中間考査が終わり,5教科全て返却された生徒も多くいます。
自己ベスト達成の子もいれば,特定の科目のみ振るわなかった子もいます。
当塾は実に様々な学力レベルの子がいます。
5教科合計450点を超える子もいれば,ある科目は一桁しか取れていないというような子もいます。
今回の考査で,入塾前に比べ,5教科合計で165点上がった子もいます(入塾は1年前)。
一人ひとり,得意や苦手,興味関心,注意力,性格,認知特性,などなど,異なります。
先日視聴したオンラインセミナーで,GIGAスクール構想に関して『個別最適化』ということがさかんにうたわれていました。
集団での授業も良さはたくさんあるでしょうが,やはり個別指導に勝るものはないと思います。
今現在,少し悩んでいるのは,どこまでデジタル化すべきなのか,という部分です。
私は,合理的で効率的に物事を進めていくのは嫌いではないのですが,そこにはちゃんと人の気持ちというものが介在してほしいと思っている人間です。
ICTのツールを用いて,自身の学習履歴を記録し,正答率の低いところをすぐに出してくれるような教材は,一見するとものすごく便利です。
しかし,私は副作用のない薬はないと思っていますので,メリットと同時に必ずデメリットも考えるようにしています。
そういったメリットの反面,自分自身での気づきの経験や感覚というものが養われにくくなるのではないかということが気になりました。
自分ではさして何も考えず,コンピュータがはじき出してくれた自分の弱点を確認し,それに対する問題も用意してくれるという環境で,ただただ無機質に弱点を補強し,結果として成績は上がる。
もちろんそこに感情が0とは言いませんが,自己効力感はあまり大きくないのではと感じます。
それよりも,テキストに自分で印をつけながら,
「これはもうできるようになっているけど,こっちのタイプはまた間違えたから,もう少しやってみよう」
「ここまでやった結果,やはり自分はまだこの分野の理解が不足しているな」
「説明は分かったのに自分ではまだうまく書けないのは,単純に語彙力が不足しているからか」
「こっちが最優先なのは分かっているけれど,今はこれをやりたいな」
などなど,気づきや気持ちというものを大切にして学習してほしいですし,自分で自分の分析もある程度できる人間になってほしいと思っています。
テストの点数を上げるためだけ,成績を上げるためだけ,に勉強しているわけではないはずです。
指導中,時には,その問題の〇×はどうでも良いと言う時すらあります(〇か×かにこだわるよりも重要なことがその問題から学べる場合)。
生徒への指示出しでは,最優先事項であることが多いですが,こちらの希望する部分がやれた場合は,「あとは任せる」ということもよく言います。
子どもも大人も,任せられた時ほど力を発揮するはずです。
つまりは,自分の頭で考えて行動してほしいということです。
当塾では,指示待ちは厳禁です。
もう一つ,コロナ禍で,家庭での学習管理も行えるツールが出てきています。
これに関しても,多いにメリットはあるでしょうが,ただの学習塾が,家庭での学習時間まで管理すべきなのか,そんな息の詰まるようなことをしてまで,学校の成績にこだわる必要はあるのかとも思ってしまいます。
生徒本人がそれを望んでいるのならば結構ですが,家庭は安心できる場,リラックスできる空間であってほしいと思っています。
だからこそ,毎日通える体制にもしています。
教室への入退室もそうです。
当塾では,入室時に名前と時刻を書き,退室時にも時刻を書きます。
カードをかざして履歴が記録されるようなものではありません。
完全にアナログですから,親には塾へ自習しに行くと言い,実は塾には来ずに,友達と遊びに行っていたというようなことは,これまでも何例かあります。
バーコードで入退室の履歴が残り,保護者には入退室時刻の連絡が行くようなICTツールにすれば,そんなことは一発で防げます。
しかし,そんな逃げ道があっても良いと今は思えます。
その嘘がばれるのかばれないのか,ばれれば親子で話し合って,それが良い方へ行くこともあるかもしれません。
ばれなくても何か心にひっかかりを抱えて生活することになるかもしれませんし,逆に塾をサボって経験したことが,忘れられない思い出になったり,将来につながったりすることだってあるかもしれません。
長々と書いてきました。
私はどちらかというとアナログ人間で,時々,スマホは手放そうかなと思う時もあります。
こんな人間がやっている学習塾です。
お花屋さんの上,船のマークの学習塾Study Shipです。
学習相談,無料体験,お気軽にどうぞ。