本ブログでも最高裁判事の国民審査について言及したが、投票結果は以下の通り。

1.有権者数:1億434万4170人、投票率69.28%なので総投票数7228万9641票であるが、
  各判事の信任+不信任票は:約6694万票前後。約535万票が無効だった?のかズレが大きい。
  無効票の原因を分析し、国民審査の制度も含め改善すべきであろう。

2.いずれにせよ、全判事ともに90%以上は「不信任ではなく」罷免はされなかった。
  官僚からの天下りである、桜井、竹内両氏ですら同レベルである。
  天下りや冤罪、裁判員制度など、今年ほど「司法」が注目された年は無いと思うが、
  依然として有権者の90%以上は政治的、社会的な関心は低い様である。
  
3.「君が代伴奏命令訴訟」や「ハーフの子の認知訴訟」など、ナショナリズムに関連する
  判例も信任or不信任票の投票行動にはあまり顕著に顕れない様である。
  
国民審査の開票状況を眺める限り、有権者の意識に特段の変化があった様には思えない。
無効になった500万票の中身には興味はあるが、いつもより頭が良くなった訳でも、
悪くなった訳でも無い様に感じる。


ーーーーーーー以下は各判事の信任or不信任の内訳ーーーーーーーーーーーー
<竹崎長官>
・裁判員制度に尽力?最高裁判事を経ずに2008年11月長官に就任。
 私の判断→<不信任>
 信任 :6275万4264票
 不信任: 418万4902票

<那須判事>
・認知されたハーフの子の国籍取得を認める判決
・郵政組合員に対する懲戒免職処分を不当とした判決。で懲戒処分は不当と判断。
・「君が代伴奏拒否訴訟」上告破棄。
 しかし那須氏からは教諭の拒否表明に一定の理解を示す補足意見が述べられている。
 私の判断→<信任>
 信任 :6195万 605票
 不信任: 498万8562票

<涌井判事>
・弁護士思想調査事件。情報収集活動については合法と判断?
・認知された子の国籍取得(上記)。違憲判断。補足意見あり。
・東海第二原発許可取り消し訴訟。住民敗訴。
 私の判断→<信任>
 信任 :6176万3059票
 不信任: 517万6090票

<田原判事>
・政党候補者と無所属候補者の選挙運動に差異があるのはおかしい訴訟。違憲判断。
・認知ハーフの子の国籍取得却下事件。違憲判断。
・君が代伴奏事件。校長の指示は合憲。
・防衛医科大痴漢事件。逆転無罪判断。5人中3人の中の一人。
 私の判断→<信任>
 信任 :6257万5038票
 不信任: 436万4116票

<近藤判事>
・早稲田大江沢民講演名簿提出事件。プライバシー侵害を認定。(それでも不十分だが)
・ハーフの子の国籍取得却下。違憲判断。
 私の判断→<信任?>
 信任 :6283万5628票
 不信任: 410万3537票

<宮川判事>
 弁護士出身で最高裁の任期も短い為、特筆すべき判断資料が見つからない。
 私の判断→<信任?>
 信任 :6292万5016票
 不信任: 401万4158票

<桜井判事>
 裁判実績なし?行政官から裁判官を選ぶこと自体そもそも有り得ない。
 「枠」撤廃の意義も込めて。→<不信任>
 信任 :6228万2623票
 不信任: 465万6462票

<竹内判事>
 元外務事務次官。「枠」撤廃の必要性から→<不信任>
 信任 :6244万3553票
 不信任: 449万5571票

<金築判事>
 最高裁に就任して半年。判断に足る資料不足。→<要調査、信任?>
 信任 :6262万7434票
 不信任: 431万1693票