ハニーズHDがデリバティブ評価損縮小(日経17*7*12*17) | 会計知識、簿記3級・2級・1級を短期間でマスター【朝4時起き活動のススメ】

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ハニーズHDがデリバティブ評価損縮小(日経17*7*12*17)

婦人服製造小売り大手のハニーズホールディングス(HD)は、
7月11日に決算短信を公表しました。

これによると、2017年3月期の最終利益(親会社に帰属
する当期純利益)が412,881千円(4億1288万円)となり、
前期の赤字317,234百万円(マイナス3億1723万円)から
大幅アップして黒字に転換しましたね。

増加額は7億5600万円となります。

損益計算書の内容を見てみましょう。

2017年3月期(当期)
売上高・・・・・54,530,018千円
売上総利益・・・31,346,273
営業利益・・・・・2,336,662
経常利益・・・・・1,894,793←注目!
当期純利益(親)・・・412,881


2016年3月期(前期)
売上高・・・・・58,225,507千円
売上総利益・・・33,671,727
営業利益・・・・・2,821,374
経常利益・・・・・1,149,821←注目!
当期純利益(親)・・▲317,234


このように、売上高は前期の58億2255万円から、
当期は54億5300万円と売上を減少させています。
また、営業利益も前年の28億2137万円から
23億3666万円へと減っていますね。

にもかかわらず経常利益が11億4982万円から
18億9479万円まで7億円以上も増えています。

これはなぜでしょうか。


経常利益を構成する営業外収益と営業外費用の額を
比較してみましょう。


2017年3月期(当期)
営業利益・・・・・2,336,662

営業外収益・・・・・・156,176
営業外費用・・・・・・598,045(-)←注目!

経常利益・・・・・1,894,793



2016年3月期(前期)
営業利益・・・・・2,821,374

営業外収益・・・・・・172,816
営業外費用・・・・1,844,370(-)←注目!

経常利益・・・・・1,149,821



営業外費用が、前期比で
1,894,793-598,045=1,296,748千円も減っています。

12億9674万円もの減少額です。

その主な理由が、今回のテーマでもあるデリバティブ
評価損なのですね。

デリバティブ評価損は、
前期が1,626,560千円でした。
当期は449,874千円なので、実に1,176,686千円も
評価損が減少しています。

11億7668万円です。

これが営業外費用を減らした最も大きな原因であること
は明らかですね。

新聞報道によりますと、デリバティブ評価損の
主な内容は為替予約取引によるものと理解できます。

為替予約とは、将来の一定期間における外貨の売買につき、
その為替レートをあらかじめ決めておく取引のことです。

たとえば、いまから将来の1ドルを113円で買う約束を
したとしましょう。これを1ドル113円の買い予約といいます。

そして、将来ドル円が114円へと円安になれば、
113円の予約レートでドルを買い、市場で実勢レートの
114円で売ることで、1ドル1円の利益がでます。
これがデリバティブ取引に伴う利益と考えることができます。

このように、予約レートと実際の為替レートの差を
デリバティブ取引による損益と考え、決算日時点で
未決済の為替予約取引がある場合には、仮に決算日時点で
為替予約を実行したらどれくらい損益が出るかを
計算して決算に反映させたものが、デリバティブ評価損益
なのですね。

したがって、もしも決算日時点でデリバティブ取引を
実行したら、当期は449,874千円の損失が出ることを
損益計算書は示唆しているわけです。

前期のデリバティブ評価損が1,626,560千円だったことを
考えると、相当にデリバティブ評価損があって、
今年は負担が減ったと解釈することができます。


海外への輸出や海外からの輸入が増えると、
外貨で決済することが多くなるので、
為替相場の変動による代金の増減リスクを緩和するために、
こういった為替予約のような取引も
付随して増加する傾向にあります。

その一方で、たとえば、
実際に持っている外貨の売掛金や買掛金よりも
為替予約の額が上回るなどすると、
為替予約にかかるデリバティブ評価損益の
負担が増えます。

デリバティブ取引の利用は、計画的にいきたいところですね。