その日の天気、温度、風、季節の空気、匂い。
そういった些細な変化を感じることがなくなりました。
例えば、街を歩いていてふわっと香ってくる名のない香りに冬の訪れを感じとり、ヒヤリ、ピリッ、ツンとした空気の変化に昨冬を思い出す。
そんなことがなくなりました。
ブログの書き出しに、時々気候の話をするのがちょっとした楽しみだったのに、感じ取れないものを文字にするのは難しい。
この間外干ししていた洗濯物を取り込んでいたときに、再びその感覚を味わいました。
あっ、冬の空気だ。
とはいえ、さっさと洗濯物を取り込んで夕飯を頂きたかったし、温かい室内に戻りたかったので、冬の空気を贅沢に吸い込み肌で感じる余裕はなく、さっと部屋に戻りました。
そうか、顔が季節感知センサーとして機能していたんだ。
頰に当たる風や空気の変化を感じ、鼻でその香りを嗅ぎ、口から吸い込み、感じ取っていた。
マスクをしていると、全く全く感知できない。
香水のような強い匂いですら、マスク越しでは嗅げないのに、季節の匂いのようなささやかで繊細な匂いをマスク越しに嗅げるわけがない。
メガネをかけて外を歩くと、常に視界が曇っているので街の様子もぼやーっとしか見れない。
ニキビ肌にもマスクって大敵だからね。
元々ニキビ肌でなくても、マスク生活が始まって、ニキビで悩み始めた方も多いはず。
また再びマスクを外して堂々と外を歩ける日が来るといいな。
…
今日のお話しは『クリスマスプディング』
今年の冬は、初めてクリスマスプディングを用意しました。
クリスマスプディングというのは、イギリスのクリスマス菓子です。
ドイツのシュトーレンやイタリアのパネトーネ、フランスのブッシュドノエルなど、日本でもすっかりお馴染みとなってきたヨーロッパのクリスマス菓子達ですが、イギリスのクリスマスプディングは未だ滅多に見かけませんし、ふとネットで名前を目にすることもほとんどありません。
プディングというと、日本人が想像するのは「プリン」。卵や牛乳、生クリームにお砂糖やバニラビーンズを加えてで作るぷるっとした冷たいデザート。
でもクリスマスプディングは日本のプリンには似ても似つかない別物です。
以前キャベツプディングというイギリスの料理を紹介しましたが、イギリスの『プディング』はいつも『プリン』と同義ではないんですね。
基本的には、『食後のデザート』や『スイーツ』『お菓子』といった意味で使われることが多いイギリスの英単語『プディング』です。
クリスマスプディングの主材料はドライフルーツ。
たっぷりのドライフルーツを洋酒に浸けてふっくらさせ、そこに小麦粉・パン粉・スパイス・茶色い砂糖・脂肪(バターやスエットという牛の脂)・卵で作る生地を混ぜ込んでひとまとめにし、長時間蒸して火を通してケーキにします。
早めに作っておき、クリスマスまで大切に保管して、クリスマス当日に再び温めて頂きます。
頂くときは、熱々のクリスマスプディングに洋酒を振りかけて火をつけるフランベをしたり、ブランデバター(ブランデーを混ぜ込んだバタークリーム)やクロテッドクリーム(スコーンと一緒によく食べられるクリーム)と一緒に食べたりと、各々楽しみます。
そしてそして気になるお味。。
いくつか作ったクリスマスプディングのうちひとつを先に頂きましたが、温め直したプディングにたっぷりかけたブランデーが効きまくっていた上に、洋酒、ドライフルーツやスパイスから来る奥深い味が素敵でした。
ドライフルーツがぎっしりなので、そこから来る甘みが強く、アーモンドの香ばしさや食感がいいアクセント。とっても甘くて濃いしっとりしたケーキです。
日本にあるもので例えると、濃厚なフルーツパウンドケーキといったところでしょうか。
作った分をひとりで食べ切れそうなくらい、私の好きな味でした。癖が強いので、苦手な人は苦手かもしれません。
クリスマスプディングのレシピ
レシピですが全て書くと文字数がオーバーしてしまいそうなので、気になる方はYouTubeにあげた動画を見て頂けると嬉しいです。動画自体を見ていただなくても、概要欄に材料と手順は書いてあります🙆♀️
動画では、材料についての詳しい説明を概要欄ではなく口頭でしているので、その部分はブログにも書こうと思います。
ドライフルーツ
今回使ったのは、レーズン、カランツ、レモンピール、デーツ、いちじく、クランベリーを合わせて450gです。
レーズン、いちじくはスーパーでもよく売っていますが、カランツは見かけなかったので、アマゾンで注文しました。
カランツ、小粒のレーズンのような見た目をしたドライフルーツで、どうしても用意ができなければレーズンで補っても大丈夫だと思います。
ただ、レーズンの方が一粒が大きいからか、感じる甘みが強いので、カランツで割ることで食感にも甘みにも、良いコントラストが生まれる感じがしました。
