洞窟の輪郭と光がおりなす、ハート型。
これは奇跡の一枚なんだそうです。
1か月ほど前、麗らかな房総半島に出かけたときのこと。
通りすがりに、ある温泉に入ろうとしましたが、休業中でして。
隣接する無料駐車場の、渓谷のながめが素敵だったので、車中泊することにしました。
泊まっている車は、私達の1台オンリー。 最近こんなのばかり。
ところが。
まだ暗い朝の4時、人々のざわざわした熱気で目が覚めました。
30台ほどの駐車場が満車になり、巨大な望遠レンズを掲げた人々が、興奮気味にざわめいているのです。
何ごと?
ざわ、ざわと、移動し始めた人々の後ろをついて、遊歩道を500mほどあるいてみたら、ちいさな洞窟と滝の前に、高級レンズを構えたおっちゃんカメコたちが、ずらり。
川の中に、じゃぶじゃぶ長靴で浸かりこんで、かたずをのんで見張っておられる。早い方は、夜中の3時から、川の中で待ち構えているんだって。
な、なにを?
このハートを!!
(カメコおっちゃんが撮影すると、このクオリティ)
「早く早く、あんたも撮りなさいよ!!!」
なんだか知らんけど、見知らぬおっちゃんが脚立を貸してくださったので、よじのぼって撮影させていただきました。
なんでしょう、この美しさ…。
この国には、まだ見ぬ神秘ゾーンが、あるのね。
「何も知らずに来たの? 嘘でしょう。
たまにいるんだよね、こういう人……」
一人だけスカートの私、おっちゃん達に絶句されました。
上のたて長のハートは、年にいちど、春分を2~3日すぎた、晴れた日の6時50分くらいにしか撮影できないそうです。
そもそも、縁もゆかりもない、上総のまちに来ているのは、1年ほど前に施術にいらしたお客様が、ふと仰ったこと。
「千葉県のKRという城下町は、土地に不思議なエネルギーがあって、おもしろいんです。薔薇園などがあって…」。
ただそれだけ。
房総は、人生でいちども訪れたことがないけれど、ある朝、思いたって「今からいこう」と。
セカンドサロンの候補地を探していたこともありまして。
海の下のハイウェイ……湾岸アクアラインを飛ばして行きました。
途中「海ほたる」PAでいわしスナックをいただきました。
東京湾を眺めながら、仁王立ちで齧るシチュエーションのせいか、びっくりするぐらい、うまい。
汚染物質? ミネラルに結合させちゃえ。たまには太平洋のお魚も食べたいじゃないですか。
なので、ぱぱっとミネラルなどを持ち歩いてます。
所要時間1時間半後で、KRに到着しました。
「日本の名水百選」に選ばれたこの町では、豊富な地下水を引いた井戸が200本ほどあり、勢いよく噴き出す「自噴」式で、汲みあげる必要がない。スプラッシュ天国なんです
微生物などを豊富に含むので「生きた水」と言われ、遠方から汲みに来る水マニアも多い。
「酒とそばをこよなく愛し、食べ歩いたあげく、自分の理想のそばを打ちはじめた」という亭主のお店をみつけ、寄ってみました。お店の裏手にマイ井戸がありました。
これが、まあ、なんてふくいくと、もっちりと、具合のいい蕎麦でありましょうか。
おそば湯がすごいのよ。とろろかと思う濃厚さ。これは飲むものではない、噛むものだ。
はらわたが、じーーーーんとこなされ、活力が出てきます。
ご亭主に聞くと、KR城というのは、八犬伝の舞台になった、あの里見一族のおわした居城。豊臣秀吉の命に逆らい、色々お立ち回りの苦労のあげく、没落の道をたどられました。
遡れば、安房(阿波)一族が進出して拓いた土地ですが、溢れんばかりにゴージャスな水郷ぶりを辿ってみると、さらにいにしえ、縄文くらいから栄えていたのではないかな、勝手に推測。豊かな上古代日本の気配がするのです。
こちらの薔薇園も、まだ咲いていないけど素敵でした。
猫好きは悶絶しそうです。
薔薇園ですっかり頭がぼうっとした私達は、宿泊先をさがす気力もなく、直感で通りすがりの鄙びた温泉の看板をみつけて、山に入りました。
すると、、
山土むきだしの駐車場に車を止めたとたん、横に大きなバンが泊まり、袈裟を来たお坊さまがどどーっと10人くらい飛び出してきた。
こんどは、何?
