バイリーンが倉庫売却で持分法利益(日経15*4*16*15)
不織布(ふしょくふ)の国内最大手であるバイリーンが、
香港のアパレル関連の持分法適用会社が所有する
倉庫を売却すると、15日に発表しました。
「営業外収益(持分法による投資利益)に関するお知らせ」
→ http://www.vilene.co.jp/news/list/n773.htm
ニュースリリースを拝見すると、
非常に細かく状況説明がしてありました。
同社の持分法適用関連会社である
Freudenberg&Vilene International Ltd.(以下FVI社)が、
同社の香港にある商品保管用倉庫を平成28年(2016年)3月
までに売却する方針となったそうです。
ロジスティクス拠点の最適配置やリードタイムの短縮など、
この地域のサプライチェーン再構築の一環として、
FVI社の倉庫物件売却に至りました。
なお、FVI社に対してバイリーンは50%の出資をしています。
50%を超えると子会社となりますが、
ちょうど50%なので、支配には至らず、
重要な影響を与える会社として「関連会社」の扱いに
なります。
持ち株比率20~50%が関連会社の形式的な判断基準です。
売却に関わる具体的な金額データも出ていました。
※倉庫物件の概要(円ベースに換算した数値を引用)
売却予想額…約37億6700万円
帳簿価額…約4億4900万円
譲渡利益…約32億3700万円
以上を踏まえると、想定されるFVIの仕訳は次のようになります。
(借方)
現金預金**36億8600万円(37億6700億円-諸費用8100万円)
(貸方)
固定資産(倉庫)4億4900万円
固定資産売却益*32億3700万円(便宜上、諸費用譲渡後の純額で表示)
ここで問題となるのは、バイリーンの連結決算において、
関連会社FVIの固定資産売却益をどのように業績に取り込むか、
ですね。
子会社ならば、この売却益をいったんまるごと親会社が作成する
連結損益計算書に取り込んで合算すればいいのですが、
FVIは子会社ではないので、単純に合算できません。
そこで、FVIが計上した他の利益と合算して、
これに持分比率(今回は50%)をかけた金額を
連結損益計算書の営業外収益の区分に表示します。
科目名は「持分法による投資利益」です。
税金の影響を無視しますと、
固定資産予想売却益32億3700万円×0.5=16億1850万円を
「持分法による投資利益」という表示科目で
バイリーンの連結損益計算書の営業外収益に加算するのですね。
このように、投資先の関連会社等の利益に持分比率をかけた額を
連結業績に含めるやり方は、持分法と呼ばれる連結決算の手法
のひとつです。
関連会社の業績を連結決算に取り込むときの考え方を
理解するのにちょうどよい題材と思い、
ご紹介してみました。
ご参考になさってください。
柴山政行