2077 年トツジョ宇宙から地球を侵略するために現れた宇宙人カンパリ星人に人々は困っていた。銃弾が効かないカンパリ星人に唯一の対抗策は改造人間仮面ライダーである。今日もカンパリ星人が中目黒あたりに現れた。そして、それを倒すために現れた仮面ライダーは仮面ライダー NP である。
 

 仮面ライダーは体内に埋め込まれたタイナイニウメコマレルヤツがそれぞれその人の特性を読み取ってその特性を生かした仮面ライダーに変身できる。仮面ライダー NP の正体は葛西昇 42 歳既婚の男である。顔はセサミストリートの黄色い奴みたいな感じの顔をしてる。
 葛西はおならがくさい。そのためタイナイニウメコマレルヤツはその特性を生かした攻撃、握りっぺになった。その名も仮面ライダー握りっぺ、名前がさすがにダサいので仮面ライダー NP にした。


 仮面ライダー NP はいつものように宇宙人に勇猛果敢に握りっぺをかました。握りっぺの時点で勇猛果敢なのかは、さておき、仮面ライダーNPはカンパリ星人の集団に突っ込んだ。攻撃をくらったいや、臭いを嗅がされたカンパリ星人は「ウギャークセー」といって爆発した。今日も平和が訪れるはずだった。

 しかし、仮面ライダー NP に大きな影が覆い被さった。敵の宇宙船である。非常に大きい。その宇宙船からたくさんのカンパリ星人がふってきた。めっちゃふってきた。なんかどえれーぐらいふってきた。「なんかもういいんじゃね?」っていうぐらいふってきた。「なんかもうこんなにいたら逆に戦いづらくね?」っていうくらいふってきた。


 そして、仮面ライダー NP にカンパリ星人がめっちゃ襲ってきた。仮面ライダー NP は正直、死を覚悟した。なぜなら、「めっちゃ宇宙人いるし、俺の屁にも限界がある」と思ったからである。


 しかし、仮面ライダーNPは諦めない。仮面ライダーNPは必死で握りっぺをかましつづけた。必死にかまし続けた。頑張って屁を出し続けた。ただ仮面ライダーNPはふと思った。屁を出しすぎてだんだん違和感を感じたのである。「何、いい歳したおっさんが握りっぺをやってんだ。っていうか正義のヒーローの攻撃が握りっぺって、いじめだろ」と、「握りっぺでやられる敵も敵だろ」と思うと一気戦う気力が無くなった。そして「どうせかッこいい仮面ライダーが現れるだろう」と仮面ライダーNPは思った。


 戦う気力を無くした仮面ライダーNPは、どうせ死ぬなら自分から死ぬことにした。その自分の唯一の武器である握りっぺを自分の口元に当てた。臭かった。「確かにこれは武器になる」と思いながら倒れた。仮面ライダーNPは倒れて気絶して奇妙な夢をみた。


「なんで握りっぺなんだよ。」

 

 と言って、仮面ライダーNPは夢の中でも怒っていた。


「じゃあ、なにがいい?」

 

 と仮面ライダーだけど顔以外は全裸のヤツが話かけてきた。「あんた誰?」と聞こうとしたら、また全裸の仮面ライダーは


「じゃあなにがいい?」

 

 言葉を遮って聞いてきた。すると仮面ライダーNPはこう答えた。


「あんた変態?」

 

 全裸の仮面ライダーは、笑いながらこう言った。


「攻撃握りっぺのやつに言われたくないよ。」


 それを聞いた仮面ライダーNPは怒って全裸の仮面ライダーに握りっぺをかました。しかし、全裸の仮面ライダーには効かなかった。 全裸の仮面ライダーNPがまた聞いた。 


「握りっぺ以外なら何がいい? 」


 仮面ライダーNPはやけくそで叫んだ。


「カッコよけりゃなんでもいいぜー屁が出る五秒前ーーーぷぅ」


 すると全裸の仮面ライダーは頷いて消えた。そして夢から覚めるとやはり大量のカンパリ星人がいた。仮面ライダーNPは生きていた。

 

 そして、自分じゃない仮面ライダーがカンパリ星人と戦っていた。そして、自分も戦おうと握りっぺを出そうとしたが出なかった。その代わりに目の前にモンスターハンターに出てきそうな大きな大きな黄金に輝く大剣があった 。仮面ライダーNPが、その大剣を手にし、頭に響いた名をそのまま剣の名前にした。その名もNP王宝刃である。

 

 仮面ライダー NPはNP王宝刃を振り回した。何千何万のカンパリ星人をバッタバッタ倒した。バッタバッタバッタバッタ倒した。バッタバッタといっても、昆虫のバッタではない。仮面ライダーだけに、とにかくバッタバッタ倒した。カンパリ星人がバッタに見えてきてもおかしくないくらいバッタバッタ倒した。「カンパリ星人がバッタ星人に変えた方がいいんじゃね?」っていうくらいバッタバッタバッタ倒した。仮面ライダーが「あれ今なんバッタだっけ?」っていうくらいバッタバッタした。葛西の会社が忙しくて、いつもどたばったなくらいバッタっぽいライダーはバッタした。いどばった会議のオバハンバッタを巻きぞえにバッタしてもバッタはバッタしてバッタバッタバッタとタッパをバッタして仮面ライダー NP は勝った。


 だが生まれ変わった仮面ライダー NP の戦いは終わってない。元をたたなければ意味がない。仮面ライダーNPは敵の宇宙船に乗り込むことにした。頭上にある宇宙船に向けてNP王宝刃を投げた。宇宙船に突き刺さった大剣に手を向けると仮面ライダーNPはNP王宝刃に向かって飛んでいった。仮面ライダーNPは宇宙船に乗り込んだ。奴らをバッタバッタ倒すためにバッタなだけに。