みんなの料理、オムライス

料理好きでもそうでなくても、何度か自炊する機会があればきっと作ったことのあるオムライス 。




玉ねぎ?ピーマン?グリーンピース?お好きな野菜と、ウインナー?ベーコン?鶏肉?お好きなお肉、ご飯を炒め合わせ、味付けはケチャップだけでも問題ない。



上に乗せる卵焼き。フライパンに薄く流して焼いた薄焼き卵で包んでもいいし、オムレツを作って乗せてもいい。失敗したときは、ぐちゃぐちゃのスクランブルエッグにして乗せたっていい。どんな形をしていても、卵は卵。




仕上げに、ケチャップを好きなだけ。

こんなにハードルが低そうで、こんなに難しい料理はなかなかない。






これは私が初めて作ったオムライス 



オムライス は海外でも有名。

もちろん、日本のように老若男女誰もが知っている料理ではないけれど、ナイフを入れるとどぅるんとオムレツが開くオムライス の映像がSNS上で出回り、その新しいオムレツの姿がウケてシェアされているので、若い世代なら知っている人は多い。

というわけでイギリス留学中に、イギリス人の友達からリクエストされて作ってみた私のオムライス 。日本人の顔に泥を塗ってしまったと思う。




まずはケチャップライス




私はもうまずケチャップライスから難しい。

栄養を考えて、具を入れすぎる。ご飯を食べているのか、玉ねぎと鶏肉の炒め物を食べているのか分からないような出来になることがある。






そして味付け。ケチャップだけでもいいはずが、なかなか味が決まらない。遠くにトマトケチャップの風味を感じる薄ーい味のケチャップライスが出来上がる。もっとケチャップを入れればいいのだけど、トマト味の砂糖と塩のようなケチャップを1本使い切るのは恐ろしい。レシピにはケチャップ大さじ3なんて書いてあることがあるけれど、ケチャップ大さじ3で味のするケチャップライスが出来上がったことなどない。

さらに食感。レシピには、ご飯と混ぜ合わせる前にケチャップを炒めて水気を飛ばすという指示があることもある。そうしないとケチャップライスの仕上がりがべちゃっとするという。大真面目にケチャップを炒めて、水気を飛ばしていたら、ケチャップの量は減るので、味が全体に回らなかったり、ケチャップライスの仕上がりがパサパサになることもある。乾燥した硬いご飯を食べているような、そんなケチャップライス。かと言って、味が出るほど大量のケチャップを水気を飛ばさず混ぜ合わせると、レシピが言う通り、べちゃべちゃに仕上がる。適量のケチャップが難しい。



ケチャップライスが成功しても、失敗に終わっても、次は卵を焼く時間。




もちろんオムレツ部分も難しい。





4人家族なので、4回焼く。4つめの卵焼きを作る頃には、最初の卵焼きは冷めているし、半熟に仕上げておいたはずが、火が入り切っていることもある。

使う卵は2つ。できれば3つ使った方が、ケチャップライスを綺麗に覆うオムレツなり薄焼卵なりが出来上がるけど、一度の食事に卵3つは少し多い。

オムレツにフッ素加工されていない、あるいは元々施されていてもすっかり加工が剥げてしまったフライパンを使うのは、私の腕では論外。もちろん油の馴染んだ鉄のフライパンでも使うのならフッ素加工は関係ないけれど、私の家に鉄のフライパンはないので、フッ素加工済みの綺麗なフライパンを使う。

↑最近購入し、使い始めたもの。結構使いやすい。




薄焼き卵で包むタイプのオムレツは作ったことがない。ゆで卵も目玉焼きも、火が入り切っていないとろりとした濃いオレンジの黄身が好きだし、オムレツだって半熟派。食わず嫌いなだけかもしれないけど、薄焼き卵は硬そうで、好みのオムライス に仕上がるとは思えない。



なのでオムライス にはオムレツを作る。
でもシェフがフライパンをひょいひょいと浮かせて動かして作る絵に描いたようなオムレツは作れない。2、3回挑戦したことがあるし、これからも時々練習はするつもりだけれど、私が作れるのはオムレツっぽい形をしたスクランブルエッグ。






結構美しく見えるオムレツだけど、実はスクランブルエッグ

ゆるっ、とろっ、とした丸いスクランブルを作ったら、それをフライパンの端に寄せていく。フライパンの縁の丸みが、スクランブルエッグの形をオムレツのように仕上げてくれる。オムレツ風の形になったら、そのまま弱火に置いておく。底に均一に火が通ったら、ヘラを底にさしこみ、ケチャップライスめがけてひっくり返す。そうすると、デゴボコしたスクランブルエッグの面はケチャップライスにくっついて、つるんとした底の面が、澄ました顔して自分はオムレツだと言うように正面にくる。







