重粒子線治療の有害事象の1例として私の肺への照射例を示す。
肺照射後7ヶ月目までのCT及び胸部X線診断画像。条件等は、
・40代男性
・左肺中葉の深部に2cm大の腫瘤が認められる
・13.2GyE×4門(各1回):合計52.8GyE、4日間照射(2008.4.15~4.18)
・照射後1ヶ月で著明な腫瘍縮小が認められる。
・照射後2ヶ月で抗癌剤治療CDDP+GEM開始
・有害事象は肺繊維化とそれに伴う軽微な咳。皮膚は殆ど変化無し。

最も有害事象が懸念される時期(照射後3~6ヶ月)に骨転移を狙った
抗癌剤治療が重なっており、本来は推奨される治療経過では無い。

抗癌剤は18ヶ月間に白金系のフル投与を通算11コース実施しており、
「これ以上悪いケース」は実際上、あり得ないと思われる。

唯一の有害事象である「咳」は1日1時間くらいの咳が2~3日続いた程度。
特に処置は必要なく。濡れマスクをして過ごせばなんとか治まった。

判定上は「無し」もしくは「軽微」と分類されるが、「普通のセキ」とは苦しさが違う。
ノドの奥と肺に金属片をまき散らした様な抑えがたいモノ。
骨転移の痛みもあり、かなり参った。

とはいえ、同じ事をリニアック(X線)でやればこの程度では済まない。
左肺は(スポンジが焦げる様に)収縮し歪んだままになる様である。

・照射前画像
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-重粒子有害事象090121_1

・照射後1ヶ月:腫瘍は縮小。有害事象はまだ無い。原発の治療痕が出始める。
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・照射後2ヶ月:レントゲンでは腫瘍は確認できず。
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・照射後3ヶ月:肺繊維化が見え始める。
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・照射3.5ヶ月:有害事象の咳が出た頃の画像。
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・照射後4ヶ月:肺繊維化が回復しつつある?
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・照射後5ヶ月:回復方向。抗癌剤治療ほぼ終了。
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・照射後6ヶ月:有害事象はほぼ沈静化。
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・照射後7ヶ月:沈静化を確認。この位でひと安心?
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同時期の抗癌剤治療の経過については以下の図を参照。
「咳」には放射線治療と抗癌剤の重畳効果が効いている(と自覚症状的には確信する)。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-B080917