ビッグデータの売買に指針ができる?(日経17*2*28*1) | 会計知識、簿記3級・2級・1級を短期間でマスター【朝4時起き活動のススメ】

会計知識、簿記3級・2級・1級を短期間でマスター【朝4時起き活動のススメ】

【朝4時起きの公認会計士】柴山が、これから会計について学びたい方、簿記検定3級2級1級の合格法に興味がある方、ニュースや会社の決算から会計知識を学びたい方のために、動画やメルマガなどを使って情報提供するブログです。

政府がビッグデータの譲渡等に関する二次利用の
可能性を広げる指針を作っているそうです。

政府の個人情報保護委員会が指針で具体的な
データの加工方法を示したそうで、5月30日に
全面施行される改正個人情報保護法で運用可能
になる、と日経新聞一面で報じられています。

これは、場合によってはかなりマーケティングの
手法に大きな影響を与える可能性のあるニュースです。

指針で具体的に加工方法を示したのは、
次の5項目です。

1.自動車の走行データ
2.クレジットカードの購買情報
3.レジのPOS(販売時点情報管理)データ
4.交通系ICの乗降履歴
5.電気のスマートメーター

以上につき、氏名や電話番号や住所など、
細かい情報を特定できないよう加工することにより、
本人の同意がなくても企業間で売買できるように
するとのことです。

これは、運用の状況によっては大きな流れかもしれません。

2つの視点があります。

1つは、企業の広告宣伝活動を効率化する助けになります。

最近の売れ筋商品のトレンド、一定の商品を好んで買う人が
行きそうな場所、活動しそうな日時などの時間帯、
行動パターンを企業のマーケティング部署が把握できることは、
相当なアドバンテージとなります。

マーケティングは、適切なターゲット層に適切な
広告メッセージを伝えてこそ、大きな売上効果を
得られるわけですから、適切なターゲットの特定精度が
劇的に改善される可能性を秘めたこの変化は、企業にとっては
朗報でしょう。

データを所有している側は、新たな収益源として、
データを購入する側は、強力な販促ツールとして、
どちらにもメリットがありえます。

いっぽう、2つめの視点として、個人情報の保護があります。

わたしいまでも、Tポイントカードを使うのが正直言って嫌いです。
なぜなら、コンビニに行くと、いつも
レジで毎回毎回毎回毎回言われるのがかなり鬱陶しく、
それだけで「自分の個人情報をポイントと引き換えに売り渡す」
気になれないのですね。

とはいえ、Suicaを使っていますし、アマゾンで
買い物もするし、ネット検索でグーグルに
閲覧情報をさらしているので、実はもう
あちこちで50台男性・東京在住の属性で
行動パターンは筒抜けの側面もあるため、
Tポイントカードのところで提供を拒んでも、
あまり全体としては意味がないのですが(笑)。

あくまで、個人的な嗜好に基づくささやかな抵抗です。

そういったわけで、現代人は、
どこかで個人の行動パターンを把握されている
状況ですので、個人情報の取り扱いは
本当に慎重さが必要になります。


なお、会計的な話ですが、
ビッグデータを売る側では、
たとえば現金の受け取りなどと同時に
貸方の収益は「売上」や「雑益」または「役務収益」
などの勘定科目となるのではないでしょうか。

(取引例)A社は、自社の購買情報を適正に加工の上、
B社に100万円で譲渡し、普通預金口座に同額が
振り込まれた。

(1)本業における商品売買取引の一部と見る場合
(借方)現金預金100万円(貸方)売上100万円


(2)役務提供(サービス業)の一環と見る場合
(借方)現金預金100万円(貸方)役務収益100万円

(3)本業とは関係のない副収入のようなものと見る場合
(借方)現金預金100万円(貸方)雑益100万円


いっぽう、ビッグデータを購入する方は、各社の解釈に応じ、
売上アップ目的ならばおそらく販売費の区分に、
それぞれ近い性質の用語を用いた勘定科目を設定することでしょう。

たとえば、「支払手数料」、「広告宣伝費」など、
あるていど裁量の余地があると思います。

販売費及び一般管理費のところに含まれ、
営業利益以下に影響を及ぼす費用項目となるように思います。

将来、こういった取引例が日商簿記検定の問題としても
出される日が来るかもしれませんね。


以上、最近注目を浴びているビッグデータに関する
取引の考察でした。

 

柴山政行