今日はシュールな読みものです。かきあぐねて途中からnoteに飛びました。
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私の施術に2年ほど通ってくれているガガさん(50代)は、いつも変な話しかしない。
あちこち気ままに移住されてきた方なのだけど、20代に南のルルル島(仮名)で暮らしていたときのエピソードが、香ばしい。
たとえばこんな怪談。
「ある日、島の連中と大宴会をしている途中に、尿意をもよおした。
のだが、
トイレが埋まっていたので、サトウキビ畑で用足しをすることにした」
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「そして腰をおろしたら、突然、
空に浮かんでいた満月が、ズズーーと海辺に降りてきて、ふにゃふにゃとした化け物になって、笑いながら猛スピードで追いかけてきた。
なので、パンツをずり下げたまま四つん這いで逃げた」。
という…。
月に一番近い島って、そういう意味だったのか。
「私は酔っ払っていなかったし、あれは幻覚ではなかった。あの島では、そういう不思議なことが起きるんだ」
と、力説されていたが、野ションされてる時点で、泥酔しているとおもうんですよね。
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そんなガガさんのお仕事は、イベント関連のオーガナイザー。いつも話しながらゲヘヘと自分で笑ってしまう気の良い姉御肌で、老若男女のスタッフやアーティストに囲まれている。
昨秋(2023)、私がイギリスへ出張させてもらった折、ついでに現地の方を施術しますと募集したら、
ガガさんが「友人の娘・ルルを見てやってほしい」と紹介してくださった。
ルルル島生まれで、赤ちゃんの頃からガガさんが成長を見守っていたお嬢さん。今はロンドンでイラストレーターの修行中と仰る。
それはぜひ、ということで、ロンドンのゲストハウスでお目もじしたルル嬢は、島の風を思わせる艶髪のなびく女子。色白肌に目ぱっちり、佇まいの楚々とした、ベティちゃんみたいなハニーフェイスだった。今の若い人、ベティちゃんってわかるかな。
ロンドンのぐずついた気候や、請負仕事の過酷さからか、しかし、ルル嬢は坐骨神経痛に悩まされており、元気がなく、声もなんだか覇気がない。
「こんな可愛い20代がひとりで、ロンドンで揉まれて大丈夫なんだろうか」と心配になってしまった。
が、「パブでナンパされたオランダ人と同棲している」ということで、ちゃっかりした面もあるようだ。
私もパブに繰り出したが、誰もナンパしてこなかった。30年遅かった。
オランダ人はしかし、定職を持たず(オーガニックと称するCBD、CBNオイルを売りさばいているらしい)、世界中をキセルしながら旅して何度も捕まり、金も全くなく、ルル嬢のアパートに転がり込んできたらしい。
やっぱり心配である。世界中キセルって。
ルル嬢はそのオランダ君をかなり甘やかしているらしく、施術が終わった後、「遅くなってしもぉて、かんにんなあ…ごはん、まだ食べてないん? sorry…」なんて小さな声で電話している。
キセルのヒモにそんな気を遣わんでも、と、おばさんはまた余計な心配をする。
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そして時は移り2024夏。
ガガさんが関わった、とある仮面舞踏イベントにて、受付を手伝うルル嬢と再会することができた。
オランダ男とは別れ、ビザも切れ、日本に一時帰国しているルル嬢は、アーティストのポップアップショップで働きながら、意欲的に勉強を重ねているとのことで、生き生きした血色ある顔つきだった。ああ、よかった。
しかも、新しいイタリア人の彼氏ができたとのこと。楚々とした佇まいのわりに、彼女はなかなかの猛禽かもしれない。
一体どこでそんなに男の子を調達できるんだろうと思ったら、『日本語おしえる代わりにあなたの言語おしえて』的なlanguage Exchangeサイトが、ハッテン場、もといマッチングのワールドバージョンとして機能しているらしい。
おばさんも登録してみようと思って覗いてみたら若者ばかりだ。誰かこれのシニア版をつくって戴けないでしょうか。中高年はお金を持っているので、けっこう課金できるかもしれません。
さて、そんな世界の若者がひしめく出会いサイトでルルと引き合ったのが、東京の某名門大に留学しにきた、ボローニャ大学の学生・Bくん。
ボローニャ大学といえば、イタリアでも最古と言える歴史をもつ名門大学である(1088年設立ーーー約900年の歴史)。
日本のアニメキャラクターのような、甘いルルのルックスに一目萌えしたらしいボローニャくんは、早速ガガさん宅で催された飲み会にやってきた。
(ルルはガガさん宅に居候している)。
最初こそ「まだまだ、そんな仲やないでえ。最近オランダ男と別れたばっかりやし…」
と、すましていたルルだが、飲み中にボローニャに熱心に口説かれ、あっさり転んだらしい。ガガさんがふと部屋を覗くと、二人で仲良く手を繋いで寝ていたという。若者、早っ。
だが問題発生。
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