衣食住、この三つが生活の根本だとすると、私は三つともに不自由な時代に育てきた。それで、その当時、生活なんかしていなかったかというと、必ずしもそうでない。むしろ不如意な生活というものが濃密にあって、日のすぎゆきがのったりとおそかった。
近頃のようにものが満ちたりていると、( )。私の体質は不自由に即応してできあがっていて、なんにもなくてもとっこだという気持ちがどうしても消えない。
( )の中に入れるとおかしいものがどれですか。
A.どうも私などは生活しているという実感がわかない。
B.どうも私などは生活が満ちたりていると思えない。
C.どうも私などは居心地がよくない。
D.どうも私などは落ち着かない。
渡辺文雄『渡辺文雄の旅から旅へ』による
十年以上も月一ぺん以上の旅をしていると、その記憶は、かなり混乱してくる。鮮烈な出会いはくっきりと覚えていても、さて、場所がどこだったか思い出せない。
老いの兆しだと言う声も聞こえるが、とにかく困ったことである。
とにかく、このだらだらとした旅の記憶には、句読点が必要であると、ある時思った。
そしてその時、かなりいい事を思いついた。
一回旅に出たら、必ず一つ野の花の名前を覚えてくる事を私と課したのである。
この事で、私のたびの記憶がすっかり整理出来たということは、あまりなかったが、しかし、旅そのものがもう一つ味つけされた事は確かである。
句読点が必要であるとはどういう意味ですか。
A. 旅から旅に出る間隔をあける必要がある。
B. 十分計画を練ってから出かける必要がある。
C. そろそろ旅にピリオドを打つ必要がある。
D. 一つの旅ごとにまとめをつける必要がある。
郭さんが短い読解を二篇選びました。今回のは少し難しいと思いませんか(笑)。