我ながら名案だと思う、このオムレツの顔したスクランブルエッグ


ただ、いつもこればかり作っていてはオムレツが上達しない。


Youtubeの動画を参考にしながらオムライス 用正統派オムレツ作りに励む日もある。





美しく見えて、アラがあるオムレツ。
こう言う時はケチャップでも、お手製のソースでも、なんでもいいので上からお洒落にかけておけば、それなりのものに見える。









今日久々にオムライス を作った。

一応正統派のオムレツの作り方を意識して。









ナイフを入れただけでどぅるんと自然にオムレツが花開きライスを覆うようなタイプではないので、手動で開いて覆ってあげる。ごはんに対して少しオムレツが小さかった。








ふたつめ。

卵液の量を増やして(というより一つ目に使った卵液が少なかったため、二つ目は自然と多くなった。)再挑戦。

少しコツを掴んだけど、今日はオムライス 二人分で終了なので、これ以上練習はできない。





ケチャップをかけて、粉チーズと黒胡椒振って、野菜を添えて、そうすれば形の悪い私のオムレツもそれなりに見える。



はじめてのオムライス と比べれば随分と上達したし、これからもゆっくりゆっくり成長していくと信じて。









『今日のオムライス 』

材料2人分

〜ケチャップライス〜
にんにく 3かけ 
油 大さじ1
※私はにんにく効かせるのが好き。抜いてもいい。

小ぶりの玉ねぎ ½個
ピーマン ひとつ
ウィンナー 2本

ケチャップ 適量(90gくらい)
白ごはん 300g

〜オムレツ 2人分〜
卵4つ+余ってたので卵白ひとつ。タイミングよく卵白が余っていなければ卵をもうひとつ
牛乳 大さじ1
生クリーム 大さじ1
塩胡椒 少々

〜ケチャップライスを作る〜

にんにくを薄切りする。冷たいフライパンの中央に油を注ぎ、にんにくをその上に置く。中火にかけ、じっくりこんがりさせる。

玉ねぎとピーマンはみじん切り、ウインナーは薄くスライスする。

にんにくがこんがりしてきたら、カリカリを保ちたければ一度ニンニクのみ取り出し、一番最後に戻す。カリカリじゃなくてもいいなら、そのまま玉ねぎ、ピーマン、ウィンナーを加え、強めの中火でこんがりさせながら炒める。

白ごはんをレンチンしておく。

フライパンの火加減を中火に落とし、ケチャップを加える。ケチャップの量は、具材全体にケチャップが軽く馴染む程度ではなく、むしろこれは具沢山のケチャップソースだなと思えるくらい。ケチャップの一部をウスターソースにしてもいい。

ケチャップと具材を合わせながら酸味が飛ぶまでぐつぐつさせる。(香りを嗅いだときにツーンっとした香りがまろやかになったと感じるまで)

強めの中火にし、白ごはんを加え、底に押し付けるように全体とよく混ぜる。

白米の粒が赤く染まって馴染んだら、蓋をしておいておく。(にんにく取り出した場合はここで戻す。)

〜オムレツを作る〜

オムレツパン(フッ素加工が施された小ぶりのフライパン)を中火にかける。

材料を泡立て器でよく混ぜ合わせる。空気を入れて泡立てるようにシャカシャカ混ぜていい。どろっとしていた卵液がサラサラになるまでよく混ぜる。

熱々になったオムレツパンに多めの油を注ぎ、馴染ませる。

火加減をとろ火に落とし、卵液の½を注ぐ。すぐに箸でかき混ぜて、ゆるっと生っぽいスクランブルエッグにする。かき混ぜるのを止め、弱火で底に火が入るのを待つ。

円周を箸でなぞるようにし、縁を鍋肌から剥がす。箸で下から手前の卵を持ち上げて、手前にあった縁が直径が通る中央のラインにあたるくらいに畳む。(テキトーでいい)。奥にヘラを差し込み、フライパンを軽く動かしながら、奥の縁を中央ラインにあたるようにこちらに向かって折る。

ヘラを底に差し込み、全体が動くようになったら、一度奥に押しやり、奥から手前に向かってぐるっと裏返す。(同時にフライパンを傾けるとやりやすい。)

オムレツを焼いている間にケチャップライスを器に盛っておく。

オムレツが焼けたら、すぐにケチャップライスの上に移す。予熱でも固まっていくから、パカっとやりたい人は早めに。