私は「脱毛の推移」から類推し、残存影に対する「疑い」を強く持った。

私の場合1コース目のDay13~16に頭髪の約99%が抜けた。しかし、
残った1%は2コース目、3コース目を終えても「そのまま残って」いた。
(ただし分散して残った毛は擦れやすく5コース目には完全にハゲたが、、)

頭髪は通常10万本程度あり、男性の場合2~5年のサイクルで抜けると言われる。
(ゆえに1日50本~100本の抜け毛は気にする必要はないらしい、、、)
1cm^2辺り、おおよそ100本の毛がある(あった)ハズである。妻に頭髪を
数えてもらったところ約1本/cm^2に脱毛し、その後はあまり変化無かった。

数人の癌医療従事者に聞いたところ、抗癌剤による効果と副作用にはあまり相関
が無いそうである。確かに吐き気や悪心は代謝機能や精神的要素に左右される。
また苦痛の感じ方も個人差があるのでバラツキが大きくてもやむを得ない。

ただし「3倍量」などの投与をすれば効果が期待できる反面、激しい副作用が
現れる事が科学的に確認されている。相関の程度は不明だが「効果と副作用」
に一定の関連が有ることは間違い無いと思われる。

抗癌剤による脱毛はドラマや映画では癌闘病の象徴として必ず取り上げられる。
独創性に乏しい作家や製作者にとっては欠かせないアイテムではあるが、実際は
特に問題になる事では無い。私は「有害作用」として捉えていない。しかし、

抗癌剤の細胞殺傷効果を他の要因に左右されず比較的ストレートに表すのは
「脱毛」ではないだろうか?調べると頭髪は毛乳頭と呼ばれるボール状のイボ?
を毛母細胞が取り巻き「絶えず」細胞分裂することでくっついているらしい。
抗癌剤や放射線障害で細胞分裂が止まると、ある期間を経て脱落する。

髪の成長サイクルは年単位なので、ある割合の毛髪は「たまたま」細胞殺傷が
作用しない時期にあったのかも知れないが、投与期間は2~3ヶ月に渡る。
4~5年(50~60ヶ月)の髪サイクルに対して1%は、どうしても残り過ぎ
の様な気がする。

定量的評価は難しいが0.1~1%の髪が「薬剤が効かず」残ったとも考えられる。
一方、画像上「残存」した腫瘍も体積で約0.1~0.5%程度である。患者としては
やはり疑わない訳にはいかない。