総合雑貨店「無印良品」を運営している良品計画の2013年2月期
の連結営業利益が195億円強になる見込みで、前期比27%増加で
5期ぶりの過去最高益更新となりそうです。
3月12日の日経新聞19面で報じられました。
良質な素材を使った衣料品の品ぞろえを強化して、
採算の良い衣服・雑貨部門の収益が改善し、利益率が向上したと
みられています。
売上高に相当する営業収益が前期比7%アップの1910億円強
と見込まれ、ほぼ従来の計画通りです。
店舗数は約50ほど増え、国内既存店の売上も前期実績を
上回った模様です。
新聞紙上では、過去4年(直近は推定)の営業収益・営業利益・
売上高総利益率がグラフで表示されています。
売上高は安定して右肩上がりとなっています。
営業利益は2009年から2010年、2011年と2期連続で下がって
いましたが、2012年に回復し、2013年2月期は冒頭のように
195億円強という過去最高の水準になります。
今回注目したいのは売上高総利益率です。
新聞では売上総利益率と表記しています。
これは、粗利が売上高に占める比率を意味します。
計算式は、粗利(売上総利益)÷売上高
です。
売上高-売上原価=売上総利益ですから、
商品そのものの販売から得た利益、すなわち粗利が
売上高に対してどれくらい大きいかを意味します。
売上高に対して仕入原価が低ければ低いほど、
この粗利が大きくなります。
見方を変えると、同じ仕入高に対して、
より高い売価で販売できれば、とうぜん粗利は
大きくなります。
つまり、より高い値段で売れるということは、
その商品の市場における評価が高いということで、
市場における自社商品の競争力が強いことの
証明とも考えられます。
したがって、売上高総利益率は商品の競争力を
示す指標であるとも言われます。
これが過去5年くらいの推移でみて、ジリジリと
下がっているならば要注意です。
その商品は、5年前には主力商品だったかも
しれませんが、だんだん市場での競争力が
下がっているために、安くして販売せざるを
得ない状態になってきていると考えられます。
スモール・ビジネスを考える場合は、
まず第一の目標が粗利率80%です。
つまり、原価率20%の超高付加価値ビジネス
のネタを常に探します。
それがむずかしいとなったら、つぎに
粗利率7割、6割と下げていって、5割以下に
なったら、私のばあいは企画をやらない、
という選択肢を考えます。
ただし、これはあくまで一つのセオリーで
あって、圧倒的な回転数を見込めるならば、
あえて利益率を3割、2割などとしても勝負に
出る場合があると考えてもいいです。
しかし、この場合は商品の回転数が他の業界平均の
3倍以上はないといけません。
たとえば、さいきん私が取材で行った
銀座しまだという立ち飲み高級和食の店は、
原価率5~7割と、飲食店としては非常識な
原価の高さです。普通は3割以下を目指します。
しかし、料亭で出すようなレアな料理を超お手頃
価格で提供するために、このような高い原価率に
なるのであって、その商品の魅力が圧倒的で、
店舗の回転数が4-5回転など、通常の高級和食の
1回転からするとありえない回転数を実現できるので、
この場合はむしろ良い戦略となります。
このように、ケースバイケースという側面も
ありますが、基本はまず高付加価値(利益率が高い)
の商売をスタートで考えるのがやはりセオリーだと
思います。
良品計画の売上総利益率は、直近で47%というふうに、
前期比で1ポイント良くなっており、高付加価値化
していると言えます。
回転数が平均的ならば高付加価値、
回転数を圧倒的に上げられるならば低い利益率でもOK!
というふうに、戦略を明確にするのが大事ですね。
柴山政行