[2022年4月の研究会報告]
2022 年4月17日 ZOOMで開催。出席5名
応用行動分析学 第3版 第18章「言語行動」のpp 427-434を鈴木が用意した資料で学習した。
今回の範囲は、「言語オペラントと聞き手の行動の詳細」の続きで、以下のような項目をカバーしている。
・デュプリック、コーディック、イントラバーバルを制御する強化
・イントラバーバルの生成
・聞き手の行動
・オートクリティックの言語行動
今回の範囲では、聞き手の行動に特に興味深かった。スキナーの言語行動では、基本言語オペラントは、話し手の行動について定義されていて、「聞き手の行動」は基本言語オペラントには含まれていない。しかし、本章では、Schlinger(2008b)の「スキナーは聞き手を無視していたわけではない、彼はその本全体を通じて、聞き手に数多く言及している― 話し手と言う言葉が893回出ているのに対して、聞き手という言葉は793回出ている」という見解も引用して、聞き手の行動について詳述している。
聞き手は、非言語的役割も、言語的役割も担っている。話し手の行動を強化したり、聴衆としての役割を果したり、話し手が言ったことを理解していることを非言語的に、あるいは、言語的に示したりする。聞き手の行動は言語場面(verbal episode)において重要な役割を果している。
タクトとして獲得された新規の単語はさらに訓練をしなくても、すぐに聞き手の行動(その単語を聞いて理解する)を生み出す。また、聞いて理解できる単語は、タクトとして使えるようになる。このように話し手と聞き手の行動は、双方向で生成され、共通双方向性呼称(Common Bidirectional Naming: C-BiN)と呼ばれている。
今回の範囲も大変興味深く読むことができた。