかげで、目の前であらゆる「体形・体型・体格」の「仮縫い」と「補正」を手伝い、自らが縫製を担当した。
 婦人服イージーオーダーの「補正師」を務めたときには、「注文服」での体験が大いに役立った。
 後に「メンズ服」の販売職になってからも、メーカーの「パターン」とお客さまの「ボディライン」とのふつり合いからくる、不自然で見苦しいシワに何回も遭遇したが、他ブランドの服まで補正して差し上げた。
 社員の方々や他ブランドのFAが担当した「サイズ調整」後に、仕上がりが悪く、お客さまと「にらみ合いムード」になったり、修理加工室との責任のなすり合いが発生し、水掛け論が続いていたときにも、仲裁を買って出た。
 そういった数々の「修羅場」をくぐり抜けてきたから、「服と身体のグッドバランス」について、プロ・アマを問わずにコーチングをさせていただいている。
 数年前、仙台にある、著名な服飾専門学校の副校長から「貴女のボディフィッター本は“実学”だから、毎春、生徒の教材として購買しているのよッ」とのTELを頂戴した。
 そのお言葉に勇気づけられて、プロフェッショナルな後輩をもっと育てようと自らを励ましている。