セツキシマブ(アービッタクス)の死亡例に関する記事があった。

・アービタックスはK-ras変異があると無効な事が判ったので09年は売り上げが
 落ちたと予想される。なので「1年で1500人」となっているが、それは09年
 の推定値であり実際は、これまでに7000人以上が登録したと公表されている。
 http://www.erbitux.jp/shiyou.html#sinchoku

・と、すると死亡率は0.02~0.03%ということになる。勿論、全然高くない。

・むしろ2件の死亡例がどの様な経過の投与だったか?
 K-ras変異検査を経たものか?
 どこの病院のどういう医師の元で死亡したのか?
 などを取材で明らかにするのが報道機関の役目ではないだろうか。

記事では単に「抗癌剤で死んだ」という発表を右から左に言いふらしているに過ぎない。
しかも統計的事実すら捉えきれていない。癌関係者や国民にとって何ら教訓にも、
注意喚起にもなっていないばかりか誤った印象を与えるだけの結果になっている。

ネットの普及で新聞社の経営が厳しいと言われているが、こんな安い記事
しか載せられないのであれば、新聞など売れなくて当然、という気がする。
study2007

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抗がん剤:セツキシマブ投与で2人死亡 副作用か…厚労省

 末期の大腸がん患者に使われる抗がん剤「セツキシマブ」(商品名「アービタックス」)の投与が原因とみられる副作用報告が08年9月~10年2月に7件あり、このうち2人が死亡していたことが分かった。厚生労働省は、患者の観察を十分に行い、異常があった場合は投与を中止するよう、薬の添付文書の改訂を製薬会社に指示した。

 厚労省によると、セツキシマブは08年9月から販売され、年間約1500人が使用している。事前に遺伝子変異の有無を検査することで抗がん剤が効くタイプの患者かどうかを確認できる「個別化治療」に用いられている。変異がある場合は有効性がないため、改訂される添付文書では使用する際に変異の有無を考慮するよう求めた。

 死亡したのは共に70歳代の男性。それぞれ結腸がんと直腸がんの治療中で、投与後に呼吸困難となったという。他の5人は重い下痢や脱水症状がみられた。【佐々木洋】

毎日新聞 2010年4月28日 20時49分
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