それから柑橘系のピール。
これもスーパーに売っていませんでした。
柑橘系ピールは爽やかなアクセントになるのでぜひ入れたいところ。アマゾンでも販売されていましたが、良さそうなものがなかったので自作しました。
簡単レモンピールのレシピ:
無農薬のワックスがついていないレモン(今回2つ)を買ってきて、よく洗ったら、皮を剥き、レモンピールっぽい形に包丁で切ります。レモンの皮の重さを測っておきます。その重さと同じ重さ分のグラニュー糖を測っておきます。鍋に水とレモンの皮を入れ、強火にかけて沸騰させます。沸騰したらザルにあけ、お湯は捨て(ゆでこぼし1回目)、再び水とレモンの皮を鍋に入れて沸騰させます。これを3回程度繰り返したら、鍋を拭き、水気を切ったレモンの皮と先ほど測ったグラニュー糖を鍋に戻し、火にかけて水気を飛ばすように煮詰めます。ベーキングシートを広げ、そこにグラニュー糖を広げておきます。水気が飛んだレモンピールを、そこに広げ、転がしながらレモンピールひとつひとつにグラニュー糖の粒をまぶします。これで完成です。
レーズンだけだと退屈なプディングになってしまいますが、レーズン(グリーンやサルタナ、カリフォルニア等複数使いできるとより良い)、カランツ、柑橘系(レモンやオレンジなど)のピールさえあれば、それだけで450g用意しても、あるいはあとはおうちにある余ったドライフルーツを使っても大丈夫。他にはデーツがよく使われています。
バター
クリスマスプディングは『スエット』という牛や羊の肝臓や腎臓の周りの脂肪を混ぜ込んで作られます。
しかしこのスエットを日本で手に入れるのほぼ不可能なので、他の脂肪分で代用したいところ。
調べていると、スエットの代用をバターでするのは最適ではないらしく、代用したい場合は、レシピのスエットをバターに置き換えるより、初めからバターを使っているレシピに従って作るのが良いようです。
というわけで参考にしたレシピが、イギリスでお菓子作りをする人なら知らない人はいないだろうと思われる、Mary Berryさんのレシピです。(リンクが貼れないので、レシピ名を書いておきます: Mary Berry's Christmas pudding byBBC)
パン粉
パン粉、というと日本人の私たちが真っ先に思いつくのは、とんかつやコロッケに使うあのパン粉。
このパン粉、英語ではPanko(パンコ)というのです。
一方、単純に英語でパン粉を言うときは、Breadcrumbs(ブレッドクランブス)。
Breadcrumbs(ブレッドクランブス)を和訳するとパン粉ですが、Panko(パンコ)とBreadcrumbs(ブレッドクランブス)は違うものです。
違いは些細ですが、Panko(パンコ)はキメが粗くフレーキー(フレーク状に近い)な形状をしています。
一方でBreadcrumbs(ブレッドクランブス)は、キメがとても細かく、形状は粉チーズに近いサラサラとしたものです。
さらに揚げ物ではなく、クリスマスプディングに使うパン粉は、乾燥パン粉ではなく、しっとりした新鮮なものです。
というわけなので、普通の食パンを買ってきて、ブレンダーでガーッとやって自家製パン粉/Breadcrumbs(ブレッドクランブス)を作るのが一番。粉々でしっとりしたパン粉が生地全体に均一に混じるので、クリスマスプディングを食べていてパン粉っぽさを感じることはありません。
クリスマスプディングの生地にパン粉を混ぜることで、重たくなりがちなプディングの食感が軽くなるそうです。また昔は経済的な理由で、節約のために使われていたこともあるのだとか。
クリスマスまで保管する
という作業
出来上がったプディングは長持ちします。
イギリスの慣習では、たいてい11月末の日曜日に訪れる、Stir-up Sunday という日にクリスマスプディングを作り、約1ヶ月後に訪れるクリスマスの日まで、ベッドの下や、暗くて涼しいところで保管しておくのです。
プディングを痛ませず、おいしく育てるために必要なのが、『Feed a Christmas pudding』という、クリスマスプディングに洋酒を与える作業。
こちらも詳しくは動画にあげています。
ブログでも説明しておくと、竹串の裏側やお箸でグサグサ刺して、小さな穴をあけたら(下まで貫通しないよう注意)、アルコール度数の高い洋酒(ラム、ブランデー、シェリー、ウィスキー等。アルコール度数の目安は40〜60度)をスプーンにとって、回しかけます。
この作業を1週間に一回程度の頻度で行います。
これでおそらくプディングの味に深みが増していくのでしょう。
もちろん出来立てのプディングをそのまま頂くこともできるので、今年のおうちクリスマスにクリスマスプディングはいかがですか?














