以下は重粒子の会に宛てて、私から寄せたコメントの写し。
日頃の病院での私の様子も少し書いています。
長文な為、読むのを推奨は出来ませんが、、、。

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HICさん

先ず念のため弁解しておきますが、私は病院で他患者の治療内容や経過についてあれこれ「こちらから」口を挟んだ事は1度も有りません。私の理解では癌は複雑な病気で、ちょっとした治療方針の違いや考え方の相違で経過に大きな不利益を及ぼす事も珍しくありません。本やネットでちょっと調べた程度の情報や商品を他患者に気楽に推奨するような恐ろしい事はとても出来ないからです。

日頃から出来るだけ他患者とコミュニケーションすることを避け、話さないようにはしているのですが、どうしても治療について相談されることがしばしばあります。そういう場合は「患者同士の世間話」と重々断った上で必要最小限度のアドバイスはすることもあります。

そうして知り得た他患者さんの採血や画像データ、インフォームドコンセントの説明書のコピー、などによりますと、HICさんのご質問にありますような、「説明不足」の例は1例も知りません。

巷のクリニックなどでは独りよがりで能力の低い医師による、いいかげんな治療や診断、説明がなされていると耳には入りますが、抗癌剤などと異なり、放射線治療を行える程度の施設であれば、必要最低限の設備と体制はあると考えています。

少なくとも私の通っている国立がんセンターと放医研では、放射線照射はおろか造影剤CTやMRI、輸血、ですら、文書及び口頭での説明と同意書の作成を行い、それなしに一切の診療行為は行われません。それらの説明文は1患者の私から見ても必要充分な内容になっていると考えます。

もしも放医研でHICさんの仰るような事例が本当に発生したのであれば、たとえ1例であっても非常に重大な問題と考えます。インフォームドコンセントにおいて文書を交わす法的根拠はありませんが、放医研なら恐らく間違い無く、その患者さんも文書「でも」説明された書類を渡されているはずですので、早急に確認し、有害事象の説明が抜けている旨、病院に抗議すべきと思います。

ただ、残念ながらここまでのHICさんの記述からは私が問題だと思う「医師の説明不足」が本当にあったのかどうか確認出来ません。判った事は、
・肺臓炎で苦しんでいる患者の声がある。
・その患者さん(達?)は副作用の説明をされていないと言っている?。
の2点が繰り返し述べられているだけです。
(残念な事なのですが、これに類する状況はそれほど珍しい事ではありません。)

長々と主張しましたが、HICさんが仰る様な「説明不足」が起こるのは国内の医療状況を考えると(放射線治療に限って言えば)かなり稀な事だと言えます。

一方で、私の経験では「医師の説明不足」よりも「患者の理解不足&軽率な同意」の方が問題の原因になっている場合が遙かに多く見受けられます。

例えば放射線治療における有害事象についてもネットや書籍で一般向けの懇切丁寧な説明がいたるところに明記されております。勿論どこでも誰でもアクセスできます。それが入手・理解できない患者さんには医師が個別に繰り返し説明しています。

「患者会」の存在意義の一つは、具体的に、どの様に問題(この件の場合は説明不足)が起こったのか?責任は誰にあったのか?を事実関係を元に明らかにし、どうすれば再発防止が可能なのか?などを具体的に提案する事にあると思います。

全くの私的な患者ブログならば私もスルーするだけですが、仮にも放医研の掲示板に募集を掲示し、売店に申込書を置いている「会」ということになりますと無視する訳にもいきません。

私はHICさんの主催する会に入るつもりは有りませんが、一般論として、かつ、重粒子治療を経験した1患者として申し上げます。
・事実の確認を怠り、あるいは根拠を示さず、患者側からだけの一方的で整合性の乏しい愚痴や不満を増幅するのは問題があります。
・「誤った患者の声」はいくら多数を集めてみても「正しく」はなりません。

貴ブログの様な姿勢と考え方で会を運営、意見を流布し続け、それを「患者の立場」と称するのは説得力が無いばかりか、他の癌患者にとってデメリットの方が大きいと言わざるを得ません。
study2007 2009-01-03 22:51:57