2007年4月9日~30日(1コース):

最終的に私は抗癌剤を6コース継続し8月に画像上の癌消失、完全寛解判定を受ける。
これは統計的には極めて稀なことと評価され、予想外の事ではある。しかしながら、
真に重要な事は1症例の結果を「単なる幸運な例」と片づけることでは無い。
「なぜそれが可能だったか?」を分析し、整理することである。このブログの主目的は
そこにある。

私が犯した致命的なミスは、Day3の嘔吐である。以後4日間絶食状態となった。
これによりトイレで立ち上がった時、目の前が真っ暗になる程の貧血状態になり、
実質的に寝たきりになった。運動(上下振動?)と飲食が無くなると排泄もストップ
する。これは膨満感となり、さらなる食欲不振の連鎖を招く。

抗癌剤の副作用リストには「食欲不振」が筆頭にあげられる。細胞毒性のある物質を
血中に流すことによる当然の「一時的な」脳反射である。しかしより深刻なのは、
それを引き金にした、「他の要因による」食欲低下である。

私には抗癌剤治療に対する固定観念があった。映画やドラマの主人公は「強い抗癌剤
と闘い、嘔吐やセキでむせながらも手づかみでガツガツ!と食べ周囲の皆を驚嘆させる」
よく考えもせず、それをやってしまったのである。

一方、3月18日の(上司の友人の)クリニックで指導された「肉禁止」も貫いていた。
初めは半信半疑だったが、3日も続けると劇的な効果(後述)があったからである。

以後、このどちらにも囚われずに食事の最適化をはかる事に務めた。
私の場合、抗癌剤による「正式な」食欲低下は、
Day3夕食(食欲0%)、
Day4朝、昼、夕食(30%)
Day5朝、昼、夕食(50%)、
Day6朝、昼食(80%)、夕食(100%OK)。と推移する。これ以上は絶対にムリしない。

また食べられないのは病院食全て(正確には病院食の「容器の臭い」)と白米の臭い。
これは抗癌剤治療後半年近く経過した現在でも全く改善されない。

さらに必要により肉、卵も摂取。ただし1日の上限値100g以下を目安とする。
1コース入院中の食事全てを弁当で作ってもらい、毎日妻に持ってきてもらう。
義母に上京してもらい、その間の子守等、家事一切を御願いする。

これ以降、便秘と下痢に悩む事は(感染症の1回を除き)一切無くなった。食事も全く
問題なくクリアできた。結果、骨髄抑制も有る程度なら自分の意志で制御する事が
でき(、、たと思っている。詳細別途)、6コースまで続ける事が可能となった。

どんなに効く薬も継続出来なければ効果は得られない。私も行き当たりばったりな
対応をしただけだったら、3~4コースで限界になったであろうし、その場合は「著効と
奏効の中間」的な評価に留まったと考えられる。

病院では食事や排便に対するケアは「下剤か下痢止めの投与」くらいしか無く、それすら
も実質的には患者と看護師のフィーリングで決まってしまう。薬の奏効率には多くの議論
があるが、統計の土台となる患者の全身状態は自分でコントロールするしか無いのが
現状である。