牡牛座の新月(日蝕)「プラチナの土台を築く」 | 占星術家しゅんじ「宙の色(そらのいろ)」

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「宙」という文字には「永遠の時間」という意味があります。
時は無色透明ではなく、無限の彩りに満ちた物語のような連なりです。
西洋占星術を通して、時に込められたメッセージを読み解きます。

4/29(火)の15:14に、牡牛座で新月(日蝕)です。



今回の新月は特別なスタートを表す日蝕(金環日蝕)なので、
ここが半年単位のターニングポイントになります。
次の物語の「目次、大見出し」が、ばーーん!と提示されます。
それを示唆するような象徴的なイベント事が起こったり、
あるいは、既に計画されている方がいらっしゃるかもしれません。

ホロスコープを見てすぐ分かると思いますが、
活動サインのグランドクロスが依然として健在です。
これは以前の満月(月蝕)でも触れた通り、
対人関係における決別、和解、出会いといった忙しい縁のシャッフルや、
不穏に揺れ動く時代や社会の大きな変化の波を表します。




今回の日蝕のテーマを一言で言うなら、
その激しい波の中でも決して振り回されない
絶対に安全な「プラチナの土台」を築くことです。
ただ頑丈なだけでなく、うっとりするほど美しい結晶。
貴方のごく身近か、あるいは内側にある普遍的な拠り所の感触を
しっかりと確かめる時です。




新月のある牡牛座は、物質的豊かさや、
五感を通して感じる喜びと幸福感を表します。
月にとって牡牛座は居心地のよい場所なので、その働きが強調されます。

美味しいごはん、美しい音楽、
頑丈で快適な住まい、お気に入りの服や道具。
十分なお金、健康で美しい身体。
五感を信頼し、活かし、そのワガママを最大限に聞き入れながら、
快適で心ときめく物質的環境を整える。

つまり、貴方の生活の基礎となるような
身近にある「モノ」を
ベストな状態に更新する、確保するということです。




いま本当に必要なモノは何でしょうか。
ほぼ貴方の一部と言っていいほど近くにあり、親しみを注げる何か。
それは作業スペースなどの「空間」かもしれないし、
磨かれた「才能、能力」か、あるいは
安心や自由をもたらす「お金そのもの」かもしれません。

それらは今から幕を開ける新しい章の舞台になったり、
あるいは、相棒となって貴方をサポートすることでしょう。
この激しい変化の流れの中で貴方を力強く支え、
同時にワクワクするような満足感と幸福感をもたらす
拠り所となるはずです。




ちなみに僕は先週末に
突然思い立って新しいお財布を購入してきました。

占星術では、物事を「スタートした瞬間」のエネルギーが、
その物事に宿る、と考えられています。
つまり、例えば今の時期に財布を買うとすると、
その瞬間の天体配置のエネルギーがぎゅっと封入される、と考えられます。
冒頭に挙げたようなホロスコープを出生図に持つ
「牡牛座の新月(付近)生まれのお財布が誕生する」というわけです。

そんな感じで、YUKINEさんの芦屋サロン
通りすがりの占星術営業マンをしてしまいました(笑)。

その様子はこちらです。↓
~祈りの創造~ジュエリーデザイナー 雪音りえさんのブログ





ホロスコープをさらに詳しく見ると、
単に個人のお金やモノをキープするだけの新月ではないようです。

新月に対して冥王星(死と再生、根底的な変化)が120度を作っています。
冥王星はグランドクロスの黒幕的存在で、
これまで激しい変化と解体を推し進めてきました。
冥王星に壊せないものはありません。
同時に、冥王星に修復できないものはない、と言われています。
今回はその冥王星の「絶対的再生力」が
プラチナの土台作りを支援しています。

傷を癒やし、失敗から立ち直る生命力。
しぶとく諦めない忍耐力がもたらされます。
それは新しく打ち出される再建計画の要となるはずです。




新月に対して、木星と海王星が協調的な60度を作っています
グランドクロスに参加している木星が、
冥王星と同様に新月を支援しているのは面白いです。
解体作業は引き続き行われますが、
その一方でバシッと打ち出される再構築のビジョンですね。

蟹座の木星は、親しい仲間や家族、家系、故郷、土地などから
もたらされる恩恵や祝福を表します。
魚座の海王星は、先見性や想像力、慈しみ、未来ビジョンを表します。
これらを加味すると単に冷たく固い土台ではなく、
親しい人たちの暖かな想いや、神秘的なインスピレーションによって
引き寄せられて形作られる土台。
それから、自分のオーラや魂を宿らせるための「器」
というイメージも湧いてきます。




松村潔先生は先日のwebラジオの中で
例えば、雪の日に外にホームレスがいても分け与えず、
まずは自分の取り分をがっちりと確保することがテーマ。
暖炉のある部屋で美味しい食事をいただくみたいな新月。

と解釈されていました。

これは新月のあるピンポイントの場所、
牡牛座9度のサビアンシンボルである
「飾られたクリスマスツリー」から導かれた意味です。

上記の水(感情)のサインに位置する木星・海王星から考えると、
親しい家族的な仲間や縁ある人々と共に恵みを分かち合う
あるいは、そういう人々から内面的な豊かさがもたらされる
とも解釈できると思います。




これから私はどこへ向かうのか。
その道筋が幾通りにも示され、なおかつ変化し続けています。
それはドラマチックで刺激的ですが、
傷ついたり、ちょっとお疲れ気味の方もいらっしゃると思います。

そこで一旦「私はどこから来たのか」を振り返り、
決して変わることのないルーツや、軌跡や、
今ココに存在する身体という最も確かな「私」を
五感を通してめいいっぱい実感して頂きたいと思います。

『千と千尋の神隠し』の序盤に、
千尋がハクからもらったおむすびを食べて大粒の涙を流すシーンがあります。
いきなり始まった冒険のめまぐるしい変化についていくために
ずっと張り詰めていた意識。
(これはグランドクロスと少し似ている気がします)
それが五感を満たすことで一気に緩み
安心感と、確かな「私の実感」を取り戻したシーンだと思います。



今回の新月は、既に加速度のついた状態でバタバタとスタートしていく
新たな冒険の幕開けです。
同時に、その先もずっと変わらない普遍的な「私」を
ぎゅーーっと抱きしめる、
あるいは取り戻すタイミングなのだと思います。
これまでもこれからも、
ずっと貴方の中心にある普遍的な結晶こそが、プラチナの土台です。





私事ですが、本日、結婚します。

昨晩はずっとブログを書いてたので、
披露宴で読む予定の両親への手紙がまだ書けてないのです(汗)。
はよ書かな!!

行ってきます。