2022年11月17日の日経朝刊17面より、
セイコーグループ株式会社の中期経営計画に
関連したROIC目標に関するニュースのご紹介です。
ROICは投下資本利益率と呼ばれるもので、
ある事業への投資に対するリターンの比率を
求めるものです。
事業の評価に適する指標として、昨今よく
話題に出るようになりました。
計算式は次の通りです。
ROIC=営業利益×(1-税率)/(有利子負債+自己資本)
税引き後の営業利益を投下資本(有利子負債と自己資本の合計)で割ります。
以前は、カルロス・ゴーン氏がトップだったころの日産自動車で
よく話題に出た財務分析手法と記憶しています。
全社ベースのROICを測定することでも有効な企業分析ができますが、
さらに一歩進めて、多角的に事業をマネジメントしている大手・中堅企業
などの本社機能において近年重要性が増しています。
あたかも本社の経営企画室などで、各事業を株式投資先のように見立てて、
各事業への投資に見合った成果が出ているかどうか、各事業への
投資を継続すべきか拡大すべきか縮小すべきか、などの
事業戦略判断に用いられたりするのですね。
コーポレートガバナンスを語る時にも、いまどきでは
ちょくちょく見かける議論となっているようです。
はなしを日経記事に戻しますと、
セイコーの過去5年の平均ROICは2.3%程度と
報じられているので、ほぼ3倍に近い6.5%の
5年計画目標数値は、かなり攻めてるな~、
という印象を受けました。
アグレッシブですね!
動画の中では、過去5年平均ROICが2.3%になるかどうか
柴山なりの計算プロセスで検討しています。
結果として2.2%という計算結果が出ましたので、
ほぼ新聞報道の内容に近いですね。
この計算プロセスをお話しする中で、
けっこう日商簿記1級レベルのお話、
ところによっては1級を超える
実践的な財務分析実務にかかるお話にも
触れているので、もしもご興味がおありかたは
ご覧になってみてくださいね。