不正会計防止のために、
新しい基準で、不正リスクが多い企業に対して抜き打ち監査を
実施するよう求めることになるかもしれません。
オリンパスや大王製紙など、
株式市場からの信頼を維持するためにも、監査制度の見直しなどが
急務といえますよね。
新しい基準原案のポイントです。
・赤字の継続・オーナー企業による統治が効きにくい状況など、
・いわゆる抜き打ち監査の実施を想定?
・経営者に説明を求めたり、追加監査を実施
・監査法人間の引き継ぎを強化
・不正対応に関する教育・訓練
ここで、基礎知識です。
【会計監査制度とは】====================
企業の経営者とは利害関係のない第三者としての専門家により、
企業の決算がルールにのっとって適正に行われ、
調べ、その結果が公に意見表明されるようにする制度です。
もともと、
外部の株主や債権者などは、企業情報を知りえない立場です。
よって、
不当に操作したり、誤って会計ルールに反しないように、
公認会計士などの専門家によって検証され、
財務諸表を社会的に利用してもらおう、という趣旨なのです。
資本市場の円滑な運営には、投資家等がもっともよりどころとする
財務情報の信頼性を高い水準で維持することこそが絶対条件です。
その財務情報の信頼性を維持するために、「
としての役割を期待されているのが、
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ここで、ちょっと長文になりますが、
金融庁内に設置されている「企業会計審議会 監査部」というところが
平成24年12月11日にサイト上で開示した第32回監査部会の
非常に興味深い資料として「不正リスク対応基準(仮称)」
抜粋・紹介させていただきます。
「3 不正リスク対応基準の位置付け
(1)不正リスク対応基準の適用
本基準は、
ることにより、我が国資本市場の透明性、
目的となっているところから、
主として、
品取引法に基づいて開示を行っている企業に対する監査において実
とを念頭に作成されている。なお、
確化されるものであり、
本基準に準拠することを要しない。
(2)不正リスク対応基準の位置付け
監査基準は、
も含め、公認会計士監査のすべてに共通するものである。
準は、前述のように、
する監査に限定して実施すること、
応するために特に監査人が行うべき監査手続等を一括して整理した
しやすいと考えられることから、現行の監査基準、
準(以下「品質管理基準」という。)
しかしながら、本基準は、独立した基準といっても、
理基準とともに、
準及び品質管理基準と一体となって適用されるものであることは言
ない。また、本基準の実施に当たっては、
務の指針と一体となって適用していくことが必要である。
:
(以下省略)」
(企業会計審議会第32回監査部会 議事次第 配布資料1より)
URL⇒ http://www.fsa.go.jp/singi/
これは、将来の公認会計士試験・監査論の受験生にとっては
学習範囲の拡大になるかもしれませんね。
不正リスク対応基準(仮称)というのは、従来の各種基準より、
かなり具体的に不正の発生原因やポイントなどを明確にしています
ちなみに、日経トップ記事のタイトルにも出ている「抜き打ち」
ですが、当初だされた「基準の考え方(案)」では、
でていました。これが、その後に出てきた「基準(案)」
もう少しマイルドに「企業が想定しない要素の組み込み」
統一されていました。
こういった文言修正のプロセスを見るのも、興味深いですね。
====
※基準の考え方(案)
「4 【企業が想定しない要素の組み込み】
監査人は、不正リスクが識別された監査
要点に関して、抜き打ちの監査手続の実
施、往査先や監査実施時期の変更等、企業
が想定しない要素を監査計画に組み込むこ
とを検討しなければならない。」
↓
↓
※基準(案)
6【企業が想定しない要素の組み込み】
監査人は、財務諸表全体に関連する不正
リスクが識別された場合には、実施する監
査手続の種類、実施の時期及び範囲の決定
に当たって、企業が想定しない要素を監査
計画に組み込まなければならない。
====
いずれにせよ、従来の監査実務では、事前に詳細に設定された
「監査計画」というものがあって、それをもとに監査先の企業と
往査日程やスケジュールなどを調整し、予定に従って監査を進めて
いくというのがほとんどだったので、事前の連絡なしの
抜き打ち調査みたいなことを本当に実務で実施するとなると、
制度設計時には想定しえなかった予想外の課題や障害などが
出ないとも限りませんね。
監査報酬は往査先の企業(クライアント)から出ていますし、
突然の押し込み捜査みたいになると、反発が出る可能性もあるし、
その後の監査の協力を継続して得ていかなければならないため、
いろいろと現場では苦心すると思います。
検察の調査とか「マルサの女」
多分その後は調査官と調査を受けた社員との仕事上の付き合いは
ないから、あとくされないかもしれませんが、
会計監査の場合、「抜き打ち監査」の後も、継続して仕事の関係は
続きますから。
抜き打ちをした相手に、その後も気持ちよく協力してくれるよう、
机の上の理論だけでなく、現場思考でいろいろと実務の工夫が
必要になるだろうな、と思いました。
柴山政行