12月19日に第六回がん患者大集会がありました。
会の内容は公式ページでビデオ視聴できますしコメント等も見れますので私の
感想等を述べることは致しませんが、「患者会」について少しメモしてみます。
多くの反感を買うものであろうし、健常者が言うのは気が引けるでしょうから、
「これ以上は無い」程の悲惨な状態を経験した癌患者の一人として、
あえて言及しておきます。いつもより更に長文になります。(笑)
。。。。
私は恐らく200人近くの癌患者さんと同室になったり、あるいは
同室でなくてもお話を伺った事があります。ですがいわゆる患者会に
参加している人とお会いしたのは1度しかありません。
今回のがん患者大集会を主催したNPO法人がん患者団体支援機構は全国の
46の患者団体が会員になっています。
各患者会の登録人数は数十名から数百名(4~500人?)の患者、遺族、関係者、、
ということの様ですので、平均100~200人だとすると約5000人から1万人の
意見集約をした、ということになりそうです。
ですが国内の患者数は約150万人と推計されていますので99%以上の癌患者は
今回の集会のアピールには「無関係」ということになります。
これまでの集会で採択されたアピールは
第一回:がん情報センターの早期設立
第二回:患者主体の医療の実現
第三回:緩和ケアの拡充
第四回:がん拠点病院の充実
第五回:ピアサポートの拡充、がん患者の就労
そして今回が
第六回:・ピアサポート拡充、24時間コールセンターなど
・がん患者支援の地域診療情報、助成制度など
・がん患者の就労支援など
私自身、及びリアルに私が会ってきた癌患者さんの願望を私なりに集約すると
1.できれば治癒したい、それがダメならより効果のある治療・緩和を受けたい、
2.自己負担額を抑制して欲しい
の2点になると思います。
以上を踏まえるとがん患者大集会のアピールで、的を得ているのは第一回の
「がん情報センター」のみで、二回目以降はどんどん的外れになってきている
と言わざるを得ません。
その最たるものが「24時間コールセンター」です。
癌という病気の性質として、終末期や機能への侵襲が酷い場合を除き、
数時間で容態が急変することは希です。勿論そのような患者や状態の場合は
通常「(病院もしくは在宅で)入院」しています。
夜中に急に不安になる様な要素があれば、昼間病院できちんと医師に相談し、
処置なり薬なりを準備するのが患者としての最低限の「作法」です。
複雑な経過を辿る癌について、夜中、初見の相談相手に自己申告で口頭で相談し
画像データも血液データも抜きで何を相談するのでしょうか?
「より多数の意見が通る」のが民主主義の原則ですが、癌患者に必要なのは
「より正しい判断」だと私には思えます。
また最も重要な「癌治療や医療制度の不備の指摘」という主題を意図的に避けている
印象も受けます。つまり医師・医療者もしくは行政への遠慮やおもねりが感じられます。
「医療改革に行政やお医者さんの協力は不可欠」という感覚は美しいですが、残念ながら
現在の日本では手遅れだと思います。より実効的で現実的な手段が必要だと考えます。
現状のノーチェック方式による保険制度と保護主義、開業医優遇制度の中で
適正な医療は物理的に実現不可能です。もしも適正な治療と雇用を望むのであれば
患者団体としてやれることは究極的には1つしかありません。
(病気の性質上、人の入れ替わりはありますが)150万人の癌患者とその家族、
及び関係者の投票権300万票程度(最大それぐらいいけるか?)をとりまとめ、
民主と自民に政策コンテストをしてもらうことだと考えます。例えば、
もしも第七回以降があるならば民主、自民の幹事長と厚労大臣か副大臣、もしくは
政務官の3人だけが壇上にあがり、治験や医療費、就業補償や検診、タバコ、、、
などの問題をディベートしてもらう。支持率を会場にリアルタイムで表示する、、。
患者の属性は様々ですので、政治的な側面に触れるのは本来はタブーかも知れません。
会社や仕事や卒業校のつながり、バカ息子の裏口入学、飲酒運転のもみ消し、
縁故採用の口利き、、、、しがらみを上げればキリがありません。
ですが、ひとたび癌に罹ると政治的なデメリットによる家計の損失は数百万円レベル
になりますし、助かるハズの命も現状失われ続けています。最近ではノーベル賞も
一つ取り逃がたと想像しています。
もしも癌患者が自分の治療の経験や体験を真に社会に還元したいと願うならば、
また、より高い治療効果と費用負担の削減を望むならば、
合理的な医師とのコミュニケーションがはかれない、もしくはその努力をしない
1%の患者の愚痴や気休めにつきあう機関を税金や保険料で作ることを要求したり、
さらにはその「相談員」に廻ることで幾ばくかの「既得権益」を得ようとする事ではなく、
より合理的で高精度な医療制度を提案したり、政党に圧力をかける「行政チェック型」
の政治的なグループを目指すことだと考えます。
ただ、厚労省はさすがに医療行政の経験が長く患者会の使い方も熟知している様です。
都合の良い団体や代表者を選び、都合良く利用する事で患者側の「実力」が結集する
のをうまく妨げている様に感じます。
ただでさえ具合の悪い癌患者が、病気を押して会合や勉強会を開いている事に対し、
通常は誰も批判はしません。ただスルーするだけです。もしも患者側がそれに甘え
優先度の低い要求を出したり、実効性の乏しいアピールを毎年繰り返すとすれば、
それはひいては患者の利益を損ねることになると考えます。
、、とtwitterで書きたかったのですが、字数制限があって書けませんでした。泣
