高騰を続けてきた都心部の地価が住宅地、商業地ともに「頭打ち」の様相を見せ始めている。地価上昇を支えてきた海外から流れ込む不動産投資マネーが減り始めているからだ。米国に端を発したサブプライムローン問題が世界的に広がる中で、投資家の意欲がさらに冷え込む可能性も指摘されている。
ある不動産会社が7月、東京23区内の住宅地51地点を抽出した地価動向調査によると、7月1日時点におけるこの1年間の地価の伸び率は21.4%。しかし、直近3ヶ月の伸び率は3%にまで落ち込んでおり、地価の上昇ペースに急ブレーキがかかっている格好だ。また、地点ごとに見ると、「赤坂8丁目」「神宮前4丁目」など、調査地点の半分以上にあたる30ヵ所の伸び率が0%を記録。都心住宅地の価格は、多くの地点で頭打ち傾向になりつつあることが判明している。
一方、商業地でも同様の傾向が出ている。港区内に事務所を構える不動産鑑定士によると、「昨年から港区や中央区、千代田区など、都内一等地の商業地の地価は頭打ちになっている」と指摘する。その背景について、この鑑定士は「REITの配当利回りが落ちたことなどで魅力が薄れ、海外などから流れ込む投資マネーが細り始めているからだ」と分析する。
REITは、投資家から集めた資金をオフィスビルなどの不動産で運用し、賃貸収益や売却益を配当金として投資家に分配する投資商品。東京証券取引所が発表しているREIT販売状況によると、平成17年5月から外国人による買い越しが続いてきたが、今年6月は約375億円、7月には203億円の売り越しに転じている。これに加え、サブプライムローン問題が今後の地価に影響すると考えているのが、REITアナリストの山崎成人さんだ。山崎さんは「海外の投資家は投資リスクに慎重になるはず。日本の不動産市場への投資も今後減るだろう」と予測する。この結果、高騰を続けてきた都心地価は上げ止まり、一部で指摘されていた「バブル」は収束に向かうだろうとしている。