主要企業の8割が研究開発費を増加(日経20*6*13*
日経平均株価の採用銘柄のうち、直近で
決算を発表した3月期、12月期の143社を
対象に日経新聞社が調査した結果が出ていました。
研究開発費の計画を明らかにしたのは32社で、
うち26社が前年度を上回る見通しだそうです。
同紙によりますと、例年研究開発費を増額するのは
6-7割なのでこれを上回るデータが示された格好です。
業種としては、やはりとうか、医薬品や電子部品などで
積極的な研究開発の姿勢が伺えます。
ご参考までに、日経紙面で明らかにされている、
研究開発費の計画支出額上位企業を引用させていただきます。
(カッコ内は前年度比較増減率%)
1.トヨタ自動車・・・1兆1000億円(▲0.9%)
2.武田薬品工業・・・・・4470億円(▲9.2%)
3.アステラス製薬・・・・2390億円(+6.6%)
4.第一三共・・・・・・・2280億円(+15.5%)
5.大塚HD・・・・・・・・2200億円(+2.0%)
6.三菱電機・・・・・・・1900億円(▲8.1%)
一位のトヨタは別格の支出額ですね。
2位以下は医薬品関連企業が名を連ねます。
特に、これからは新型コロナなどの経営環境の
大きな変化に伴い、医療関係への世間の期待が
高まることから、さらに研究開発投資の必要性が
高まってくるかもしれません。
また、上記の表には出てきませんでしたが、
TDKや京セラなどの電子部品メーカーも増額を
予定しています。
自動車やスマホなど、電子部品の需要は底堅く、
これからさらなる技術進歩が望まれる分野とも
考えることができそうです。
なお、会計的な知識でいきますと、
原則として研究開発費は発生した期の費用として
処理されますので、支出額は基本的にバランスシートに
計上されません。
※仕訳の例
(借方)研究開発費(費用)××× (貸方)現金預金など×××
いっぽうで、目先の需要が減っていることに合わせて、
設備投資は6割の企業が前年よりも低くなります。
2020年度の投資計画が2019年度の実績を上回るのは、
計画を明らかにした48社のうち21社と4割程度に
とどまるそうです。
設備投資は、バランスシートの固定資産に計上されます。
短期的に収益化されるものではないため、今のように
目先の売上減少が明らかな場合、設備投資は控えられる
傾向にあります。
資金負担が長期にわたって厳しくなりやすいからですね。
同じ将来に向けての投資としての側面があるとはいえ、
研究開発目的の投資と設備増強目的の投資では、
計画に大きな違いが出てくる点において、
非常に興味深い現象だなあ、とあらためて考えさせられました。
柴山政行