私自身は酒もタバコも常飲しないので詳しい事は判らないが、依存症の定義は素人が
イメージするよりも広いらしい。WHOのガイドラインによると以下の3項目に
当てはまると「アルコール依存症」という事になる様である。

・アルコールを摂取したいという強い欲望あるいは強迫感。
・アルコール使用の開始、終了、あるいは使用量が制御困難。
・アルコールの中止もしくは減量などの離脱が困難。
・アルコール量の増大、耐性。
・アルコールを(仕事や家族などの重要事項よりも)優先。
・有害な結果が起きているにもかかわらず、いぜんとしてアルコールを使用する。

一般的なアル中のイメージである「大酒を飲んで暴れる」のとは異なり、
「なんとなく毎日飲む」程度の人も要注意なのである。
中川元大臣の場合も報道から伺えるだけでも、少なくとも5項目は該当する。

ただし今回大問題になったのは彼が大臣であったからで、私の認識では「普通の」人
の中にも相当数のアルコール依存症「患者」は居る。

私のフィーリングで言えば、肺癌を告知され抗癌剤治療を開始しても尚、喫煙者の
7割以上は禁煙できない。飲酒もだいたい同程度だろうと思っている。アルコール、
タバコ、そしてギャンブルの依存症患者は癌になっても「結局やめられない」様である。

疫学的調査や治療効果の低下をどんなに説明しても、また本人の意志の強さ等にも
全く関係なく、やめられない、のである。癌が簡単に「治らない」のと同じ様に、
依存症からは抜けられない。

今、政治的・経済的な懸念や評価は洪水の様になされているが、私はそれに加え、
もう一つの懸念を持って眺めている。色々と疑惑はあるが、彼の父親は58歳で
自殺したとされ、死因にはアルコールと睡眠導入剤も噂されている。

自民党は即刻解散すべきと思うし、中川氏にも2度と政界に戻って欲しくはないが、
何度も死にかけた立場から、是非とも自殺だけは防いで欲しいと思っている。