教育に関する最優先の議論は何でしょうか。

オンライン授業導入でしょうか。

9月入学論でしょうか。

大学受験における英語の外部検定再検討でしょうか。

 

個人的に思うのは,「五教科至上主義」です(すみません。私が勝手に名付けました)。

人間という存在は,他の生き物より個体差が大きいと思います。

読み書きも若干危ういレベルの人もいれば,ノーベル賞を受賞する人もいます。

納税額は0円の人もいますし,毎年数億円を納める人もいます。

凶悪な犯罪を犯す者もいれば,犯罪を取り締まる人もいます。

 

社会制度の都合上,ある程度枠組みに当てはめないといけないことはあるとしても,現状の教育が果たして個々人の能力や適性を開花させるのに最良かというと,決してそうではないと思います。

人格形成に重要な学童期,青年期の10年ほどを,五教科の学習ができる・できないをもって序列化することを運命づけられる環境というのが,果たして最良なのか,疑問です。

多くの人はこれを当たり前だと思って育ってきたと思いますし,私もそう思っていましたが,当たり前のことが最良だとは限りません。

 

子どもが勉強するのは当たり前なのですが,それは社会に出るためのいろいろな教養なり,社会性なり,いろいろなものを含めての勉強です。

そのようないろいろな要素の中の一部分にすぎないはずの五教科の学習が,なぜ最優先になっているのか。

五教科の勉強ができる人は良いでしょう。

しかし,努力してもなかなか厳しいという子がいるのもまた事実です。

勉強ができる子も,そうでない子も,確かな自己肯定感を育み,自身を社会の中の重要な一員だと考え,その中で果たすべき役割があると自覚し,よりよく生きられるようにする,その基盤づくりをするのが,教育というものの真の姿だと,青臭くも思っています。