当時、私は立志館という進学塾に通っていました。中2の時は低迷していて、一番下のDクラスまで落とされていました。

 

入塾テストに合格しないと入れないだけでなく、学期ごとに実施される塾内学力テストの成績によって、所属するクラスが上がったり下がったりするシステムでした。

 

中2の3学期にDクラスからCクラスに上がり、中3の1学期からBクラスに上がることに成功してしました。自分としては上昇トレンドを描いているので、目標は最低限、鳳高校!みたいな心理状態にありました。Bクラスの雰囲気的には上位層は鳳高校に行くのが定番でした。Aクラスは三国丘もしくは泉陽という雰囲気。

 

オシャレな泉陽高校に通いたいけど、まずは鳳高校でB判定を取るぞと意気込んでいました。当時、鳳高校は偏差値58程度(最近の測り方だと64ぐらい)だったと思いますので、5ポイント上がればB判定は確実というところにいました。

 

遠いから、本当は避けたい選択肢ですが、仕方ありません。

 

夏期講習が始まりました。

 

当時の私は、ゲーム中毒に陥っておりまして、ゲームをやらないと禁断症状が出て、何も集中できなくなるという、学習に向いていない傾向がありました。

 

これは自分でも自覚しておりまして、ゲーム時間を確保しつつ、夏休み中に偏差値を5ポイント向上させる計画を練りました。

 

夏期講習から帰ってからダラダラとゲームしてしまうと、まずこの状態から脱せない。

 

夏期講習の時間割を見ると、毎日、11時スタートで、終わるのが15時ぐらい。

 

10時半に出発すれば間に合いますので、9時から10時をゲームの時間として設定しました。スーパーロボット大戦なるソフトが大流行りしていて、友達とクリアの仕方を競っていたので、スーパロボット対戦を極めつつ、偏差値を5ポイント向上させるという怪しげなプロジェクトを自分なりに立ち上げたのでした。

 

毎日の学習サイクルが始まりました。

 

朝7時に起床して、朝食。8時から9時は当日の学習内容の予習。9時から10時はスーパロボット対戦。

 

10時半前に出発して、夏期講習を受ける。

 

この時、ある心がけをしました。

 

それは、授業時間について、全力100%の力で理解しようとすること。それまでの私は、授業時間の中で集中力にムラがあり、きちんと説明を聞いて理解できている部分と、そうでない曖昧な部分が混在しているという反省に至りました。

 

そこで、自分の能力値を最大限に発揮することで、この曖昧な部分を克服できると見込んだのです。

 

この学習態度は、非常に良い効果を発揮しました。夏期講習は中1の初めの復習から徐々に積み上げ式で学習プログラムが進行するため、初期から全力で取り組むことで、過去の学習の抜け漏れを全てカバーすることに成功しました。

 

他のBクラスのメンバーは、お盆あたりまでエンジンがフル稼働しない感じで、序盤戦をダラダラと過ごしている様子でした。

 

授業中に質問されても的確に返答できるようになり、Dクラス時代から教えてもらっている先生から、めちゃくちゃ伸びてきていますね!と褒めらるぐらいの、あきらかな状況の変化を感じていました。

 

帰りは三国丘駅にある古本屋、今はなき天牛書店に立ち寄るのが日課でした。16時ごろに帰宅し、そこから18時の夕食の時間まで2時間の学習を行いました。

 

この2時間は当日学習した内容の振り返り学習を行うもので、解き方を説明してもらって「わかったつもりになっている問題」について、「自力で解き切れるようになる」ようにする学習でした。

 

中1から中2の中盤までサボり気味であったため、周りのBクラスの人はすんなりと理解しているような内容でも、ほぼ初見になる概念や用語も多数あり、覚えることが山盛りでした。

 

19時から20時は7歳下の弟とゲームで遊んであげていました。弟はまだ小学校2年生なので、兄が受験生という状況にあることを全く理解できないのです。だから、夕食と入浴が終わった後は、動物のゲームやパズルゲームをして遊んであげるという約束をしていました。20時になると、弟はさっさと寝てしまうので、それから再び受験勉強を進めました。

 

20時から22時の2時間は、次の日の夏期講習の予習です。予め、説明や解説文を読んでおくと、授業の理解度が段違いの高まります。

 

夏期講習が開催されている平日は、朝1時間の予習、帰ってから夕方に2時間の復習。夕食、入浴後に2時間の学習という合計5時間の学習サイクルを回しました。

 

土曜日は10時間学習というテーマを掲げ、五科目について、それぞれ2時間の学習を実施しました。日曜日は弟を連れて公園に行って蝉とりをしたり、友人と公営のプールに行ったり、釣りをしたりと、いつもの夏休みを満喫していました。

 

夏期講習が終わり、塾内模試を受けました。

 

特に英語がバキバキに強化されていて、今まで解けなかった並び替えや文法問題がスラスラ解けます。

 

特に理科については、ほぼ極めた感じです。これはAクラスに上がれているなという手応えを得て、夏休みが終わりました。

 

9月のレギュラー授業が始まりました。塾の廊下に掲示されているクラス分け表を確認しました。やった!Aクラスに入れています。

 

同じくBクラスからAクラスに上がることのできた友人が、「こっちを見て!」と別の掲示を見るように言ってきました。

 

こちらは、塾内模試のランキング表です。

 

な!! なんと!!

 

私が塾内模試1位に輝いています。

 

立志館の三国丘校は、当時6校舎ぐらいあった立志館の中でも最もハイレベルな生徒が集っており、最高レベルの学習塾と言われていました。

 

あれだけポンコツだった私が、なんと、1位?

 

す、すごすぎる!!

 

あまりの喜びに帰りは天牛書店を素通りして、超早歩きで帰宅しました。