ほどなくして、簿記担当の先生がのっしのっしと壇上に上がって来ました。体が(横も縦も)大きく、腕まくりしたYシャツの先から丸太のような腕がニョキッと生えています。外見からは、とても知識産業の人には見えません。その時は、公認会計士ってこのようにごつい人が多いんだろうか、と少し考えたりもしました。
「皆さんはじめまして。」
先生のあいさつが始まりました。話し口調がいかにもしゃきしゃきしていて、とても小気味よく、私の波長に合う先生でホッとしました。
「ねえ君。」
となりのパンチ君が小声で私に話しかけます。
「なに?」
「あの先生、ドラえもんに似てない?」
なるほど、と思いました。
「でも、見ようによっては『巨人の星』の左門豊作っぽいよね」
「うまいこというね、くっくっく…」
私たちは、汗をかきかき熱っぽく公認会計士受験の心得を語る先生を尻目に、ただただ笑いをかみ殺していました。
かくして、私の登校初日の授業は、なんとも緊張感に欠けたスタートとあいなったのです。
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