森元です。
舞台や演劇って、2~3月が多いみたいですね。
何故なんでしょうか。僕、よく知らないんですが。
とにかく、そのこともあって、最近いくつか作曲の仕事が重なりまして、少しテンパっています。
ありがたいことです。
舞台や映画に音楽を書くとき、例えばエンタメで全曲オリジナル、みたいな時は、一つの作品に30曲以上書くときもあります。
もちろん、15秒くらいの曲があったり、結局使わなかった、みたいな曲もあるわけですが、それでも、結構な曲数を書いています。
1曲1曲、「この場面はバーンとはいってきて、10秒くらい間があって…」とか、「場面は暗いんだけど、あえて明るい曲にしてコントラストをつけて…」とかいう風に打ち合わせていくのですが、なかなかお互いの感覚が一致しない部分があったりして、曲を作ってから「あらら、そっちで解釈しちゃったか…」みたいなこともあります。
これがまた、もちろんお互いにとってなんですが、結構な労力なんですね。
なので、僕は最初にお会いするクライアントの方には、「お好きな曲、アーティストがあれば、いくらでもおっしゃってください。参考にしますから」と伝えます。
するとほとんどの方は、「え、いいんですか」という風におっしゃいます。
脚本家や演出家、映画監督の方はみなさんクリエイターですから、クリエイターマインドをよくご存知なので、クリエイターに模倣をしろというのは失礼に当たるんじゃないかと、気を遣って下さっているのです。
だから、こちらから提案するまでは、「参考曲はこれです」とはほとんどおっしゃられないわけですね。
気を遣って頂いて本当にありがたい話なのですが、僕は結構、そういうのどうでもいいという風に思っています。
これは主に舞台や映画に限った話ではありますが、ニーズがあるなら、模倣、なぞり、なんでもやります。(笑)
…まぁこれは極端な話で、めちゃくちゃ語弊がある表現ですが、一応僕の考えを書いておくと、こういうことです。
まず第一に、僕は脚本のことや、演出のことは何一つわからない、ということです。
わからないので、おっしゃる通りに作るのが一番正解なんだろうなと思っていて、その正解を導き出すために使う手段で一番いい方法が「参考曲」なら、それでいいじゃないか、と思っているのです。
結果、作品自体の完成度が高まって、その作品に触れたお客さんが感動するのであれば、それより優先することは何も無いですよね。
もちろん、お互いの独創性がケミストリーを起こして完成度が飛躍的に高まることもありますが、それも含めて、僕は脚本家、演出家さんにお任せするようにしています。
第二に、僕は「与えられた枠内で曲を作り、その中でどれだけオリジナリティを出せるか」という作業がすごく楽しいのです。
「この参考曲にプラスして、ここのコードを複雑にしてやろーか」とか、そういう遊びが楽しくて仕方がないのです。
んで、後で自分で聞いてニヤニヤする。(笑)
完全に変態ですが、クライアントのニーズと自己のニーズが同時に満たされるなんて、こんな素晴らしいことはないやないか、と思っています。(笑)
そして第三。
正直これがほとんどの理由ですが、僕はそんなこと言えるほど偉くない、ということですね、ハイ。
例えばですが、坂本龍一に「久石譲みたいな曲を」なんて、誰もオーダーしませんよね。
彼らは圧倒的なオリジナリティを認知されているから。
結局のところ、参考曲が必要ということは、僕のオリジナリティが足りないか、認知されていないか、どちらか、というだけの話なんですね。
なにか、真似ばっかりしている作曲家みたいになりましたが(笑)、もちろんそんなこと全くございません。
「森元がかっこいいと思う曲書いて」と言われたら、めちゃめちゃかっこいいオリジナル曲書きますよ。ええ。
