僕は教育熱心な両親のもとに生まれました。幼稚園のころ「これからは英語が重要」という両親の考えのもと、英語教室に通わされていました。もっともそれほど長い期間通ったわけでもなく、その頃のことはほとんど覚えていない。
小学校4年の頃だったか、母がペンを手に持って僕に言う。「じすいずあぺん」「ぞーずあーぺんしるず」(小学校英語のはしりですね)
ん?ディスイズアペンは8時だよ!全員集合で加藤茶が言っていたので意味は分かった。でも。ぞーず ってなんだ?
その後中学に進学。授業で英語が始まるとともにNHKの基礎英語を聞くようになった。そこでわかったんです、ぞーずの謎が。講師のマーシャ クラッカワー先生の発音を聞いて。ぞーず ってthose だったのか。でも音が違う!断じてぞーずなんて言っていない。母の発音は間違っている。それ以来僕は母の言うことには耳をふさぐようになりました。
ちょうど同じころ、父が言う。waterってあるだろ。これをウォーターなんてアメリカ人に言ったって通じないぞ。ワーラーって言わないと。いいか、ワーラーだ!そしてマーシャ クラッカワー先生の発音も僕にはワーラーと聞こえました。これはワーラーなんだな。
授業でもwaterが出てきました。でも学校の英語の先生はワーラって言ってないんです。ウォーターっていうんです。これは母の発音と一緒だな。間違っている。聞かないほうがいいな、これは。と思いました。
                        続く