これは、数少ない明確な記憶の一つ。
小学校の頃、近所に一緒に登校する女の子がいた。
お母さんがすごく美人で、その子も細くてとっても可愛かった。
毎朝、決めた場所で待ち合わせして、一緒に学校に行っていた。
ある日、いつもの待ち合わせ場所に私がいなかった。
たいがい私の方が早めに来てることが多かったと思う。
心配したその子が、私の家まで迎えにきた。
その日は、朝から母親が爆発していたのだ。
私達は、裏口から外に出されていた。
その子は玄関から裏口に回り、私達を見つけた。
私は、泣きながら「お母さんに怒られた」と言った。
心配そうな顔でその子が見つめていたかな。
結局、学校には行ったと思うけど、その後どうやって行ったかは覚えていない。
話が脱線してしまったが、明確な記憶の方は、これ↓
ある日、その子がうちに遊びに来ていた。
母親が家にいたから、土日だったのかな。
私は母親に算数の宿題をさせられていた。
バリバリの理系に進んだ私だが、当時、足し算ができなかった。
2+3とかは大丈夫なんだけど、3+8とか答えが二桁になると、指も足りないし、苦戦していた。
その子が私の隣に座り、私の計算が終わるのを待っていてくれた。
私が指を使い出すと母が罵った。
「おまえ、指をつかうな」
私が悪戦苦闘していると、その子が答えを囁いてくれた。
すかさず、母親が私の友達に
「おまえ、何してんだ!?」
と罵った。
めちゃくちゃ恥ずかしかった。
もう、家に友達を連れてきたくないと思った。
この記憶は忘れない。
友達にまで悪態つくとは思わなかったからだ。
母親が怖いと友達に知られることは、私にとって一番嫌だったこと。
だから、記憶に残っているのだろう。
世間体を気にする母親のせいで、小さい頃から私も世間体を気にする人間になってしまった。