仕事、癌、ブログ、のいくつかの面で戸塚氏の闘病は興味があったし、教訓に富んでいる。
NHKが特集するという事なので期待もあり、番組告知したが、結果的にはイマイチだった。
同じNHKでも、NHKスペシャルの「Japanデビュー」を100点とすると、
本番組は大体20~30点ぐらいの内容だったかと思う。
評価できる点は
・T2K実験を通して、戸塚氏の仕事を端的に紹介した事。
・癌闘病において、自らの病状を精査する態度を紹介した事。
・普段、あまり見る事の無い故人の(意外と風雅な?)人となりを紹介した事。などである。
しかしながら、これらの話を紹介するだけなら、30分程度の番組でも出来たし、
内容的にも、最も「表層」を舐めただけで、掘り下げ方が全く足りない。
以下に不満足な点を述べる。
・物理研究を過度に「難解で高級なモノ」と祭り上げ過ぎている。
戸塚さんも含め、真に学究的な事は仕事全体の0.1%程度であり、残りの99.9%は、
他の産業における仕事内容と大差は無い。「特別な人」という定義の仕方は浅慮である。
戸塚さんの最近の仕事を紹介する上で欠かせないのは「スーパーカミオカンデの破損事故」
と、平成15年の総合科学技術会議での「大強度陽子加速器の第二期計画のC評価」、
なハズである。この2つは「現実に物理の研究をする」ということがどういう物であるかを
判りやすく表している。癌病状ともリンクしており、避けるべきでは無かったと思う。
・癌の治療内容としては番組を見て参考になるべき点は無い。番組の主旨と違うと言えば
それまでだが、タイトルから言って視聴者には癌患者や家族も想定されるハズである。
特に、がんセンターの医師が登場し、戸塚氏のデータ整理や病状について、
「患者本人がデータを精査するのは特別な事。特別な人だから出来たこと」
「多発転移した時点で余命は1年以内と宣告した。正直に言うべきだと思った」
とコメントした点は残念という他無い。「癌」について表層的な調査しかせず、
権威とされている医師に取材した程度である事、がこの2点で明らかになっている。
本番組の骨子の30~40%は「癌」で構成されている。にも関わらず、「癌治療」について
の一次調査が不十分な為、その結果として取材も甘く、また軽い物になっている。
これは戸塚先生の闘病の道筋をそのまま辿っただけになっている。
結果として、「検証」も「検討」も、「教訓」も乏しい内容になっており、
NHKが90分の放送時間を費やして「思い出を整理」しただけと言わざるを得ない。
さらに技術的な事を1つ挙げると、やたらドアップで、かつカメラを「振る」画面が
多用されており、見るのに疲れた。車酔いしそうになった。
癌と向き合う時の緊張感や恐怖感を出したかったのかも知れないが、
小手先の画像操作などで表現しようとするのはムダなので諦めて貰いたい。
NHKが特集するという事なので期待もあり、番組告知したが、結果的にはイマイチだった。
同じNHKでも、NHKスペシャルの「Japanデビュー」を100点とすると、
本番組は大体20~30点ぐらいの内容だったかと思う。
評価できる点は
・T2K実験を通して、戸塚氏の仕事を端的に紹介した事。
・癌闘病において、自らの病状を精査する態度を紹介した事。
・普段、あまり見る事の無い故人の(意外と風雅な?)人となりを紹介した事。などである。
しかしながら、これらの話を紹介するだけなら、30分程度の番組でも出来たし、
内容的にも、最も「表層」を舐めただけで、掘り下げ方が全く足りない。
以下に不満足な点を述べる。
・物理研究を過度に「難解で高級なモノ」と祭り上げ過ぎている。
戸塚さんも含め、真に学究的な事は仕事全体の0.1%程度であり、残りの99.9%は、
他の産業における仕事内容と大差は無い。「特別な人」という定義の仕方は浅慮である。
戸塚さんの最近の仕事を紹介する上で欠かせないのは「スーパーカミオカンデの破損事故」
と、平成15年の総合科学技術会議での「大強度陽子加速器の第二期計画のC評価」、
なハズである。この2つは「現実に物理の研究をする」ということがどういう物であるかを
判りやすく表している。癌病状ともリンクしており、避けるべきでは無かったと思う。
・癌の治療内容としては番組を見て参考になるべき点は無い。番組の主旨と違うと言えば
それまでだが、タイトルから言って視聴者には癌患者や家族も想定されるハズである。
特に、がんセンターの医師が登場し、戸塚氏のデータ整理や病状について、
「患者本人がデータを精査するのは特別な事。特別な人だから出来たこと」
「多発転移した時点で余命は1年以内と宣告した。正直に言うべきだと思った」
とコメントした点は残念という他無い。「癌」について表層的な調査しかせず、
権威とされている医師に取材した程度である事、がこの2点で明らかになっている。
本番組の骨子の30~40%は「癌」で構成されている。にも関わらず、「癌治療」について
の一次調査が不十分な為、その結果として取材も甘く、また軽い物になっている。
これは戸塚先生の闘病の道筋をそのまま辿っただけになっている。
結果として、「検証」も「検討」も、「教訓」も乏しい内容になっており、
NHKが90分の放送時間を費やして「思い出を整理」しただけと言わざるを得ない。
さらに技術的な事を1つ挙げると、やたらドアップで、かつカメラを「振る」画面が
多用されており、見るのに疲れた。車酔いしそうになった。
癌と向き合う時の緊張感や恐怖感を出したかったのかも知れないが、
小手先の画像操作などで表現しようとするのはムダなので諦めて貰いたい。