監督:小林正樹
脚本:橋本忍
主演:仲代達矢、石浜朗、丹波哲郎、三國連太郎
公開:1962年
原作は、滝口康彦さんの小説「異聞浪人記」だそうで。
もう55年前の映画になります。ですから白黒なのも、演出が現代とは全く違うこともしかり。
史実としてあったのかどうかは知りませんが、
この映画では経済的に困った浪人が、
武家屋敷に行って、これ以上生き恥をさらしたくないので切腹したい。
そこで、玄関先を貸してくれと頼み、相手を困らせて金をたかるというゆすりが話の基点。
つまり、侍階級、上位社会の中の「超絶格差問題」です。
片や何万石という藩で安泰の武士、片や今日食べるものに困り、医者を呼べない武士。
詳しくは映画を見てほしいのですが、
私の感想では、浪人側にも、家老側にも、武士としての道理があり、どちらも責められない。
社会保障制度などありませんし、個々の事情をどこまでくみ取れるかなど難しい問題。
ただ、この脚本では求女(もとめ)の決断が悲しいし、
井伊家の対応もおごりが含まれ、「いじめ」があったから曲がってしまったのかと。
それで、結末も、さもありなん、という私には納得の痛み。
つまらない話と言えば、つまらない話。
しかし「気位の高いお侍さま」の根底にあるものってこんなものという皮肉で☆☆☆です。
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