今後数回にわたり、放射線治療について私の理解をまとめてゆく。
それに先立ち、放射線被曝による国内の死亡例を紹介したい。
放射線被曝は全身被爆の場合、1GyEを越えると死亡の危険が生じる。
8GyE以上の全身被爆ではほぼ100%が死に至る、とされている。
1999年の東海村JCOの臨界事故では10~20GyEの全身被爆により2名の作業員が死亡した。
死因は「多臓器不全」とされ、放医研病院や東大病院での治療も功を奏さなかった。
結局、全身の主要器官の細胞死を食い止める事は出来なかった。
それに対し放射線治療では局所とは言え1度に10GyE程度の照射を行うこともある。
(重粒子線による肺癌治療やリニアックのフォトンによる骨転移の疼痛緩和など)
通算線量は30~70GyEに達する。
手術や抗癌剤もそうだが、放射線治療も極めて危険な手法である事に違いは無い。
他の癌治療同様、医師も患者もリスクと利益を慎重に検討すべきであるし、
インフォームドコンセント(IC)による説明と合意が不可欠である。
ーーー本論とは少しそれるが、ある患者会に寄せた私の「コメント」を次回記事に
紹介する。「放射線治療のIC」等に関する私の見方を示したものである。ーーー
重粒子線治療を経験した患者さんを中心とした会で「重粒子の会」(旧 HIMAC友の会)
が運営されている。私はその会員ではないし、今後も加入するつもりはないが、
最近「インフォームドコンセントが不十分だった」と受け取れる記述があった。
放医研のシステムや昨今の状況を鑑みると、通常考えにくい事ではあるが、
もしも訴えが本当だとすると、患者は計り知れない不利益を被ったことになる。
時々報道される「輸血の血液型ミス」や「過剰線量照射」と並ぶレベルと思える。
「コメント」中では患者側に向かって厳しい立場を取っている。なぜならば、
癌治療において医療側が提示・提案できるのはあくまでも「情報」でしかない。
全ての「判断」は患者側が行わねばならない、からである。
それに先立ち、放射線被曝による国内の死亡例を紹介したい。
放射線被曝は全身被爆の場合、1GyEを越えると死亡の危険が生じる。
8GyE以上の全身被爆ではほぼ100%が死に至る、とされている。
1999年の東海村JCOの臨界事故では10~20GyEの全身被爆により2名の作業員が死亡した。
死因は「多臓器不全」とされ、放医研病院や東大病院での治療も功を奏さなかった。
結局、全身の主要器官の細胞死を食い止める事は出来なかった。
それに対し放射線治療では局所とは言え1度に10GyE程度の照射を行うこともある。
(重粒子線による肺癌治療やリニアックのフォトンによる骨転移の疼痛緩和など)
通算線量は30~70GyEに達する。
手術や抗癌剤もそうだが、放射線治療も極めて危険な手法である事に違いは無い。
他の癌治療同様、医師も患者もリスクと利益を慎重に検討すべきであるし、
インフォームドコンセント(IC)による説明と合意が不可欠である。
ーーー本論とは少しそれるが、ある患者会に寄せた私の「コメント」を次回記事に
紹介する。「放射線治療のIC」等に関する私の見方を示したものである。ーーー
重粒子線治療を経験した患者さんを中心とした会で「重粒子の会」(旧 HIMAC友の会)
が運営されている。私はその会員ではないし、今後も加入するつもりはないが、
最近「インフォームドコンセントが不十分だった」と受け取れる記述があった。
放医研のシステムや昨今の状況を鑑みると、通常考えにくい事ではあるが、
もしも訴えが本当だとすると、患者は計り知れない不利益を被ったことになる。
時々報道される「輸血の血液型ミス」や「過剰線量照射」と並ぶレベルと思える。
「コメント」中では患者側に向かって厳しい立場を取っている。なぜならば、
癌治療において医療側が提示・提案できるのはあくまでも「情報」でしかない。
全ての「判断」は患者側が行わねばならない、からである。