私は呼吸器癌の骨転移に重粒子と陽子線治療を行ったが、
最も重篤な右足の機能低下について様子を記録してみます。

・2008年10月
 右仙骨・腸骨への重粒子線治療 10cm×10cm 60GyE/12回


・2009年5月
 右坐骨への陽子線治療 8cm×8cm 64GyE/8回

2カ所の照射は場所も時期も近い為、どちらによる副作用か判別はできないが、
陽子線の方が周辺の皮膚や筋肉への侵襲範囲が広い印象はあった。

どちらも照射後1~2ヶ月後に皮膚は日焼けしたが患部が深いため、
アズノール軟膏は必要ない程度ですんだ。

転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ



1.2008年10月の仙骨・腸骨への照射前後:
 癌の痛みによる太もも裏側からふくらはぎ外側までの「しびれ」と「こわばり」
 照射後は急速に痛みがひき、眠れるようになる。
 ただし、痛み、痺れ、こわばり、は10段階の1~2程度は残存。

2.2009年5月の坐骨への照射前後:
 坐骨患部による痛みが再燃していたものの、この時点で副作用は殆ど出ていない。
 
3.2009年8月頃
 陽子線の経路の臀部(おしり)が硬化した感じ。テニスボールを敷いて座る感じ。
 この頃には「痛み」は全て無くなる。

4.2009年12月頃(照射から半年~1年経過)
 ふくらはぎの「しびれ」は殆どなくなり、代わりに「無感覚」が出始める。
 ふくらはぎの外側と足の甲はシャワーを当てても判らない感じ。

 足首の稼働範囲が半分くらい?特に足先を上に曲げる筋力が落ち始める。
 「ドロップフット」との診断。歩いててスリッパが脱げたりする。
 以後、徐々に足首の可動域と筋力が落ち続ける。

5.2010年5月頃(照射から1年~1年半経過)
 GWに本や書類の整理をしてダンボール20~30箱を運んだり作業をしたところ、
 急激に足首に力が入らなくなる。腰に負担のかかる姿勢を続けたのが大失敗!!
 1~2日のあいだに半年分くらい一気に悪化した感じ。


 ついに足首がぶらぶら状態になり、スリッパで歩けなくなりバッシュを買う。

6.2010年8月頃
 足首以下の無感覚と力が入らない程度が最悪レベル。
 ふくらはぎは左足の半分程度の太さになる。(骨と皮で折れそうな感じ、、)

7.2010年12月頃~(照射から1年半~2年経過)
 なんとなく足首にも力が入るような感じになり、多少スタスタ歩ける。
 ふくらはぎも少しずつ筋肉が復活しつつある。


・私の失敗から教訓があるとすれば、腰椎や骨盤に照射した場合は、
 1~2年の間は腰に負担のかかる作業や長時間の姿勢維持は極力避けるべき。

・神経が断絶?するのだけは防ぎ、どんなに細々とでも可動域を維持するよう、
 務めるべきと考えます。