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日経の一面に、のれんの会計処理につき、
IFRS(国際会計基準)で費用計上義務付けの
検討を行っている旨が、報じられました。
日経新聞の一面ということは、
日本経済全体への影響が大きいニュースと
判断された、と考えることができます。
それくらい、企業の決算に与えるインパクトが
強いと予想されているのでしょう。
IASB(国際会計基準審議会)の
ハンス・フーガーホースト議長が、
日本経済新聞の取材で明らかにしたそうです。
日本の会計基準では、M&Aで発生したのれんを
いったん無形固定資産に計上したあと、
20年以内の期間で償却します。
いっぽう、IFRSではのれんについて
償却を行いません。
しかし、買収先企業の財務内容が悪化するなどの
理由で資産価値が減少した場合には、
のれんの評価額を臨時に引き下げる
「減損損失」の計上を行うことがあります。
これが何を意味するかというと、
IFRSでは、のれんを計上してしばらくは
まったくのれんの評価を下げず、いっぽうで
のれんに関する費用が全くでないけれども、
ある年に突然、買収先の事業の将来性が
危なくなったと判断されていっきに
損失が計上され、のれんの価値が激減する事態が
想定されるわけです。
この点、日本基準だと、のれん取得後から、
徐々に減価償却に似た会計手続で
のれん償却を費用計上し、
価値を少しずつ減らしているため、
途中で同じように減損損失の計上が
あっても、落差はそれほど
大きくなりません。
(参考)日本基準におけるのれんの会計処理
****バランスシート(決算前)
ーーーーーーーーーーーーーーー
**:****|
のれん2000|
(決算手続)
のれんを20年で均等償却する。
残存価額はゼロである。
(借方)のれん償却100(貸方)のれん100
****バランスシート(決算後)
ーーーーーーーーーーーーーーー
**:****|
のれん1900|
償却必要説(日本基準)と償却不要説(IFRS)では、
それぞれ財務諸表理論上の根拠が異なり、
伝統的に重要な会計テーマとなっています。
現在、国内のIFRS導入企業数は約160社で、
のれんの計上額が約14兆円となるそうです。
欧州の主要600はなんと240兆円ののれんを
抱えているとか。
中国でも主要100社で約10兆円もののれんが
あるということで、もしもこれらが償却必要と
なったら、企業決算に与えるインパクトは
甚大ですね。
今後のゆくえに大きな注目があつまりそうです。
柴山政行