彼らは温泉の入口でどーんどーん太鼓をうち鳴らし始めました。まーー、ひびく、ひびく。
首をひねりながら、宿エントランスに一歩入ると、今度はいきなり、特大級の「囲炉裏」のお出迎え。
地元の民らしき人々が、それはそれは美味しそうに、焼き物にむしゃむしゃかぶりついておられたんです。
蕎麦を食べたばかりで膨満していた胃が、にわかに縮小してゆく。
「た、食べたいです」と女将さんに言ったら、自粛期間あけで満席だそうですが、、
「あ! 7時から2時間なら、2人分だけあいてます。こんなこと滅多にないわ」とおっしゃる。
かなりの人気宿のようです。
「それで、今日は、法事か何かでしょうか?」
大広間で、先ほどのお坊さんたちがドーンドーン、オウオウオウと、太鼓や読経をふるっておられるのです。
すると「近くにお寺さんがあり、お布施がわりに無料で温泉を提供しているので、お礼に読経を上げてくださる」とのこと。
「お客さんおめでたいですね。予約もないのに、よくこんなタイミングで来ましたね。どうしてここを知ったんですか? ネット?」
安心してください、通りすがりの、パワスポ発見器です。
ほんとうに自分の行く先々にパワースポットが現れるんじゃないかと、勘違いしそう。
しかも、「ちょっと、ちょっと、あんたこの泉質どう思う?」
湯から上がると、家人がめずらしく興奮して飛び上がっていました。
ここは「千葉県で唯一の硫黄温泉」で、アルカリ性のため肌当たりは大変まろやかで…と蘊蓄を語れば長くなりそうですが、
まるで空気のような柔らかい波動でさらさら。
湯に、身をしずめた瞬間、「天女の羽衣!」
山梨のはやぶさ温泉とすこし雰囲気が似ている気がするけど、どこにもない、妖精のお清めみたいな泉質です。🧚
温泉ソムリエという方々には、さほど評価が高くないようですが、言うたら何やけど、これは野菜の葉と葉を食べ分けるようなヴィーガン系でないと、感じづらい繊細さかも。
私はばりばり肉食系です が。
それでいて、体にお絵かきしてある方もOKのおおらかさ。
男湯では、背中に大きな観音様が入ったおじいさまと、お坊様が仲良く人生談義していたそうです。
「いろいろあったなあ。思い残すことはないけど、もう一度だけ、恋をしたいなあ…」と、おじいさま。
「なさったら、よいでしょう」とお坊様が言うと、
「でもなあ、あのすったもんだは、やっぱり面倒なんだなあ」…。
🤣
それでね。
この囲炉裏で焼く地元産のスペアリブやふぐ、鮎だけでなく、なんていうことのない野菜が、やたら美味しいの。
ふっくらした下仁田ネギやしいたけ、なんの変哲もない玉ねぎ焼きまで(厳選しておられるらしい)、甘くてふくよか。宿特製のみそ(これが旨い旨い)とよく調和しているのです。
お魚は、都心で見るちっちゃいサイズかな、と思って注文したら、巨大魚が4匹でお出まし。
なんなの。これが房総スタンダードなの?
「こんなに食べられるわけないでしょう」と思いきや、
うそうそ。入る入る。
箸でちょっとつついただけで、甘いお汁がぶっしゅーーーと冗談みたいに噴き出してくるの。
直火でなく遠赤外線でじっくりローストするしくみが肝のようです。
皆さん知っていますか。
囲炉裏で焼くお魚は、食べ物じゃないです。飲みものです。
幾らでも飲めるよ。ごくごく飲めるよ。
それなのに、幾ら食しても、ひとり2000縁も行かないのです。
ここ、魔境?? 私達、ブタになっちゃってない?
ジブリの世界かと見まごう昭和ノスタルジーな内装とあいまって、どんどんおかしな気分になってゆきます。
しかも、宿の入口には、さりげなく取水場がありまして…。
関西ナンバーのトラックが、物凄い勢いで、タンクに水を汲み上げておられました。
「あの水は、汲めるのですか?」って女将さんに聞いたら、
「あー、なんだか、とても滋養によい水だってネットで評判になって、九州や関西からも汲みに来られるんですが、うちは人手が足りなくて、販売管理もできないので、無料で好きに汲んでもらってます」だって。
山の凄さって、こういうところね。
これだけのポテンシャルを秘めながら、観光客は多くない(知られていない。超穴場)奇跡の町、KR。
凄い、凄い、と感動しながらお泊りして、翌朝おきたら、もう体力がちがう。いくらでも走れるんです。
こういう、土地エネルギーのよいところで、お客さんに施術をしたら、予後が違うだろうな。と、
ふと思いました。施術の響き方が全然違うでしょう。
施術を(通常料金ね)受けてもらって、温泉に入ってもらって、囲炉裏めしをいっしょに食べて、そのまま宿泊して、
(こちらの温泉宿はリーズナブルです。5000縁~。古きよき昭和、宮崎アニメの世界観を楽しめる人でないとおすすめしませんが)
実費で18000縁くらいかしら。
ちなみに私は、宿の隣のキャンプ場に泊まります。これがまた絶景なのです
ご希望があれば、KR駅(都心から2~3時間)でピックアップし、ローズガーデンや蕎麦名店、お城巡りをしたり。
そんなリトリート旅施術、あってもいいですよね。
なんでしたら東京からピックアップも可
どんな山に隠れてもすぐわかる、このイタ車に乗ってくださる勇気があればですが…。
その前に、島でのバカンス施術に、本土から来てくださるという奇特なお客様は4組になっておりますが🤣
まだまだ空いています。特に7/30~8/4がまるっと空いていますので、どうぞ私をこき使ってください。
それと、東京サロンの10月の施術募集がまだでした。ごめんなさい、今月中旬にはスケジュールが出せると思います。