会の内容は公式ページでビデオ視聴できますしコメント等も見れますので私の
感想等を述べることは致しませんが、「患者会」について少しメモしてみます。
多くの反感を買うものであろうし、健常者が言うのは気が引けるでしょうから、
「これ以上は無い」程の悲惨な状態を経験した癌患者の一人として、
あえて言及しておきます。いつもより更に長文になります。(笑)
。。。。
私は恐らく200人近くの癌患者さんと同室になったり、あるいは
同室でなくてもお話を伺った事があります。ですがいわゆる患者会に
参加している人とお会いしたのは1度しかありません。
今回のがん患者大集会を主催したNPO法人がん患者団体支援機構は全国の
46の患者団体が会員になっています。
各患者会の登録人数は数十名から数百名(4~500人?)の患者、遺族、関係者、、
ということの様ですので、平均100~200人だとすると約5000人から1万人の
意見集約をした、ということになりそうです。
ですが国内の患者数は約150万人と推計されていますので99%以上の癌患者は
今回の集会のアピールには「無関係」ということになります。
これまでの集会で採択されたアピールは
第一回:がん情報センターの早期設立
第二回:患者主体の医療の実現
第三回:緩和ケアの拡充
第四回:がん拠点病院の充実
第五回:ピアサポートの拡充、がん患者の就労
そして今回が
第六回:・ピアサポート拡充、24時間コールセンターなど
・がん患者支援の地域診療情報、助成制度など
・がん患者の就労支援など
私自身、及びリアルに私が会ってきた癌患者さんの願望を私なりに集約すると
1.できれば治癒したい、それがダメならより効果のある治療・緩和を受けたい、
2.自己負担額を抑制して欲しい
の2点になると思います。
以上を踏まえるとがん患者大集会のアピールで、的を得ているのは第一回の
「がん情報センター」のみで、二回目以降はどんどん的外れになってきている
と言わざるを得ません。
その最たるものが「24時間コールセンター」です。
癌という病気の性質として、終末期や機能への侵襲が酷い場合を除き、
数時間で容態が急変することは希です。勿論そのような患者や状態の場合は
通常「(病院もしくは在宅で)入院」しています。
夜中に急に不安になる様な要素があれば、昼間病院できちんと医師に相談し、
処置なり薬なりを準備するのが患者としての最低限の「作法」です。
複雑な経過を辿る癌について、夜中、初見の相談相手に自己申告で口頭で相談し
画像データも血液データも抜きで何を相談するのでしょうか?
「より多数の意見が通る」のが民主主義の原則ですが、癌患者に必要なのは
「より正しい判断」だと私には思えます。
また最も重要な「癌治療や医療制度の不備の指摘」という主題を意図的に避けている
印象も受けます。つまり医師・医療者もしくは行政への遠慮やおもねりが感じられます。
「医療改革に行政やお医者さんの協力は不可欠」という感覚は美しいですが、残念ながら
現在の日本では手遅れだと思います。より実効的で現実的な手段が必要だと考えます。
現状のノーチェック方式による保険制度と保護主義、開業医優遇制度の中で
適正な医療は物理的に実現不可能です。もしも適正な治療と雇用を望むのであれば
患者団体としてやれることは究極的には1つしかありません。
(病気の性質上、人の入れ替わりはありますが)150万人の癌患者とその家族、
及び関係者の投票権300万票程度(最大それぐらいいけるか?)をとりまとめ、
民主と自民に政策コンテストをしてもらうことだと考えます。例えば、
もしも第七回以降があるならば民主、自民の幹事長と厚労大臣か副大臣、もしくは
政務官の3人だけが壇上にあがり、治験や医療費、就業補償や検診、タバコ、、、
などの問題をディベートしてもらう。支持率を会場にリアルタイムで表示する、、。
患者の属性は様々ですので、政治的な側面に触れるのは本来はタブーかも知れません。
会社や仕事や卒業校のつながり、バカ息子の裏口入学、飲酒運転のもみ消し、
縁故採用の口利き、、、、しがらみを上げればキリがありません。
ですが、ひとたび癌に罹ると政治的なデメリットによる家計の損失は数百万円レベル
になりますし、助かるハズの命も現状失われ続けています。最近ではノーベル賞も
一つ取り逃がたと想像しています。
もしも癌患者が自分の治療の経験や体験を真に社会に還元したいと願うならば、
また、より高い治療効果と費用負担の削減を望むならば、
合理的な医師とのコミュニケーションがはかれない、もしくはその努力をしない
1%の患者の愚痴や気休めにつきあう機関を税金や保険料で作ることを要求したり、
さらにはその「相談員」に廻ることで幾ばくかの「既得権益」を得ようとする事ではなく、
より合理的で高精度な医療制度を提案したり、政党に圧力をかける「行政チェック型」
の政治的なグループを目指すことだと考えます。
ただ、厚労省はさすがに医療行政の経験が長く患者会の使い方も熟知している様です。
都合の良い団体や代表者を選び、都合良く利用する事で患者側の「実力」が結集する
のをうまく妨げている様に感じます。
ただでさえ具合の悪い癌患者が、病気を押して会合や勉強会を開いている事に対し、
通常は誰も批判はしません。ただスルーするだけです。もしも患者側がそれに甘え
優先度の低い要求を出したり、実効性の乏しいアピールを毎年繰り返すとすれば、
それはひいては患者の利益を損ねることになると考えます。
、、とtwitterで書きたかったのですが、字数制限があって書けませんでした。泣