昨年末。

 

 

 

お付き合いのある会社からメールがきた。

”明日到着予定で、松竹梅の盆栽を送付させて頂きました。御社の玄関に是非お飾りください”

と。

差出人の若いマネージャーさん、

とても誇らしげな文面から

自分のちょっと変わったお歳暮チョイスに

ふふん、と鼻を鳴らしている感じが窺えた。

ほんとに、そんな文章だった。

 

 

 

 

翌日、宅急便で届けられた そのもの。

 

到着と同時に、外箱からして、”危険” を察知。

 

 

「Mさん、開けてみて」

と言われ、湿った箱を開ける。

 

 

ほら、予感的中。

察した通り。

 

 

危険も危険、

危険を通り越して

箱の中は

デストロイド 状態で、小さな木、枝、土、小石、そして苔がぐっちゃぐちゃになっていた。

本来なら、あるべき場所に乗っていたはずのカメさんと鶴さんも、吹っ飛んでる。

 

 

もう、見るも無残で、健気な植物たちが痛々しい。。。

 

 

上司のSさん、

「なに、これーー。ひっどすぎだよぉ」

と言いながら写真を撮る。

 

 

固定もせず送ってきているので、

運送会社にクレーム出来ず、

だからといって、気持ちよくお歳暮を贈ってくれているお付き合いのある会社に対して

ただありがたく頂戴すべきなのに、わざわざ惨状を伝えるのも、、、、

社内で色々話していたら、

流石に大人のSさん、

見事な文章で御礼メールを送った。

もちろん、デストロイ の写真を添付して。

「他社様にも送付予定でしたら、と思い、写真を添付させて頂きます」

御礼と同時に、 ”包装には気をつけて”  とやんわり無言のコメント。

 

 

 

 

壊滅状態の松竹梅盆栽。

事務所の端っこに段ボールを敷き詰めて、

私が一から植え直した。

ボロボロになった苔は完全復活させてあげれなかったけれど、

十分立派な、見栄えのよい盆栽にした。

 

 

復活した松竹梅

その日から

日々かいがいしくお世話をするSさん。

普段は離籍率ゼロに近いくらい、席を離れず黙々仕事をし続けているのに

ひょいひょいと霧吹きを買いにゆき、

霧吹きは自分の席隣の空いたスペースに置き、毎朝まっ先にお水をあげている。

私が霧吹きを使い、共有テーブルの上に置いておいたら、翌朝「俺の役目を奪うな」のごとく自分の席に移動させてた。

(そもそも、買い物なんて自ら行ったことないよね?いつも「Mさん、これ買っておいて」「買ってきて」なのに、、、)

 

 

 

あらら、

おじいちゃんになっちゃったの?

お年を召されると

日本の男性は皆盆栽にハマっていくのかしらん?

 

 

 

私だけではなく、皆がそう思っていたけれど

 

 

唐突に

 

「誰か、もう持って帰ってーーー」

 

 

とのこと。

 

 

盆栽を愛でて、かいがいしいお世話をしていたんじゃなくて、

半ば義務感でお世話をしていたみたい。

(取引先からの戴ものだから)

 

 

 

うちにはでっかいモンステラのハロくんがお部屋にドーンとSMILEしていて

足元には多種サボテンちゃんもおり、

ベランダには枯れそうなローズマリーやらブラックベリーがあるけれど

誰も立候補しないのだもの。

松竹梅盆栽を我が家が迎え入れることに :)

というか、私、そもそも梅や桜をずっと欲してた。嬉しい♬

 

 

 

 

これはこれは新鮮♪

お庭があれば、この小さな根っこを台地に戻してあげたいところだけど。。。

(しっかり成長しそうなら、まこぢの広い庭に植えるとして)

 

 

 

今週末から松竹梅盆栽も家族になる。

 

Sさん、なんだかんだで、ポッカリ、盆栽LOSSにならないといいが。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盆栽を配送する際には、きちんと固定をネ。

もしくは専門の業者にね。