このたび『自閉君のマニュアルがありません!』という本が、学研から発売となりました。

 


今回は、たくさんの方にSNSでカバーデザインの意見をいただくという、初めての試みをおこないました。

おかげさまで、アイデアの詰まった遊園地のような表紙になりました。どうもありがとうございました。

 


まんがのはじめさん著者の岡野ゆかりさんとは、アメブロ経由の長いおつきあいになります。


岡野さんには、発達障がいにとどまらず、ひとの認知のフシギについて、いろいろ学ばせてもらいました。


こちらが素っ頓狂に見える方がいたとしても、認知の仕方が私と違うだけで、向こうも私の呼吸やリアクションが苦手かもしれない、とか。
駅で、街で奇行と思われるような行動をとる方には、きっとさまざまな事情があるのだ。とか。

 

 


おかげさまで、家族間の理解も深まったような気がします。
うちがたびたびのリコンの危機をこえられたのは、岡野さんのおかげです(´~`)。。

 

障がいというほどではなくても、その「果汁」がまざっているために、対人コミュニケーションに難儀されている方は多いと思います。

たとえば、共に仕事をしている夫は、ADHD果汁が混ざっている私の、1を聞いたら10までを想像する(トンデモ妄想を含む)スピードについていけず、長年、宇宙人だと思っていたし、


私は、アスペルガー果汁が入っている夫の、なにごともマニュアルや方法論にこだわる癖がまどろっこしく、頑固チキンめ…と思ってました。

しかし、岡野さんの自費出版をお手伝いしながら歩んできた今では、、

私は、ある仕事のセオリーを10通り思いついたら、面倒でも最低5まではことばを省かず、ゆっくり、数学的にお伝えする。そうすると、夫の行動が飛躍的にスムーズになることに気づきました。


夫は、考え事が多すぎるうえ、文章や可視的なサインでないとなかなか認知できない私のために、なにごともビジュアルでリマインドしてくれるようになりました。

朝礼の朝の字、まちごうとるやんけど。
 

そんな、ちょっとした工夫で、お互い飛躍的に共存しやすくなるのだ。って・・・ばかみたいだけれど、おとなになってもなかなか気づかないものですね👀


ですから、「あのひとの思考ってどうなっているのだ??」、と、プリミティブな認知やコミュニケーションの機序に、興味をもっている方も、読んでみていただきたいです。



岡野家の、ほのぼの暮らし、時にスリリングな4コマまんがですが、行間、コマ間に、中身の濃い認知学が詰まっていると思います。


 


●どんなに暑くても5月4日までは長そで。どんなに寒くても10月27日までは半そでのこうちゃん、

●「駐車禁止」を「注射禁止」と聞き違え、泣いちゃうこうちゃん、

●街なかでとつぜん、「覚悟しろ!」「攻撃だ!」などドッキリ台詞を言うこうちゃん、

●ストレスがたまると、「割ってもいい」CDを一枚一枚取り出し、手で割ってみる…だんだん自己処理がうまくなっていくこうちゃん、

 

こうちゃんには、こうちゃんなりの行動原理があるのです。そのこころの向き方を、しんぼう強くさぐり、支えてきた岡野さん。
なんてメンタルの凄い方だろう・・と思っていたけれど、はじめからそんなスーパーメンタルではなかったそうです。

18歳のときに産んだ長女さんについては、いつも人と比べて、立った歩いた…と一喜一憂し、学校のテストでは「ほかの子はどうだった、平均はどうだった?」と比べ、追い詰めてしまったとか。

そして長女さんは思春期のとき、引きこもりになってしまわれたそうです。

しかし、年の離れて生まれた、障害のある弟くんを追いかけてヘトヘトの母を見るうち、

そして、ただ存在を肯定し祝福されるために生きているような弟くんを見るうち、母娘は、こころとこころが結び合ってこられたそうです。

そういう、「苦しいことも、まあなんとか、楽しさへ反転させていきましょっ」

という、岡野さんのケセラセラとひたむきさが、出版なんて考えていなかったのに、いつの間にか本になっていた? 僥幸を呼んだのかなと思います^^