みなさん、こんばんは!
公認会計士の柴山です。
損益計算書(P/L)は、企業の一定期間における利益の
額がどのようなプロセスでいくらになるか、前期と比較して
どれくらい増えたか、あるいは減ったかを明らかにする決算書
です。
これに対して、貸借対照表(B/S)は、企業の過去からの
経済活動による結果として、現時点でいくらの資産といくらの
負債があり、その差額として株主の持分がいくらあるのかを
明らかにする決算書ですね。
損益計算書は、短くは月次(一ヵ月間)で会社の財産が
どれくらい利益として増えたか、を集計することから、
その時々の直近における会社の勢いを反映します。
会社の勢いが強ければ、それだけ将来に向かっての期待が
高まります。だから、将来の会社の価値を予測する株価が
利益に連動して上がったり下がったりするのですね。
株式投資をする方の中には、損益計算書しか見ない、
という主張をされることが多いです。
「B/Sなんて、株価を見るのにはいらないさ!」と
豪語する人もいますね。
それはそれで特に良くも悪くもないと思いますが、
B/Sにはそれなりの存在価値と意義があります。
過去の経営の結果として、どれくらい借金が増えたのか、
どれくらい株主の持分を積み上げてきたのか、などが
わかるので、会社の歴史的なプロセスが数字によって
語られていたりすのですね。
資産より負債の方が大きければ、それは債務超過と
いって、過去の業績悪化の慢性的な蓄積がそのような
事態を招いたと言えます。
見方を変えれば、過去のP/Lを全期間蓄積した
結果をB/Sが引き受けている、と見ることもできますよ。
私は監査法人時代、P/LよりもB/Sを見る方が
好きでした。
会社の本質的、恒常的な問題点や課題がB/Sの方が
はっきりと浮き彫りになりやすいからです。
特に、各勘定科目の残高明細のチェックなどは、
ミステリー小説さながらの楽しさです。
何が出るかな~♪、なんて胸を躍らせながら
貸付金や売掛金や買掛金や未払金や借入金の中身を
じい~っと見ていきます。
仮払金・仮受金なども、その中身にはドラマが
詰まっていますよ~。
会社の決算を見るなら、やっぱり残高明細の分析が
できるものなら、やっておきたいですね。
そこには、会社の現場で日々起きているドラマの
断片が、さまざまな形で表現されています。
このような視点で決算書を見てみると、
今よりも興味がわいてくるのではないでしょうか。
会計って、見方によってはすごく面白いんですよ~。
柴山政行