東芝、不適切会計の影響1,500億円超か?(日経15*7*4*1) | 会計知識、簿記3級・2級・1級を短期間でマスター【朝4時起き活動のススメ】

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東芝、不適切会計の影響1,500億円超か?(日経15*7*4*1)


すごいことになってきました。

東芝の不適切会計により、
過去にさかのぼって行う利益の減額修正が、
なんと1,500億円を超す可能性がでてきたそうです。

どこまでいくのでしょうか、東芝の不正会計スパイラル…


〇7月4日の日経朝刊1面記事の内容によりますと、

2014年3月期までの5年間で東芝が稼いだ利益は
営業利益ベースで1兆491億円だそうです。


※東芝が、この報道について、HPでコメントしています。

当社の会計処理の適切性に係る調査に関する一部報道について

http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20150704_1.pdf



もしも不正会計の影響をさかのぼって
利益に反映させるとするならば、
過去5年の営業利益の10%を超える
下方修正になります。

…ちょっとまってちょっとまってお兄さん!

とするならば、過去の利益額を信じて東芝株を買った
投資家はどうなるの?

修正後の業績ならば、
東芝株を買わなかった人がいたかもしれませんよ…。

これは、10年ちょっと前にあったカネボウの粉飾決算を
彷彿とさせる巨額の不正経理です。

どうやら、
工事契約における不正経理にとどまらず、
パソコン、半導体、テレビにも疑わしい案件が
ぞろぞろと出てきたようです。

たとえば、テレビ事業における販促費や広告宣伝費で
2012年度に発生していたものをその期に費用として
計上せず、2013年度に先送りしていた、などがあります。

この案件による費用の先送りにともなっての
利益前倒し計上額が5億円と発表されています(6/12)。


では、このような費用の先送りは、どのような
経理処理を偽装することで可能となるでしょうか。


主として考えられるのは次の2つのパターンです。


(パターン1)2012年度に支払った費用の一部を
前払費用または仕掛品などの棚卸資産に含めて、
いったんバランスシートの資産に計上してしまう。

(例)広告宣伝費500万円を現金で支払ったが、
これは翌期の営業活動に備えてのものであると解釈して、
前払費用に計上した。

(借方)前払費用500万円(貸方)現金預金500万円
****B/S(資産)のプラス****B/S(資産)のマイナス


もしもこれが当期に発生したものならば、次のように
損益計算書(P/L)の費用となるべきものです。

(借方)広告宣伝費500万円(貸方)現金預金500万円
****P/L(費用)のプラス****B/S(資産)のマイナス



(パターン2)2012年度に広告宣伝を行ったが、
関連する費用500万円の支出は2013年度が支払い期限であり
決算日時点では未払いの状態であった。
まだ決算日時点で支払いが行われていないことを黙殺して、
故意に当該未払いの費用を計上しなかった。



ほんらいならば、次のように仕訳するべきところを
わざと仕訳しなければ、費用および負債の未計上という
かたちでの粉飾決算が可能になります。

(借方)広告宣伝費500万円(貸方)未払金500万円
****P/L(費用)のプラス****B/S(負債)のプラス



以上のように、当期支払った費用をわざと資産計上して
翌期以降に先送りする、または、
当期の費用に対して決算日をまたいで請求書をもらい翌期に
支払い期限がくる案件をわざと決算に織り込まない、などの
意図的な操作により、当期の費用を過少計上(結局は
翌期以降の費用の過大計上になりますが…)ができてしまうの
ですね。

こういったことをチェックするためにも、
経理の内部管理体制をしっかりと構築すると同時に、
公認会計士などの外部監査をきちんと機能させる
必要があるわけです。


東芝を担当する監査法人や公認会計士は、
今、大変な状況にあると思います。


東芝の内部もそうですが、担当監査人も、
これからしばらくは厳しい日々が待っている
のかもしれません。



柴山政行