通常、告知においてどの様な説明がどの程度されるのだろうか?私が見聞きした範囲では多く場合、
・病名・病期、画像・マーカー等の説明
・担当医が決定した治療方針、スケジュール
・(もしも聞かれたら)一般的な予後。などが説明される様である。
私は末期癌患者ではあるが病院歴は極めて浅い。2007年3月まで殆ど医者にかかった経験が無い。
従って私の病院や医師に対する見方は相当な偏りがあると思うが、ここまでに大きな不満は無い。
特にがんセンターでは考え得る限りの質問を行い、その殆どに合理的・論理的な回答が得られた。
放医研でも懇切丁寧な説明を受け、貴重な最新の知見を得る事ができた。
末期という事もあり選択肢は限られ、それ程多くの迷いや後悔は無く治療に踏み切れたと思う。
しかし私の経験では以下の最低限の知識を把握している患者にこれまで会った事は無い。
(私は極力他患者と接触しない様にしている為、主に家族会話等からの間接的判断であるが、、)
1.(例えば肺癌なら参考図の様な)病期と治療ロードマップの一般論
2.手術可能症例に対する手術説明と代替先進医療の有無、それぞれの成績・適応性
3.抗癌剤適応例に対する薬剤、投与量、投与期間の根拠、と主なsecond lineの説明
4.(自費も含め)候補になりうる分子標的剤の説明
5.国内、海外で参加しうる臨床試験の提示。費用と参加条件など。
これらの情報・戦略は互いに干渉しあう事も有り、「どれもこれも」とやれる訳ではない。
治療の程度、順番にも制限やゴールデンルートがある。患者個人の体力や考え方、人生設計を
直接左右する事柄でもある。治療開始前に患者側が慎重に判断する事が不可欠である。
実際に保険適応でやれる医療には「範囲」がある。担当医師の知識と技量にも「限り」が有る。
これは当然である。しかし最新の医療「情報」を患者に提供する事は簡単なハズである。
そうする事で患者と患者家族の不安と不満のかなりの部分を解消する事が出来ると私は信じる。
厚労省あるいは各施設で半年に1回程度最新情報を検討し、上記の最低限の情報を書面にする。
診断がついた場合、本人もしくは家族にそれを配布する。それに加えて個々の患者に対する
個別説明と議論をする。公知の科学的事実と最新の医療情報を更新すれば良いだけの事であり、
一通りの専門的知識さえあれば時間的、予算的コストは皆無に等しいはずである。
例えば粒子線治療は国民の税金を投じて研究開発が行われた。効果が認められ先進医療にも
認定された。勿論、治療効果やリスクの評価に各医師それぞれの意見があるのは当然である。
学会などの公の場で大いに科学的な論議をして頂ければ良いと思う。
医師としては患者の背景や実現性を考慮し、最適と判断される治療方針を提案する。
出来るだけの理解が得られるように繰り返し、ゆっくりと説明する場面も頻繁に目にする。
しかしながら、先進医療が選択肢として説明されないという事は本来あってはならない事である。
そこでは医師の「親切」は「壁」にもなる。
・病名・病期、画像・マーカー等の説明
・担当医が決定した治療方針、スケジュール
・(もしも聞かれたら)一般的な予後。などが説明される様である。
私は末期癌患者ではあるが病院歴は極めて浅い。2007年3月まで殆ど医者にかかった経験が無い。
従って私の病院や医師に対する見方は相当な偏りがあると思うが、ここまでに大きな不満は無い。
特にがんセンターでは考え得る限りの質問を行い、その殆どに合理的・論理的な回答が得られた。
放医研でも懇切丁寧な説明を受け、貴重な最新の知見を得る事ができた。
末期という事もあり選択肢は限られ、それ程多くの迷いや後悔は無く治療に踏み切れたと思う。
しかし私の経験では以下の最低限の知識を把握している患者にこれまで会った事は無い。
(私は極力他患者と接触しない様にしている為、主に家族会話等からの間接的判断であるが、、)
1.(例えば肺癌なら参考図の様な)病期と治療ロードマップの一般論
2.手術可能症例に対する手術説明と代替先進医療の有無、それぞれの成績・適応性
3.抗癌剤適応例に対する薬剤、投与量、投与期間の根拠、と主なsecond lineの説明
4.(自費も含め)候補になりうる分子標的剤の説明
5.国内、海外で参加しうる臨床試験の提示。費用と参加条件など。
これらの情報・戦略は互いに干渉しあう事も有り、「どれもこれも」とやれる訳ではない。
治療の程度、順番にも制限やゴールデンルートがある。患者個人の体力や考え方、人生設計を
直接左右する事柄でもある。治療開始前に患者側が慎重に判断する事が不可欠である。
実際に保険適応でやれる医療には「範囲」がある。担当医師の知識と技量にも「限り」が有る。
これは当然である。しかし最新の医療「情報」を患者に提供する事は簡単なハズである。
そうする事で患者と患者家族の不安と不満のかなりの部分を解消する事が出来ると私は信じる。
厚労省あるいは各施設で半年に1回程度最新情報を検討し、上記の最低限の情報を書面にする。
診断がついた場合、本人もしくは家族にそれを配布する。それに加えて個々の患者に対する
個別説明と議論をする。公知の科学的事実と最新の医療情報を更新すれば良いだけの事であり、
一通りの専門的知識さえあれば時間的、予算的コストは皆無に等しいはずである。
例えば粒子線治療は国民の税金を投じて研究開発が行われた。効果が認められ先進医療にも
認定された。勿論、治療効果やリスクの評価に各医師それぞれの意見があるのは当然である。
学会などの公の場で大いに科学的な論議をして頂ければ良いと思う。
医師としては患者の背景や実現性を考慮し、最適と判断される治療方針を提案する。
出来るだけの理解が得られるように繰り返し、ゆっくりと説明する場面も頻繁に目にする。
しかしながら、先進医療が選択肢として説明されないという事は本来あってはならない事である。
そこでは医師の「親切」は「壁」にもなる。