(今日のまぐまぐメルマガ記事)
テックファム、子会社株式の評価益等で最高益(日経19*
ソフトウェア開発のテックファームホールディングス
(テックファームHD)は、2019年6月期第3四半期(3月末
連結決算で、前期比2.6倍の連結純利益6億円となる見通しであ
2019年4月10日の日経朝刊17面で報じられました。
従来予想は14%減少の2億円でした。
一転して増益過去最高を記録することになりそうです。
ちなみに、2019年2月8日に発表された
第2四半期(2019年12月31日時点)の
決算短信によりますと、2019年6月末における
通期の業績予想は次のとおりでした。
(カッコ内は前期比)
売上高・・・6,000百万円(+ 3.1%)
営業利益・・・450百万円(△18.6%)
経常利益・・・440百万円(△20.3%)
当期純利益・・200百万円(△14.1%)
(親会社帰属)
これを見てもわかるように、今年の2月時点では、
売上高6,000百万円、経常利益440百万円、
親会社株主に帰属する当期純利益200百万円となっています。
今回のポイントは、いぜんに15.34%の持分となる
株式を取得していた株式会社We Agriの発行株式を、
主要株主であった個人株主から追加で取得することに
なり、その結果持分が大幅に上昇し、4割程度に
なる予定です。
We Agri社は、農産物や農産加工品の卸売・小売を行い、
農業に関するコンサルティング業務も行っています。
この分野における事業拡大がひとつの経営戦略目標と
なっているように見受けられますね。
なお、株式の段階取得後の持ち株比率について、
過半数には少し足りませんが、他の要因と合わせて
「実質的に支配」していると認められれば、会計上は
子会社として支配しているという判断がなされますので、
その結果、We Agri社を連結することになるのですね。
ここで、連結に関する基礎知識です。
株式を2回以上に分けて取得し、
子会社化することを、子会社株式の段階取得と
いいます。
たとえば、ある会社の株式を取得するにあたり、
1回目は15%を100億円で取得し、
2回目は45%を360億円で取得したとしましょう。
2回目の取得にかかる株式15%あたりの価格は、
360億円×15/45%=120億円ですね。
つまり、1回目の取得原価100億円から、
2回目の取得における時価が120億円と、
20億円だけ上昇していることがわかります。
この点を重視して、
1回目に取得した株式の取得原価100億円に、
2回目取得までの時価上昇分20億円を評価アップ
することで、子会社株式の含み益を、
連結損益計算書において特別利益として計上することに
なるのです。
具体的な科目名は「段階取得に係る差益」といいます。
新聞報道やテックファームHDの発表記事では、
301百万円が段階取得に係る差益として計上
されることになります。
この差益が、当期純利益を大幅に上昇させることは
まちがいないですね。
今回の段階取得に係る差益は、
日商簿記1級の連結会計に関連するお話となります。
株式を2回以上に分けて取得する場合の、
連結決算に関する興味深いニュースでした。
柴山政行