ずいぶんと更新が滞りました。すみません。

昨日で公立高校の入試も終わり,5教科解いてみたので,その所感をお伝えします。

新型コロナの件は,次回以降に譲ります。

教科別に少し詳しく見ていきます。

解いてみないと,なんのことなのか通じないと思いますが,悪しからず。

 

・国語

形式は昨年同様でしたが,難易度は上がりました。

近年,ずっと平均60点以上で,昨年は67点でしたが,今回は60点を切るかもしれません。

大問1は,昨年までの前期・後期試験をミックスした問題で,実用文は生徒会の選挙演説でした。

続いて小説は読みやすくイメージしやすいもので,さすがは直木賞作家,思わず引き込まれました。

設問も,そこまで難しくはないのですが,自分で考えて入れるタイプが,うまく取れるかどうか。

50字記述も,とりあえず「感謝の気持ち」さえあれば,部分点はもらえると思います。

論説文は芸術論に関して,主に自然を対象に話が進み,具体例は述べられているものの,やや難だったかもしれません。

特に問2は,本文からは直接持ってこられず,要約しないといけないので,時間を使いましたが,「生育環境を反映した姿」にたどり着き,正解できて久々に嬉しかったです(模範解答は「生育環境に応じた姿)。

今回は,全体的に記述タイプの設問にかける時間がやや長くなるので,全体的に時間との勝負というイメージでした。

作文を早めに書ききって,小説・評論に時間を割ければ正答を導ける率も上がったかなという印象です。

 

・数学

形式は昨年同様,大問3が資料の活用と関数というタイプで,今後しばらくはこのタイプで定着するのかと思いました。

全体的に難度は下がったと思います。平均は50点くらいでしょうか。

大問1の8で焦った生徒もいたかもしれませんが,大問2は易しめの問題が多かった印象です。

大問3は前半に資料の整理,後半に一次関数という形で,両者の連動はありませんでした。

前半は比較的シンプルですが,後半は,まず気付けるかどうかです。

少ないヒントの中,コースを長方形で考えて,縦と横でそれぞれ差を考えていくというのは,緊張している中で気付けるのか。

私もやろうとした瞬間,こんな少ないヒントで出せるのかと思いましたが,コース全体を俯瞰して見ることで,気付けました(良い問題だと思います)。

最後は関数というより,連立方程式に落とし込んでやってしまった方が考えやすいタイプです(計算はやや複雑)。

大問4は,まず台形の証明という問題をやったことのある人は少ないと思うので,何をやれば良いか迷った生徒もいたと思います。

[台形→対辺が一組平行→2つの線分の平行を証明]という,とにかく三角形が与えられて,その合同や相似を証明すればいいという,型にはまった問題ではなかったのは,好感が持てます。

しかし,生徒たちは対応できたかどうか。

そして最後の最後はやはり難問でしたが,これが例年ほどではなく,垂線を引いて三平方の定理に持っていく一択だろうと早めに気付ければ,時間内に解けたなという印象でした。

気付き,大事です。

 

・社会

形式は変わらず5題,難易度は,迷う選択肢や書きにくい記述が平年よりやや多かった印象です。

平均は60点はいかないだろうと感じます。

大問1の地理は,オセアニア州で,緯線・経線のタイプが昨年に続いて今年も出ました。これが続くのか,どうなのか。

今年はイギリスのブレグジットの話題があり,ここ10年くらい出ていないヨーロッパだろうと踏んでいましたが,見事に外しました。

ニュージーランドがピックアップされ,ラグビーの影響でしょうか。

大問2の歴史は,その時代時代での事象を正確に把握できているかが問われました。

記述は資料がヒントになるものの,少し書きにくかった印象です。

大問3の公民は,経済分野と人権の内容を軸に,問われました。

3で迷ったり,5の記述は,雇用の安定をまずイメージできたかです。

残りの大問2つですが,融合というより地理と歴史がもう一題ずつという印象でした。

日本の諸地域で,東海地方が出され,西日本を予想していただけに,世界も日本も外し,うーっとうなりました。

ここも記述が書きにくかったと思います(大問4)。

最後の大問5の記述は,資料から高齢者の利用増に注目して,うまく書けるかだと思います。

 

・英語

大問の数や構成は平年通りでしたが,長文で,5つから2つを選ぶ内容正誤問題がなくなるなど,設問の構成に若干の変化が見られました。

難易度は,昨年に引き続き易しめです。平均は60点以上はあるだろうと思います。

大問1リスニングは省略。

大問2は時制に気を付けて選んだり書いたり,並び替えも平易でした。

大問3の長文は,よくある話題で,長さも短め,設問の数も多くなく,取ってほしいです。

大問3が短い分,大問4はが長いかと言えばそうでもなく,一般的でした。

少し前からニュースでも取沙汰されているマイクロプラスチックの内容でした。

少し固めの文ではあったものの,一文の長さもそこまで長いものもなく,読みにくさはさほどなかったのではと思います。

正誤ではなく要約問題が出され,今後はこの傾向になるかもしれません。

最後の英作文は,近年の傾向である条件英作文ではあるものの,すでに選択肢が2つ用意されており,ぐっと書きやすくなった気がしました。

 

・理科

大問の数や構成に変化はありませんでした。

難易度は,全体として易しく,例年ある難しい計算問題もありませんでした。記述が昨年3問だったのが,4問になり,2年連続増えました(2問→3問→4問)。

平均点は,50点台後半か,理科では珍しく60点を超えるかもしれません。

大問1は小問集合で,どれも解きやかったですが,4は海陸風の理解が問われ,向きだけ丸暗記している人は困ったかもしれません。

大問2と3は,予想していたイオンと天体がばっちり出ました。

内容は易しく,特にイオンは全問正解してほしいです。

天体はオリオン座と月が一緒に出されるという,あまりないタイプでしたが,最後もそれぞれの動きを正しく考えられれば,難なく答えられるものでした。

大問4は植物の蒸散で,夏の講習でこの計算はやっていましたので,取れていれば良いです。

大問5は磁界と運動をミックスさせた内容で,正直ノーマークでしたが,良問です。

最後の記述も決して難しくはないでしょう。

今回,理科は100点も多くいたのではないかという内容でした(記述で減点されて98点なども多そうです)。

これまでは,理科の記述は基本的に知識を問うもので,しかも2問だけだったので,そこまで力を入れていませんでしたが,今後はしっかり対策しないといけないと感じました。

 

以上です。

長々と失礼しました。

今年こそ全員合格をと思っていますが,どうなるか。

受験生の皆さん,保護者様,お疲れ様でした。

とにかくゆっくりしてください。

同業者の皆様も。