日本電産が自己資本比率50%を超える(日経15*4*17*15)
日本電産の2015年3月期における自己資本比率(株主資本比率)が
25年ぶりに50%を超えたようです。
株価が上昇したために、同社が発行していた転換社債型の
新株予約権の株式への転換が進んだことが主な理由です。
まだ最新の決算は発表されていないので、
直近のバランスシートを拝見すると、
2014年12月末時点で、
総資産が1兆3488億円、自己資本(株主資本)が6668億円
でした。
自己資本比率は6668÷13488=49.4365…%になります。
第3四半期決算短信も同じ数値でした。
たしかに、50%まであと少しというところまで来ていますね。
つぎに、日本電産の2014年12月末時点におけるバランスシートを
見ると、総資産1兆3488億円と自己資本(株主資本)6668億円の
ほか、転換社債型の新株予約権付社債(平成27年9月償還予定)
がありました。
2015年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権で、
2014年12月末時点で929億円です。
これらが新株予約権の権利行使により、
資本金および資本準備金となる可能性があります。
たしかに、1000億円ちかくの負債が自己資本に
転換されたら、その分自己資本比率は上がりそうですね。
なお、転換社債型の新株予約権付社債とは、
将来の一定期間に一定の価格(行使価格)で新株の発行を
投資かが要求できる新株予約権というおまけのついた
社債のうち、社債のために払い込んだお金を新株の
払込金として転用できるタイプの社債のことです。
…簡単な計算例で考えてみましょう。
たとえば、新株予約権付社債を110億円で発行し、
額面100億円、新株予約権の対価10億円とした場合、
仕訳は次のようになります。
(借方)現金預金110億円(貸方)社債**100億円
***************新株予約権10億円
後日、仮にこれらがすべて株式に転換請求されたとしましょう。
そのさい、資本金を払込額の1/2とし、差額を資本準備金と
したとします。
(借方)社債**100億円(貸方)資本金**55億円
****新株予約権10億円****資本準備金55億円
以上のようになります。
資本金も資本準備金も自己資本を構成するので、
社債という負債100億円および自己資本以外の純資産で
ある新株予約権10億円が、すべて自己資本になります。
こうして、資産総額は増えなくても、自己資本比率が
向上することがあるのですね。
今回の日本電産に関するニュースは、
自己資本比率という企業の財務安全性を
判断する指標を考えるにあたって、
よい事例研究になりますね。
柴山政行